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私が愛しているのは夫であって、カレーではない。 #10

先週金曜日から週末を挟み火曜日まで、夫は4泊5日で出張だった。

夫とは家でもオフィスでも週末でも、24時間ほとんど一緒にいるので(!)こんなに離れるのは久しぶり。一人で過ごすフリーダムタイムが107時間も!信じられない…!!!!

何しちゃおうかな、誰と会おうかな、どこに行こうかな、、とワクワクしたものの、日々のカレー業務と家事に忙殺されて何も計画しないまま、出張の日を迎えてしまった。

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無事に夫を送りだし、私だけの時間が始まった。

初日の金曜日は、中目黒の盆栽店へ苔玉のメンテナンスへ行くことにした。
週末の中目黒には、ピンク色のオーラと甲高い声でキャッキャしているEXILEファン、ヤル気出さなくてもウチらオシャレでしょ男女が駅付近にひしめき合っているので、行くなら平日が吉◎

苔玉のメンテナンスに時間がかかるので、独身時代に毎日通っていた祐天寺のカフェに、常連仲間のユキエさんとトイプードルのネイトを誘って何ヶ月かぶりにお邪魔してきた。

カフェには、リモートワークになっている常連仲間と、別のトイプードルを連れた美魔女ママがいて急に同窓会のような雰囲気になり、各々が「犬飼いの朝の散歩は公園5:30集合の話」や「某広告代理店が受注したネズミ講紛いなコスメ会社の異様な授賞式の話」など、しょうもない話を聞きながら爆笑して。
それがとても心地良くて〔なんだろうこれ…〕と思った時、ふと気づいた。


「今日カレーの話、してない」


毎日、朝から晩までカレーやスパイスのことを考えて、仕事をし、SNSを更新し、誰かに会ってもカレーの話をするか聞いているので、私はいつの間にか 見えないカレーに囚われていた のだ。

同時に〔ほぼプライベートを知らない人達が集まり、気が向いた時に行って帰ってができて、利害関係が全くなく、しょうもない話ができる空間〕に飢えていることに気がついた。

夫が結婚前に入り浸っていたゴールデン街が、まさにその場所なんだろうな。
ゴールデン街で出会った人が、意外と責任ある役職者が多いというのは有名な話だけど、わかるよ。そりゃ癖になるよね。

〔何者でもない自分〕でいられる場所があるだけで、精神的にすごく楽になれるんだな。夫と四六時中一緒にいることは楽しいしから苦じゃないし、ストレスもないと思ってたから全然気づけなかったけど。


カレーに囚われていることが、
ストレスになっていたのだ。


そして、どこに行くにもトッププライオリティは、カレー活動をしている「夫」だった。
夫は身長も高く、顔面も大振りで特徴的な外見なので、相手が覚えるのは夫だけだろうと思っていたし、私は空気でいいと思っていた。

だが、意外と深層心理では〔何者でもないけど、自分がここにいる〕という実感を欲しがっていたのだ。カレーじゃないことがしたい。(生け花を学んでいるけど、あの場はコミュニケーションの場ではなく、精神鍛錬の場なので、ちょっと違う。)

いつもと違う場所に行って、誰かと話をすると、意外なことに気づけて楽しい…!!!

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他愛もない話をしてリラックスできたので「週末はカレーから離れて映画や積読してた本を読んで、カレー以外のことをインプットしまくるぞ!」とルンルン気分でオフィスに戻ったら、いつも見てみないフリをしていたキッチン奥のカオス棚が、気になって気になって仕方がない。

「ここを片付けて、各々のスパイスや食材や道具に住所を決めれば、何かを探すロス時間や工数が減って、夫のニコニコ時間が増えるのにな…」と毎日思っていたので、大規模な模様替えを行うことにした。

収納棚を増設し、スパイスや食材を棚から全部出して、賞味期限切れ食材や記念に残していた絶対食べられないであろうお土産でもらった不思議なスパイスなどを断捨離し、ミキサーやキッチンツールをカテゴライズし、全ての住所を決めて、舌打ちのしようのないキッチンに生まれ変わらせてやったぜ…!!

模様替えは金曜日の夕方から月曜日昼まで丸3日を費やし、私の貴重な一人時間を楽しむ時間は、あっという間に終わりを迎えた。


また、不覚にもカレーにまみれてしまった。

私が愛しているのは夫で、カレーではないのに。


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