いくつものピースを拾うように観た「YOASOBIのパズル」
2021年2月14日、YOASOBI初の配信ライブ『KEEP OUT THEATER』が行われた。
まったく関係のないところで、私は自分の執筆への失望が止まらず、1日ずっと落ち込んでいた。
自己肯定感はだだ下がり、記事も小説も書けず、作りかけのパズルをぶわぁーっとぐちゃぐちゃにした瞬間のように心が砕けていた。
このnoteも書くつもりはなかったのだが、今日YOASOBIに教えられたことがあったので筆を執ることにした。
※今回はスクショOKのライブでした(素晴らしい!)。
ちなみに記事を書き終えてから、noteのライブレポート企画を知り(遅)、画像も貼付OKだそうなので使用させていただきます。
建設現場が芸術になる
新宿、ミラノ座跡地の建設現場をステージにしちゃうという斬新なアイデア。再開発が進み、約1年半後にはエンタメ施設やホテルなどが入る商業ビルになるらしい。
ライブを観た人はきっと、このビルがオープンしたら今日のことを思い出すだろう。
建設中の建物やそこに携わる職人さんは、いつもスポットを浴びることがない。完成した途端に建物には人々が集まり始め、職人さんは次の現場へと去っていく。
そんなことを子どもの頃からよく考えるので、そういう場所が芸術的に彩られることはとてもワクワクする。
バンドメンバーを含む6人体制でのステージ。”ほぼ外”からの配信だったそうで、この寒い中でikuraちゃん声出るのかな?がんばれーと見守った。
前日にカラースプレーで模様をつけたという衣装のMA-1は、Ayaseさんがあざやかな濃いめ、ikuraさんは薄めのパステル調であしらわれており、この時点ですでに尊い。
ここで訂正があります。
↓↓
お詫びして訂正いたします。
ドラムの前に置かれたアクリルのパーテーションが目に入ると、ウィズコロナでの配信ライブであることを実感するけれど、皮肉にもそこに映り込むネオンが煌びやかに光って、それがまた切なさを増幅させた。
あと、最後の「群青」でikuraさんがそこにそっと手を置いた時も胸が締めつけられた。コロナよ去れー!
YOASOBIのパズル
曲単位で振り返ると、全曲よかったのだが「たぶん」のシンセベースが際立ってとても好きだった。
心を掴まれたのはイントロ部分。ikuraさんの生ヴォーカルで聴けた時に「うわー生ライブだ」と嬉しくなった。音源ではヴォーカルエフェクトがかかっている部分である。
音源で聴くYOASOBIは、精巧につくられた芸術品のような美しさがあるので、生音が聴けることは貴重であり、彼らのステージの醍醐味と言えよう。
ikuraさんのブレスまでも、音源と違うところでハッとする。
彼女の声が、YOASOBIを構成するパズルのうち、一体どれほどのピースを担っていることだろう。
ikuraさんのヴォーカルがファルセットに到達すると、感情のヴォルテージがぎゅーーんと上がる。
人の気持ちを引き込むことのできるヴォーカル。聴き手の感情がどんな状態であっても、そっと寄り添ってくれる。
元気な時に聴けば弾むような活力があるし、今日の自信を喪失していた自分には、切なくて少し苦しくて、でもどこか希望を振り撒いてくれる声だった。
堪えてた気持ちが満潮を迎える
最後に披露された「群青」で、自分が抱えていた今日1日の絶望や喪失と、これまで堪えていた気持ちが(どうした?)満潮を迎えてしまったようだ。
隣近所にも聴こえていたかもしれない。だとしても止まらないのだからしょうがない。自分でも慄くくらい声を上げて泣いた。今思い出して書いていても涙が溢れてくる。
Ayaseさんの言葉を借りれば、「こたつでPC」が原点だった曲作りから、ここまで芸術を築き、磨き上げてきた彼ら。
そんなことを思いながら聴くラストの「群青」は、より深みを増して胸に響いた。
まだ自信は取り戻せてないけれど、それでも見えてきたこと。
結局、私には書くことしかない。
もうこんなに素晴らしい作品を創るYOASOBIさんがいるから音楽は無理だし(やろうとしてた)……
今日あんなに泣いたのは、まだ諦めたくないからだ。諦めなかった感情が重なって、クリエイティブはできている。
建設中の建物も、そうやって完成に向かっていくパズルのような芸術だ。そこにはいつだって、スポットを浴びない人や物が存在する。
砕け散った心のピースを拾うように観ていたら、自然と答えが導き出されていった。
明日から、またがんばろう。今日は執筆できないと思っていたので、このnoteは私にとってたった一つの希望となってくれた。
ikuraさんのMCをフォローしながら受け止めるAyaseさん、すごく優しかった。YOASOBIの優しい雰囲気が伝わってきて、自然と笑顔にさせてくれるクリエイティブチームだ。
「YOASOBIのパズルができるまで」を、今日は見させていただいたような気がした。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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