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2020年ふり返り(お仕事編)

2020年も最後の日の朝。
今年のふり返りは今年のうちに、ということで、まずはこの1年をざっと振り返ってみる。

この1年は特に、記憶が曖昧で、あれ?これやったのいつだっけ?という事が多い。2月半ばから完全リモート勤務となったこと、先のことを計画しつつ日々を過ごすというよりは、予測不可能な毎日の中で、その時最善の生活をするという暮らし方だったからだろう。(特に4月以降)毎日必死に生きてきたなぁという感覚があるし、そんな自分に「よく頑張った!!」と言ってあげたい。(そして同じように乗り越えてきたたくさんのみなさんも。「みんなよく頑張った!!」)

ちなみに、2019年のふり返りはこちら。昨年は、人生最大級にとっちらかった1年だったけれど、今の体感としては、この2019年と比べても、今年のほうが辛かった。

ただ、私はわりと「喉元過ぎれば熱さを忘れる」タイプというか、ネガティブな記憶にあまり引きずらない性質のようなので、1年後には2020年もそう思えているかもしれない。2019年の暗黒時代(6月~9月の医学部教授秘書のころ)も、今では「あれはなかったわ~」と笑い話にしてるくらいだから、この苦しかった1年も、きっと数年後にはビール片手に友人と笑い合っていると願っている。

さて、フリーランスとしてまるっと1年働いたのは、今年が初。自分の業績も成果も、自分でまとめるところまでがフリーランスの1年だから、しっかりとふり返っていきたい。

■ 先端技術リサーチ業務

今年の働き方として、ベンチャー企業での先端技術リサーチをメインとし、その合間に(余裕があった月だけ)ライター仕事を請け負う形をとった。本当はライター仕事も継続して行いたかったけれど、純粋に時間管理上難しくなってしまったからだ。休校や保育園の登園自粛などの自体に対応するため、そして再開以降もいつ何が起こるかわからない昨今の状況に、フレキシブルに対応するには、この働き方が一番だった。ふり返りも、リサーチャーの仕事メイン。

1.仕事時間まとめ

この1年の稼働時間をざっくりまとめてみた。

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1番稼働できたのが3月で134時間、一番少なかったのが4月で71時間。4~5月は登園自粛の影響を受けており、8月は長男の夏休みによる学童の送迎負担が大きかった。

ここ2ヶ月も稼働が少なめではあるけれど、11月は少しまとまったライター仕事を受けていたこと、12月は家を整えることに時間をとるため、あえて稼働時間を減らしていたので、9月以降は比較的安定して働けるようになったなという感触を得ている。

グラフにしてみると、(在宅保育していた割には)5月6月が意外と働けていたなという気がするけれど、5月はGWをほぼつぶして働いており、6月は前半週1、後半は週2で保育園に預けることを決め、集中して働いていたのでこういう結果になったと思われる。4月は他者に一切頼らず(夫に頼るのも休日のみ)、子供の昼寝中+早朝深夜+休日にのみ働いていたので、逆に言うとこんなに働いたのか!と今では驚いている。この1ヶ月が2020年で一番つらかったし、もう二度とあの働き方はやりたくない。

1月~2月は、7時間×週4をひとつの基準として働き、残りの時間で新規開拓(このときは医療系ライティング)をしていたので、できればそこまでの時間数まで戻したいところ。しかし、現状では1日7時間の確保が難しい。(在宅勤務なのに?と思うけど、保育園が遠いために、夫婦分担で送迎していた時に比べると今のほうが時間がなくなるという悲しみ… でも夫の時差通勤のほうが大事。)

次男が今の保育園に通うのは来年度まで(2才児クラスまでの園なので転園が必要)だし、長男も学童中心の放課後から塾にシフトしていくことになるだろう。夫の通勤も今後どうなるかわからない中、生活リズムの見直しと夫婦の育児分担は、今後も状況に応じて変えていくことになるはず。私としては、週末も含めた1週間の中でどう仕事時間を作っていくかを念頭に、もう少し試行錯誤して、100時間以上をベースにした働き方を整えることを2021年の目標としたい。


2.担当業務まとめ

先端技術リサーチの仕事は、基本的に、委託元のベンチャー企業のプロジェクトに参画する形で行っている。クライアントから依頼されたリサーチの仕事がメインで、目的は技術動向や競合調査、提携候補調査など。実際に行う作業としては、ざっくり分けて

1)対象となりそうな技術を各種媒体から検索しリストアップ
4)特許や論文の中から対象となりそうな技術をリストアップ
3)リストアップ内容の追加調査
4)詳細なレポート作成

の4段階あり、今年はどのフェーズも担当した。プロジェクトによっては、1)から4)まで担当したり、どこかのフェーズだけを担当したり、関わり方は様々だ。特に4)は情報を読み込む力も、それをまとめる力も求められる難易度の高いタスクだけれど、はじめて担当したものの質が評価され、その後も別プロジェクトで複数担当できたことは自信になった。

この仕事は、様々な産業・分野のクライアントから依頼があるため、参画するプロジェクトの内容も非常に幅広い。昨年は仕事をはじめたばかりということで、比較的バックグラウンドを活かせる仕事をもらっていたけれど、今年半ばからは、全く未知の分野の仕事も行った。この1年で担当したプロジェクトの分野をざっくりまとめるとこんな感じ。

■ 専門に近いもの
バイオプロセス(微生物を使った物質生産)やバイオマス原料からの物質生産(バイオプラスチックなど)、生体情報のセンシング、個別化栄養、食品・飲料関連成分
⇒ 技術理解に必要な専門性が、化学・生物系のため、製薬企業での研究・企画経験を活かしやすい

■ 専門から離れるもの
モバイルデバイス、ヒアラブルデバイス、再生可能エネルギーなど
⇒ 技術理解に必要な専門性が、電気電子・通信・力学系なので、まずざっと基礎をおさらいする必要あり

当然ではあるけれど、専門性を持っている分野のほうが仕事しやすいし、内容的にもより興味をもって取り組めることが多い。正直なところ、物理系は苦手意識もあるので、そっち系のプロジェクトにアサインされると、毎回冷や汗モノだ。

でも、この1年、依頼があったものはとにかくやってみる!の精神で、資料を探しまくり、専門用語を検索しまくり、試行錯誤しながら情報を読み解いてきた。そうすると、苦手(と思っている)分野でも、次第に関連技術への理解が深まり、要約を作ることができるようになる、という経験ができた。それを何回も繰り返すうちに、「どんな分野でも大丈夫!」という自信もついた。これが2020年いちばんの収穫だ。

3.担当タスクの変化で感じる成長

基本的な業務は、「担当業務まとめ」に書いた通りだけれど、今年の後半は、その中でも納品物全体のクオリティーコントロールに関わるような仕事を頼まれることが増えた。具体的には、他のリサーチャーが作成した部分のレビューや追加情報収集、修正などだ。また、クライアントへの報告や納品といったマイルストン前に突発で発生した作業を急遽頼まれることもあった。これはつまり、私の作業の質、スピード、確実さが評価された結果だと思うので、とても嬉しい。

1つのプロジェクトを、何人ものリサーチャーが同時作業しつつ、正社員の人が全体のクオリティーを管理するという体制が構築されているものの、時には手が回らないということも起こりうる。そうなった時に、質を担保するための作業を引き受ける人として、認めてもらえるのはリサーチャーとして何よりの評価だと思っている。

この仕事を始めたときは、振られた仕事を淡々と進めていくことに、ちょっとだけ味気なさを覚えたけれど、そんな単純なものではなかったようだ。前職でも、いろんな業務の狭間に落ちているボールを拾っては、組織全体を整えるという部分に自分の強みを見出していた。リサーチャーという仕事でも、そんな強みを活かせる可能性に気づけたことも、今年の良かったことのひとつ。

4.求人への協力(人生初インタビュー)

これは番外編だけど、私のような働き方をするリサーチャーをもっと採用したい!という、お仕事先企業での採用プロジェクトにも微力ながら協力してきた2020年。仕事探しで使うルートの意見を出したり、興味の有りそうな知人に紹介をしたり。その中でも一番大きかったのが、仕事を知ってもらうために作成した現役リサーチャー紹介記事への協力。人生初めてインタビューを受け、大学卒業からリサーチャーになるまでの経緯、仕事で心がけていること、リサーチャーとして働く上での強みなどをお話させていただいた。「私でよいのか?」という不安はありつつも、なかなかない経験でもあり、実はとても嬉しかったお仕事。

その後、別の求人媒体にも事例として掲載するため、再度インタビューあり。いずれの記事も、実名顔出しのため、ここにリンクを乗せるか迷いつつ… まだちょっと悩んでいるので保留に。SNS上も自分の名前で活動するかは、ずっと考え中。2021年に持ち越し課題のひとつ。

■ ライター業務

医療系メディアを運営する企業からの業務委託で行った業務で、具体的には以下のような種類の記事を作成した。(いずれも署名記事ではない。)

1〜4月:契約企業のメディアに掲載する記事の執筆
・医師、看護師、薬剤師へのインタビューの文字起こしと記事化(3000文字程度の原稿を計10本作成)

11月:クリニックHPに掲載する記事の執筆
・治療に関する解説記事(2000文字程度の原稿を計7本作成)

4月は在宅勤務でリサーチャー仕事をしながらの執筆だったので、相当キツかった。5月以降も、学校や保育園の状況を見通すのが難しかったので、お仕事を受けるのを一旦ストップ。秋にはある程度余裕ができたため、11月に再開し、12月以降も継続の打診をうけていたが、結果としてお断りをした。以前より稼働時間を減らさざるを得ない中での複業体制はやはり厳しいという現実が理由だ。「稼ぐ」という点ではリサーチの仕事にフォーカスしたほうが効率がよいということがひとつ。加えて、自分の得意なこと、好きなこと、需要があることという3点から考えると、医療系ライターとしてやっていくのはなかなか難しいという感触も、正直あったからだ。

すべての人にわかりやすく正しい医療情報を届けるお手伝いがしたいとずっと思っていたので、ライターの仕事をはじめたものの、やればやるほど、「この仕事は誰がやるべきか」という思いがぐるぐる巡る。今年気づいたこの思いは、きちんと整理して、自分の仕事とキャリアに反映させていきたい。

「何があっても仕事を続ける」こと

複業フリーランスとして本格始動した2020年。始まって数ヶ月で、想像もしなかった世界の変化があったけれど、自宅保育でも、小学生の勉強をみつつでも、働き続けることを達成できた時点で花マルだ。その結果、専門から離れた領域にもチャレンジして成長できたし、結果として評価も得られた。

「何があっても仕事を続けなさい。どんな形でもいいから。」

これは、大学3年の学生実験でお世話になった技官のKさん(当時、母より年上だろうな、くらいの女性)に言われた言葉だ。まだ今のように妊娠や出産に伴う変化に対応してくれるような制度も環境もなかった時代に働き続けた彼女の言葉は、社会にでる前に大人たちからかけられたどんな言葉よりも心に残っている。そして、働き続けることの難しさに直面するたびに、前を向く力をくれる。2020年も、この言葉に救われた。そして、そのおかげで見えた世界があり、成長できたと思う。Kさん、ありがとう。




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