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【虚構のアイランド】1・ファーストミッション《1》

※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

いつからか、空模様は灰色1色になっていた。
雨でも降りそうなどんよりとした外の様子。
だが降水量は平年並みにしか、降っていなかった。

5階建ての労働者用のマンションの最上階。
私は窓を開けて、外の空気を吸っていた。
下はのらりくらりの爺さん達が、昼間なのにお酒を飲んだりしていた。
たばこも加減を知らないのか、何本も吸う姿もよく見かける。

決して、空気なんて良い、と呼べる代物ではなかった。
だがマンションの利用が寝泊まり目的の私には、この空気でも十分だった。
大きく開かれた窓の側で、外の様子を眺めていると、ピピピ…とアラームが鳴った。

アラームの元は、私の短パンのポケットに忍ばせていた正方形の小型端末機だった。
端末機の正面は液晶パネルになっており、真ん中の赤い丸をタッチすると、画面が切り替わった。
いかにも事務員の格好をした女性が出てきた。
私は彼女をよく熟知していた。

「朋美、どうしたの?」
『いつもの仕事だよ。出撃準備して。』
「わかった。すぐ飛ぶわ。」

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明日もお楽しみ!

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