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RDR/リュー・ドゥ・リューのススメ

RDRとの出会いは、中学か高校のときに本屋で立ち読みした、「黒のブラジャーは捨てなさい」だった。オーナー、龍さんの著書である。年下の男性と出会い、思ってもなかったけれど結婚して幸せよ、という内容なのだけれど笑、ブラの着け方にはなんとなく興味を引かれた。

中学からブラを着けるようになり、多くがそうであると思うのだけれど、私は興味津々だった。自分の体にというよりは、ブラ自体に。友達と試着に行き、イオンでサイズを測ってもらっては一喜一憂していた。高校の時は年明けにAmo’s styleのセールでブラを新調したけれど、なんだかぎゅうぎゅう入れていた覚えがある。体型が違うこともあって母にはブラのことは一切聞けなかったけれど、”実際よりもアンダーが大きいブラが本当は合っている”、というのを本で読み、買い足したこともあった。


初・来店

本を立ち読みしたときに、お店の名前だけは覚えておいた。調べてみたけれどとても高校生が手が出せる値段ではなく、初めて青山のお店に行ったのは留学していて帰国中の夏だった。ちょうどセールで、オリジナルを2セット買った。これは結構な出費なのだが、直しながら長く使うものだけあって、元はとれる。何より体にいい。手洗いを勧められて、洗濯機を乾燥だけ使うという機能はアメリカにはない、と言ったら、野菜の水絞り機(salad spinnerのことね)が使えますよ、と言われた。実際はバスタオルでドライして、部屋に干していた。気合のあるときはすべてのブラを手洗いして、部屋に干す。手洗いが面倒になったらしばらく洗濯機にする、というかんじでやっていた。ハロウィンパーティーに行く友達が荷物を置きに来て、干してあるブラの写真を撮っていったり、予想外に来た元彼が、眺めていたこともあったっけなあ。笑

ちなみに最初に買った2セットは、他のブラと共にコインランドリーで盗られてしまった。たまたま寮の洗濯機が故障中で、近くに洗濯に行かないといけない時だったけれど、その場で待っているには、うるさいし取る人もいないだろうと思い、家に帰った隙をつかれたようだ。

このあと、寮仲間にもdinnerで聞いてみたのだが、
「変な質問なんだけどさ、私のブラ見てない?」
「あー、見たよ、黒いやつだろ?」(デザインを聞き出そうとしている)
「あー、見たかも。サイズは何だったっけ?」(サイズを聞き出そうとしている、もうすでにjoke)
とまあ、こんな具合であった。笑

「日本のブラは最高なのに!Victoria’s Secretよりも良いって、盗んだやつは知ってるのね!」と、韓国の友達に言われた。ちなみに、この子たちが韓国語で話していたのだが、「Hazeがー、ブラー」と言っていて、内容がわかっておもしろかった。
「Victoria’s Secretよりも良いなんて、そんなのありえるのか!?」

ちなみに、私はVictoria’s Secretは嫌いではないけれど、ブラの機能でいえばいわゆる”Tシャツブラ”が基本で、服とかパジャマとかのほうがおすすめ。当時はAKBが練習のときに着ていた。ボディクリームも日本で買うよりもすごく安いから、女友達におみやげにしていた。男友達にすすめたら、下着屋に入るのは恥ずかしい、と言われた(日本の男友達だなあ)。アメリカではカップルで下着を選びに行くのって、けっこう普通なのだ。

再びRDRへ

留学中だったので、帰国したときに直しに行ったり行かなかったりしたけれど、盗られてしまって以来、数年空いていた。けれど、仕事を休んで復帰するときにまた”修行ブラ”に頼りたくなり、数年ぶりにお店に行った。着け方がすぐにはわからず、なんだか違和感があって全然着けないままだったのだが、主任試験勉強中にもとてもブラがほしくなり、ちょうどセールだったのもあってまたお店に行った。そのときに翌日から発売のシリーズを見せてくれたのだけれど、たまたま私が所縁のある地方のデザインだったのもあり、すごく惹かれた。このブラを着けて、夢に向かって戦うのもいいかもしれない、と思い、年明けのセールにまた来ます、と言って帰った。

オーナー・龍さんとご対面

年明けに直しに来てください、と言われたのだが、ゆるくなって待ちきれず、新作は年明けのセール対象にもならないということで来店した時に、たまたまいる日だったので龍さんにフィッティングをお願いした。このとき私は30歳になり(この記事はまた別に書く!)、RDRブログ&龍さんの本を読み漁っていて、美脚になるというガーターベルトを履いてみたい!と思っていた。

ちなみに、これまでガーターといえば、Victoria’s Secretのセットを買って、こういうの買ってみたの、と元彼に見せたことがあったのみだった。元彼は広げて見ていたが、好みではなかったらしく、つけてみて、とはならなかった。笑

ガーターついでに、私は大学内のホテルでバイトしていたことがあるのだけれど(これもいずれ書くかも)、アメリカの結婚式でブーケトス&ガータートスを見かけたこともあった。しかしこのガーターとは、ウエストにつけるやつではなく、片方の太ももにつけるやつである。

ともあれ、龍さんに会った。本で読んでいたあの人だ!といううれしい気持ちなのだが、めいっぱい表現することができず。小柄な印象だったけど、背は私より少し高いくらいだった。そして、技はさすがで、胸から脇に流れたお肉をあるべき位置に戻してもらった。

「前からは見えない、ここから持ってきます」
鏡で見てみるとよーくわかったし、ちょうど少しくすぐったいあたりだった。ずーっとここにいました、と脇背中のお肉が言った。
「丸い体で(背が低いひとは丸く、高い人は平たい傾向にある)、アンダーがとにかく細くて、肩が少し広いから、この線が長く届くことが重要です」
「サイズはこの2つのちょうど中間です。生地(下着の素材・伸び)によります」
この1つはCで、1つはDだった。アンダーが細くてDなのが、良い・目指すべきものだと思っていたけれど、この説明を受けて、サイズって本当に数字でしかないんだなーと思った。

自分で着てきたもの(これまたRDRのブラなのだけど)に着替えていると、私もオーナーに着けてもらいたいです、と体から声が。うん、私も着けてもらいたいけどね。普段は自分でやんなきゃいけないのよ。

RDRの本を読んでいたので(といってももう10年以上前に書かれたものだけど)、試着しながら恋の悩みとか、コンプレックスとか、そういう話に発展するのかと思っていた。そういうことはなく、笑わされ、なんだか元気になった。ゆるいと思っていたブラも、1つは直す必要なく、しばらく使えるとのことで持ち帰ることに。

ガーターストッキングを試着!

ブラの後は、お待ちかね、ガーターベルト&ストッキングを試着。素敵だと思いつつ、今まで履いて外を歩いたことのなかった、黒いストッキングで、試着したいです、と言う時点で私は結構勇気を出していた。片足は履き方を教えながらつけてくれて、もう片方は自分でやることに。着け方によって、同じブラでもシルエット&快適度が変わるように、ストッキングも履き方によって、仕上がりも異なるのがわかった。きちんと伸ばして履くと、特に膝のあたりが引き上げられてきれいに見える。

そうして、見た私の脚は、なんと…きれいだった!試着室から出てみると、
「履いてしまいましたね」
と、いつの間に下りてきていた店長さん(初対面)に言われた。履いてしまいました…

サンダルを履いて歩いてみて、斜めに置いてある(よって、さらに脚がきれいに見える)鏡をちらっと見たところで、OMG、これはまさしく美脚。私足短いはずなのに、美しいストッキング&ヒールで、長く見える~。これはもう、脚きれいですね、と言わざるを得ない、色気のある、これだったらモテてしょうがないだろう、と思う、脚だった。

「膝下がまっすぐ!足首がきゅーって細くなってて、きれい!」と、店長さんは言ってくれた。ありがとうございます…

着替えながら、あなた、美脚だったのね?と、聞いてみた。そうです、実はずっと一緒にいました。と脚が言った。新作とお揃いは少し高くてハードルも高かったので、今持っているものとお揃いの、セールで半額になっているガーターベルトを買った。履いてしまいました、と言いながら、店を出た。

それから、花粉で目が痛いなあ、少し寒いなあと思いつつ、とりあえずごはんへ。吉祥寺の道を歩く女性の足を、ついつい見てしまう。モデル脚ではないけれど、それなりに細く形のいい脚が多く、脚ってみんな共通の悩みの種で、解決が難しいものではないんだなと思った。並んで少し待ち、ごはんが出てきても、まず野菜から、と箸を進めることができず、肉を食べた。なんだか放心して動けなかった。帰り道、この日は普段のように電車で本を読むのではなく、目を閉じて考えることが多かった。

美脚とSelf-image

美脚だ、という事実は、今までの私の考えを変えるものだった。

うちはNeglectだった(詳しくはemotional neglectだった)。そういう家に育った子供は、”自分が愛してもらえないのは、何かがいけないせい。もっと完璧であれば、愛してもらえるはず”と思い、完璧主義になるという。(その過程で、成績とか、得られるものもあるにはある。)親に頼らないと生きていけないのが子供なので、進化の過程で身に着けたのは、親が無条件で子供を愛する性質ではなく、子供が親を好く性質なんだそうだ。

見た目がよくないからだ、可愛くないからだ、細くないからだ、と、完璧主義は広がり、その過程で拒食になることもある。(実際、根本的にダイエットしなきゃいけないわけじゃないんだ、そうでないと受け入れてもらえないわけじゃないんだ、と気づいた後の私は、とりあえず体を締めるものをやろう、という思考がなくなり、このエネルギーを、今度は何に向けたらいいんだろう、と、しばらく空の巣状態になったことがあった。)

が、何をどうやっても、変わらずに愛されず受け入れてもらえないので、じきに、”私には絶対的に欠けているものがあって、それはどうやっても治らなくて、だから私は愛されないんだ”と結論づける。そして、その信念に合うように、現実を解釈していく。自分には人に利用されるくらいの価値しかない。利用されていないと、好かれない。繕うことができれば、せめて普通の人には見えるかもしれない。好かれるということは、利用されるということだ、と思えば、つきあうことにも慎重になる。

はー、ほんとに、長い道のりを来たものだよ。

ともあれ、体って変えられないものだと思っていた。締めることは多少できても、悪い方向に変えることはできても、それまで。体は成長する一方で、細くすることはできないと、長いこと思っていた。だけど、むくみとか冷えとか、ほぐしとかで、変わる。脚、きれいだったんだ。っていうか、脚ってきれいにできるものだったんだ。

私は細くない。胸は普通よりある(だからこそ、視線を感じて嫌な思いをすることも多かった)。おなかが出ている。二の腕なんかにも肉がついている。美脚じゃない。太ってはいないけど、細くない。だから。

だから、愛されない?だから、何をやってもだめ?

大きさも細さも、比較で言っているだけで、根本的に太いとか、これ以上なら大きい胸とか、そういう基準はないというのを読んで、確かに、腑に落ちたのだった。美脚に、できるなら。そうか。それなら、いろんなことを、自分に許してもいいんじゃないか。

信じてみたいです、と体が言った。

ガーターベルトに慣れるまで

そういうわけで、ガーターベルトを履くようになった。とはいっても、履き方が難しいし時間もかかるので、まずは家で数時間。それからテレワークのときに家で一日。wide pantsを上から履いて近所の散歩へ行ってみると、足がいつもより楽だった。そしていよいよ、ひとりで外出するときにも履いてみた。ずれて、頻繁に直さないといけないんじゃないかと思っていたが、家と違って寝っ転がったりしないので、意外とずれなかった。まあ、保湿しないと直してもずれちゃうし、手を保湿しないと伝線しかねないから、今のところ外では直さない方針だけれど。暑い時期は履かなかったけれど、最近また履き始めた。やせたから、さらに脚がきれいに見えるし、むくまない!!!すごい。

すぐに引っかけてしまうdelicateな素材なので、履くときはまず手を保湿→脚を保湿する。RDRおすすめのユースキンをずっと使っている。最初はけっこう伝線させてしまったのだが、どれだけdelicateなのかわかったので、2足目からはほとんど引っかけなくなった。そして、中に履くものと聞いて以来、五本指フットカバーを履いている。指先だけのパーツソックスは、タイツの中で脱げてしまったけれど、これは脱げないし、伝線対策にもなる。ガーターが理由というよりは、意識の変化だと思うのだが、脚の形は確かに変わったし、マッサージを念入りにするようになっただけでも、膝回りがすっきりした。

そして、すっかりself-imageが変わってしまったことで、”私、もうちょっといいものがふさわしんじゃない?”と思うようになった。この一番安いやつじゃなく、貯金もできていることだし、もう少しいいものを。時間のつかいかたも、こなすためだけに読んでいる本とか、退屈からのつまみ食いとか、online shopping browsingとか、暇つぶしなんかしてる暇なく。一番大事なことに、時間をつかおうと思った。怖いけど。後回しに、見て見ぬふりをしたいけど。そうじゃなくて。だって。

だって私の人生なんだから、真剣に取り合う価値のある人生なんだ。

グラマラス

その後、転職が決まったら新作を買うぞ!と思っていたので、意気揚々と買いに行った。笑

自分でもブラをうまく着けて、脂肪をうまく入れられるようになった。美胸トレーニングもきいているし、食生活も変えた。お直しが必要なく、ゆるくなく、収まりよくなってきた!と思っていた。それでもやはり、実際に試着して入れてもらうとまた違った。さらにいい形に、ボリュームも出る。新しいのを着けてみたら、今のはゆるかったことがわかった。

この時私は生理前で、しかも胸も弾んでいたからなのか、特にボリュームが出ていた。すると、今とてもいいかんじなので、とグラマラスタイプを出してくれた。こちらは盛りではないけれど、とても楽ちん。薄くて暑くない!家に帰ってきて、暑い~と着替える下着に近い。だけどRDRだから、いい形はキープ。嬉しかった。しかもセールを出していただき、考えてなかった形だけどいいかなと思っていたデザインのものが手に入った。結構透けるデザインのものも、気に入ったのでお迎えした。

その後

以後、何度か来店し、買い足したりし、今持っていて使っているブラのほとんどはRDRになった。↑のいい状態だったのは、最近やせているのもあって今のところないけれど笑、もうなんか、苦しさと合わなさを考えたらほかのはよっぽど機能性(デザイン的に、色や形が服と合わないとか)の理由がない限り考えたくないね。

RDRは少し値段も張るし(ってそこまででもないけどね)、基本的には”優雅な大人が女を楽しむための下着屋”という位置づけだと思う。だけど20-30代が少ないかといえばそんなこともないし、以前本が出たり、ニュースになったりしたけれど、特に胸にコンプレックスを抱えている人や、女性としてのときめきを楽しみたい(って定義が難しいんだけど)と思う人にはすごくいいと思う。母親にもすすめたいくらい。ブラやガーターについては、HPや本・ブログや、ほかの人のブログなんかを参考にしてもらえれば、どんなものかわかると思う。

もちろん、タイミングによっては、色やデザインがぴんと来ないなーと感じる時もあるし、体の調子含めた自分のタイミングとfitterの相性によっては合わないと思うこともある。スタッフがみんな似たような色の服や、ガーターストッキング&レッグウォーマーなので、不思議に思えることもある。笑 だけどなんだかんだ、新作です!とか、インポートが入りました!とか、報告を見ていると元気をもらえるので、RDRのブログはついつい見てしまう。笑

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