戦略的な英語学習とは?

弊社のグローバルシッター&家庭教師サービスをご利用頂いているご家庭の保護者、及び大人のお客様から、「どうしたら英語ができるようになりますか?」という質問をされることが多いので、今回は非ネイティブが「英語ができる」ようになるまでの道のりを書いてみたいと思います。数百のご家庭、中高生、大人へのレッスンを提供してきた経験と、私自身の英語習得の経験(帰国子女ではありませんが、同時通訳ができる程度の英語力を身に着けました)、中学生の息子の英語学習を観察してきて、今のところ今回ご紹介するのが、最も効率的&戦略的と思われる英語学習の方法だと思っています。ちなみに、今回の記事のターゲットは、母語が確立していて、英語を科目として勉強している中高生以上の学生、及び大人をイメージしています。あと、本格的に英語を学習したい人向けです。未就学児や小学生の英語学習に関しては、こちらこちらを参考にして頂ければ!では、ここから順を追って説明します。

①「英語ができる」とはどういう状態かを定義する

まず前のめりでお伝えしたいのは、あなたにとって「英語ができる」というのはどういう状態なのか、ということをはっきりさせることです。これが出来れば、以降の英語学習が格段に楽になります。「英語ができる」という一言の中には、ものすごいグラデーションがあって、”専門分野で論文書いたり議論したりできるレベル”なのか、”自分のビジネスで使えるレベル”なのか、”友人との会話に困らないレベル”なのか、”海外旅行で困らないレベル”なのか、本当に多様な「英語ができる」があります。まずは、ご自身が目指す「英語ができる」状態を、出来るだけ細かく定義してみましょう。
”海外の映画を字幕なしで理解できるようになりたい”という方が結構いらっしゃいますが、海外の映画と言っても、内容によって使われる英語や難易度が大きく違いますので、具体的な映画やドラマ名まで落とし込んで考えると良いです。私の場合は「Sex and the City」(古い!)を字幕なしでわかるようになる、というのを一つの目標にしていました。”友人との会話に困らないレベル”を目標にする場合も、会話の内容を具体的にイメージすることが大切です。目標を具体的にすればするほど、現在地と目標までの距離も明確になり、打ち手が増えて、学習の効率が良くなります。
ちなみに、言語には日常生活のコミュニケーションに必要な「生活言語」と、抽象的・概念的な事や教科内容を理解するのに必要な「学習言語」がありますが、前者が機械的な練習を繰り返し行うことで2-3年で習得できると言われてるのに対し、後者の習得には最低5-7年の年月がかかると言われています。「英語ができる」と言っても、生活言語レベルなのか、学習言語レベルなのかで、学びの時間も内容もずいぶん違ってきますね。

②目標までの距離を分析し、行き方を計画する

何事も、手あたり次第にやるよりも、ある程度プランを立てた方がスムーズなように、英語の学習も分析&プランニングをした方が効率的です。ただ、分析やプランニングにやたら時間をかける方がいますので、それは要注意!ざっくりプランが出来たら、まずは実際にやってみて改善していくことが大切です。
分析に関しては、目標に辿り着くのに必要なものを洗い出すところから始まります。圧倒的に単語力が足りないのか、文法が弱いのか、4技能の中でも特に強化するべき技能があるのか、など、目的地に到達するために足りないものを洗い出しましょう。分析が出来たら、プランニングは比較的容易だと思います。一昔前と違って、ものすごい量の無料英語教材が巷に溢れかえっているので、選り取り見取り状態です!
が、ここで躓く方が多いのも事実です・・・。ある程度の英語力がないと、足りないものがわからない、というのが現実。また、英語教材が多すぎて、どれを使って良いのかわからない、という方も多いです。その気持ち、よーくわかります。
この躓きを乗り越えるための私からのアドバイスは、①学習言語として英語を習得した非英語ネイティブの知人・友人に聞く、②個人レッスンを受ける、③英語コーチをつける、です。かかる費用は①→②→③の順番になるでしょう。
私自身は、岐阜の田舎で育ったのと、今のようにインターネットがなかった為、①も②も③もなく、独学で英語を勉強しました。ですが、弊社のお客様や私が英語を教えてきた中高生、中学生の息子を見ていると、やはりプロの力を借りるのが圧倒的に早いです。そして、プロの力を借りるときは、個別が断然おすすめ。集団レッスンも良いですが、その場合も個別レッスンとの併用をおすすめします。
①(学習言語として英語を習得した知人・友人に聞く)が叶わない場合、次は②の個人レッスンという選択肢になりますが、安価なオンラインレッスンに頼るのは、ある程度プランも出来て、目標への階段を上り始めた後にしましょう。まずは英語教育に長年携わり、引き出しがたくさんあって、的確なアドバイスができる人に教えてもらうのが一番です。そして、毎回同じ先生に教えてもらうのがポイントです。先生がコロコロ変わると、自分の進捗もわかりませんし、レッスンスタイルも定着せず、無駄が多くなります。
個人レッスンや英語コーチはお金がかかってしまいますが、最初が肝心ですので、分析やプランニングを手伝ってくれる先生、コーチを探してみましょう。先生やコーチをつけると、必然的に行動に移すことになるので、学習スピードも速くなると思います。

③コツコツ続ける

本当にここで挫折する人が多いですよね。わかります、わかります、だってコツコツ続けるのってつまらないので。が、3ヵ月でペラペラになる!とか、聞くだけで英語が話せるようになる!とか、これだけやれば大丈夫!みたいな魔法のような話は、実際に存在しないから魔法みたいなのであって、現実はどこまでもコツコツ続けるしかありません。残念ながら・・・。
ただ、目標やプランがある人の方が、より長く続きますし、達成感も得られやすいです。なので、必ず上記②のステップを踏んでから始めてください。自走できるようになって、英語学習が習慣になれば、あとは成長あるのみです!習慣になるまで、個人レッスンやコーチの力を借りるのもおすすめ。もしくは、定期的に英語のテストを受けて、現在地を確認するのも良いでしょう。テストという「必然」を作ることによって、それに向けて行動に移すことが可能になります。
ちなみに、英語の勉強はこんなイメージで表せるかな、と思っています。(イラストが下手すぎですが・・・)

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最初の方は段差が急で、踊り場も長いのです。なので、勉強しても成長が感じられない人が多いのがこの最初のステージです。100名が同じレベルから学習を始めても、途中で挫折してしまい、段差が緩やかで踊り場も短い次のステージに行ける人は100分の3くらいだと思います(今までの経験を元にした私個人の感覚です)。そして、そこからさらに学習を続ける人は3分の1くらいですね。イメージ的には、100人→3人に到達するのに最低3年、3人→1人に行くのにさらに3年くらいかかるかと(継続的に学習を重ねて、という前提条件あり)。でも、挫折する人が多いので、コツコツ続ければ、必ず次のステージに上がって差をつけることが可能です!

ということで、学習方法は以上です!シンプルすぎて、派手さも新しさもないですが、上記が一番の近道だと思います。そもそもどうしてそんな面倒くさい、時間のかかることをしてまで、英語を習得したいのか、という理由や目標が明確であればあるほど続きますので、何度も言いますが、まずはその軸を確立してくださいね。逆に、目標や軸が曖昧なのであれば、わざわざ時間を割いて勉強する必要はないと思います。私の場合は、中学生の時にマイケル・J・フォックスと運命的な出会いを果たし(マイケルはスクリーンの向こう側でしたが)、彼と結婚したい!、その為には彼と話せるように英語をやらなきゃ!という単純な(でも力強い)理由で英語学習を始めました。どうして途中で脱落せずに今まで続いているかと言うと、私の場合は世界が広がっていく感覚が楽しすぎる、からです。英語が出来るだけで、英語の本、英語の映画、洋楽がさらに楽しめます。世界中に話せる人達が増えます。とにかく、ワーッと境界線が広がっていく感じが好きです。あと、学習言語まで英語を習得した後は、本当に得なことしかないんですよね。仕事でもプライベートでも、英語ができるおかげで、沢山の機会をもらってきました。なので私の場合は、英語を学んでいる内にだんだんと、英語を学習しない、という選択肢がなくなっていった感じです。

もちろん、人によって何に楽しみや喜びを感じるかは様々ですが、楽しい方が長続きするので、学習の中に楽しみを見つけてみてください。他の英語学習者と繋がれるコミュニティに参加しても良し(それが可能なアプリもいくつもありますね)、Toast Mastersなどに参加して定期的に腕試しをしてみるのも良いでしょう。

最後に・・・。私が心から信頼している英語の先生達による個人レッスンや、英語コーチによるセッション(私自身がコーチをすることもあります)にご興味がある方は、inquiry@chezmo.jpにお気軽にお問い合わせください!100人中の最後の1人になるべく、お手伝いさせて頂きます。


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