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日本初(*1)の減酒治療アプリ 販売ライセンス契約をサワイグループホールディングス株式会社と締結

株式会社CureApp(本社:東京都中央区 代表取締役社長:佐竹 晃太、以下、当社)は、サワイグループホールディングス株式会社(本社:大阪市淀川区、代表取締役社長:澤井 光郎、以下、サワイグループ)と減酒治療アプリ(以下、本アプリ)の販売ライセンス契約を締結したことをお知らせします。

 本契約締結により、サワイグループは日本におけるアルコール依存症を適応とした本アプリの独占販売権を取得いたします。また、本契約に基づき、販売ライセンスの対価および販売金額に応じたマイルストーンとして総額最大48億円、ならびにアプリ上市後の販売額に応じたロイヤリティが当社に支払われます。また、アプリ上市後、医療機関は、当社が開発・提供している治療用アプリ処方プラットフォーム(APS)を通じて、本アプリの導入及び患者さんへの処方を実施する予定となります。



早期治療の重要性から「減酒」治療が選択肢の一つに


 過度の飲酒はがん等の重篤な疾病発症の身体的リスクだけでなく、対人トラブルなどの行動面でのリスク上昇にも繋がります。このように明らかに有害な事象が想定されるにも関わらず飲酒習慣を変えず、自身での飲酒量をコントロールできない場合には、アルコール依存症が疑われます。

 アルコール依存症の従来の治療法は断酒が中心であり、治療を受けることに抵抗感を持つ方が多いことが治療を困難にする要因のひとつとされてきました。そこで、新しい選択肢として重篤な身体的、精神的、社会的問題にまでは至っていない早期のアルコール依存症の方に対する減酒(飲酒量低減)を目標とした治療が欧米で提唱され、日本においても関連諸学会から飲酒量低減治療マニュアル(*2)が2019年に公開されています。さらに2024年2月に、厚生労働省より「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(*3)」が公表されたことにより、適切な量の飲酒について国として取り組んでいかなければならない問題であるという認識が広がっています。

 この流れを受け、飲料メーカー各社は度数8%以上のいわゆるストロング系缶酎ハイの販売を縮小しました。また、2023年のノンアルコール飲料市場は10年前の1.4倍以上の市場規模になったと推定されています(*4)。

減酒治療アプリの可能性ー身近に通える減酒外来の普及を目指す-

 アルコール依存症の早期治療実現のために解決すべき2つの課題をあげます。

課題①:アルコール依存症患者の専門医療機関への受診の抵抗感

 現状、アルコール依存症の治療は専門医療機関で行われることが多いのですが、軽症の患者さんにとっては専門医療機関を受診することに抵抗感があり、受診を敬遠するケースもあると考えられています。まずはかかりつけの内科などで相談・治療が可能になれば早期に治療を開始することができます。

課題②:アルコール依存症に対応できる内科診療所が不十分であること

 アルコール依存症の早期治療はもちろんのこと、アルコール依存症と診断されていない人も含め、アルコールの弊害を少しでも減らせるよう、医療機関では幅広い対応が求められています。今後早期治療を担うことが期待されている内科では、短い時間に多くの患者さんを診察しなくてはならないため、アルコール依存症の治療の基礎であるとされる心理社会的治療を提供する時間的な余裕が無いのが現状です。

*アプリ画面はイメージです

本アプリはこれらの課題を解決することをめざして開発されました。患者さんは医師と決めた目標のもと、毎日の飲酒量をアプリに記録し、アプリの推奨に従って飲酒量を減らすための行動を実践していきます。そして定期的に医療機関を受診して医師と一緒に目標を見直します。医師は診察時にパソコンを通して治療の状況を確認し、目標を見直す際の参考とします。

 また、患者さんにとって耳の痛いであろう指摘やアドバイスはアプリが担い、医師は患者さんに賞賛を伝えます。このように本アプリが心理社会的治療を補助することにより、時間的な問題の解決と、専門性の高い治療を提供することが可能となり、今後非専門医療機関(アルコール依存症専門以外の精神科や一般内科など)で広く減酒外来が提供される可能性が期待されます。

 本アプリは患者さんに寄り添いながら医学的に適切なサポートを行い、アルコールとの付き合いに課題を持つ多くの方の健康増進に貢献することをめざして参ります。

 本アプリは、2023年2月に開始した治験(国内第Ⅲ相臨床試験)を完了し、主要評価項目を達成、2024年3月製造販売承認申請を行いました。尚、現在国内において薬事承認や保険適用を受けた「減酒治療アプリ」はありません(*1)。


*1:自社調べ ・調査年月:2024年8月 ・調査範囲: 日本国内で製造販売承認および保険適用を受けたアルコール依存症および減酒治療アプリ
*2:https://www.j-arukanren.com/pdf/201911_inshuryouteigen_chiryou_poket.pdf
*3:https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001211974.pdf
*4:ノンアルコール飲料に関する消費者飲用実態・意識調査 サントリー ノンアルコール飲料レポート2024
https://www.suntory.co.jp/news/article/mt_items/14622-1.pdf

治療アプリについて

 お薬と同じように有効性・安全性が確認され、医療機器として使用するスマートフォンアプリ。医師が患者さんに対してアプリを“処方”、患者さんは自身のスマホにアプリをダウンロードして利用します。一般的なヘルスケアアプリと異なり、病気の予防、診断や治療などの医療行為を目的としており、専門的にはデジタルセラピューティクス(DTx)と呼ばれます。病気の治療を目的としたプログラム医療機器であり、厚生労働省の承認(もしくは認証)が必要な医療機器に分類されます。