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[Cultivate the future maniwa 2023]真庭市内のワークショップを経て各チームがピッチイベントに向けアイデアを検証!

10月のキックオフ・アイディエーションワークショップ、11月のビジネスモデル構築&ロードマップ作成ワークショップ。真庭市内で実施された2つのワークショップを経て、各チームが2月のピッチイベントに向けて、準備を進めていきました。
毎月、進捗確認のオンラインミーティングを参加者全員で実施。参加チームのそれぞれが仮説を検証するため「現場」に赴いていたのも印象的でした。真庭に限らず、東京、京都、岐阜と足を運び、各々のチームが進んでいきたい道を模索しました。
いよいよ迫ったピッチイベントを前に、各チームが昨年11月のワークショップからまずは今年の1月までどのような足跡を辿ってきたのかをレポートします。

<全体ミーティング>

前回のワークショップから1ヶ月後の12月7日に各チームの進捗共有も兼ねて全体ミーティングを実施。それぞれのチームの抱えている課題などを確認した上で、2月のピッチイベントに向けての今後の動きについて話し合いました。

もものたね × ヒダクマチーム及び樋口木材の池田さんは、視察先のヒダクマオフィスから仲良く参加。

【有限会社金田商店 × サーモメーター株式会社】

地域に根付くスーパーを営む金田商店と、デザイン・ブランディングの知見を活かした自社事業や事業開発に取り組むサーモメーターが、デザイン経営の考え方をもとにアイデア企画をしています。
ハンズオン期間には、新商品(ブランド)の開発のため、試作のブラッシュアップやテスト販売などを行いました。金田商店が運営する「三金や」の新たな目玉商品を開発すべく、食農生産科に通う高校生ふたりがレシピを考案。それをもとに三金やの惣菜チームにてブラッシュアップを重ね、1月28日に店頭でテスト販売を実施しました。
テスト販売の結果も踏まえ、どのようなアイデアになっていくのかが楽しみです。

オンラインで議論を重ねるチームメンバー
真庭高校食農生産科のふたりがレシピを考案
甘い系のおやきの試作「カボチャとさつまいも」
おかず系のおやきの試作「バジルチーズ」


【木工房もものたね × 株式会社飛騨の森でクマは踊る】

真庭で木工房を営みながら未来の真庭の森を考えているもものたねと、岐阜県飛騨市で人と自然が交わりながら森の価値を捉え直す活動をしているヒダクマ(株式会社飛騨の森でクマは踊るの通称)。そして、誰よりも真庭のことを考えている真庭市役所の平澤さん(プログラムの運営者のはずだった)がこのチームの考えに共鳴し、共にアイデアを深めています。

12月にはチームメンバーで飛騨ツアーを実施し、飛騨市にあるヒダクマのパートナー企業である製材所を訪問したり、各務原市にある広葉樹の市場を視察を実施。またオンラインでも何度も議論を重ね、なぜこのチームでやるのか、そして何をやるのかのディスカッションをし、より考えを深めています。

広葉樹の価値・森づくりまで視野に入れた取り組みにするため、それぞれの思いをぶつけてブラッシュアップし発表する予定となっています。

ヒダクマのパートナーである広葉樹専門の西野製材所さんで広葉樹の製材のポイントを学ぶ
岐阜県各務原市で広葉樹の市場の見学
岐阜県各務原市で広葉樹の市場の見学
ヒダクマが普段森のツアーでお客さんを招き入れている森で。松本さん(右)からホオノキのことやそれに紐づいた地域の食文化の紹介をしてもらっている様子
岐阜県各務原市で広葉樹の市場の見学
ヒダクマが普段森のツアーでお客さんを招き入れている森で。松本さん(左)から広葉樹の森の手入れの仕方について説明してもらっている様子
木工房もものたね・元井さんの構想をまとめたメモ


【樋口木材 × FROM NIPPON】

真庭の美しいヒノキの価値をより伝えていくことで、節のないヒノキを育てる技術や人材を継承していきたいと考えている樋口木材と、日本がもつ伝統・技術・文化・生活を活かしたプロダクトデザインを行うFROM NIPPONのチーム。前回のワークショップでカタチになっていたプロトタイプのコンセプトづくり、プロダクトの使われ方の検討を行い、テストマーケティングの準備を行いました。

「100年先にありたい未来を構想し、それを実現するための木製プロダクトを開発する」という思想をもとに、真庭の100年物のヒノキ材を活用したオリジナルプロダクトブランド「百年木器」を企画。1月24日〜27日の4日間、京都にあるFabCafe Kyotoでポップアップイベントを行い、製品に込めた思いを知ってもらう機会を設けました。

ポップアップイベントでの反応を踏まえ、プロダクトの方向性や売り方のアイデアをより固めていきました。

「100年先へつなぐ民芸品」の第1弾として「百年木器」を知ってもらうイベントを実施
製品の世界観をより知ってもらうべくブランドイメージ動画や紹介カードを制作
チームメンバーによるミーティングも活発に行われていました
記念にFabCafe Kyotoにてチームメンバーのロゴをレーザー加工してもらいました。


【株式会社今本屋 × 株式会社ミーティング】

真庭で就労支援A型事業所を運営する今本屋と、「物事に物語を」をテーマに本質的な価値と向き合って戦略立案からサービス開発までをプロデュースするミーティングが、長期的に「障がい者と健常者の境界をなくす」ことを目指します。
障がいのある方が多様な働き方を選択できる・稼ぐことができるアイデアとして、メンタルヘルスに良いPB(プライベートブランド)商品の開発に突破口を見出しました。真庭市内の栄養士が賛同してくれたこともあり、商品(レシピ)開発を進め、試作にとりかかりました。

試行錯誤する中で方向性をシフトしてメンタルヘルス向け商品開発へ


【まにわ日本蜜蜂企業組合 × 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科】

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)とまにわ日本蜜蜂企業組合が運営する「下湯原温泉ひまわり館」で、「ジビエの価値伝播」をテーマにアイデアを深めているこのチーム。
下湯原温泉ひまわり館(まにわ日本蜜蜂企業組合)がメニューとして提供している「GBAバーガー」に関わる人たちや開発秘話をまとめたハンドブックを作成し、ジビエの魅力を伝える手段を模索しました。また、1月26日には東京都内でポップアップを展開し、商品を幅広く知ってもらうための販売も実施しました。

ジビエに関するストーリーをハンドブックにまとめました
ジビエに関わる人にフォーカスし真庭の魅力に知ってもらうためのハンドブック


<ピッチイベントを前に>

11月のワークショップを終えてから、2月のピッチイベントまでの約3ヶ月。

この期間、各チームは自分たちの課題に真摯に向き合っていたと思います。昨年度よりもコミュニケーションが密な印象があり、具体的な施策の方向性やテストマーケティングなど、トライアンドエラーの様子が、Slackを通してでも感じられ、その熱量に驚かされました。

また、高校生インターンのみなさんもそれぞれのチームで役割を担い、初めてのプログラムの中で関わり方を模索しながらも、12月に岡山市内で行われた高校生向けの中間報告会など、自分たちの将来につながる様々な経験を積めたのではないでしょうか。

そして、舞台は東京・渋谷に移ります。渋谷キューズのホームページには以下のような説明があります。

“ SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)という名称は「Question with sensibility(問いの感性)」の頭文字。物事の本質を探究し、常に問い続けることが、新しい価値につながる原点になるとわたしたちは考えています。自らの問いに出会い、磨き、放つことで社会を変えていく力を創造したい。そんな人たちを待っています。”

いくつもの「問い」があったからこそ、たどり着いた答え。その答えはあくまで通過点であり、未完成なものかもしれません。ですが、2023年夏にこのプログラムが立ち上がってからこれまで歩んできた道程を示していることは確かです。

舞台は整いました。各チームの「問い」から生まれた” NEXT サステイナブル ”を思う存分語っていただきたいです。


「Cultivate the future maniwa 2023」

「GREENableな真庭の未来を創り出す。共創の土壌を耕す。」をコンセプトに、真庭市内の事業者と都心部の企業が共に、SDGsの視点から真庭の未来に繋がるイノベーション創出を目指すプログラム。

▼プログラム WEBページ
https://lab.org/consortium/cultivate-the-future-maniwa
主催:岡山県真庭市
運営:株式会社ロフトワーク

▼原稿執筆
真庭市地域おこし協力隊/ライター 酒井悠

岡山県真庭市在住のライター。東京生まれ東京育ち。プロモーションと地方創生の仕事をする中で、縁あって2022年5月より岡山県真庭市の地域おこし協力隊として働く。

前職で、地域の観光分野の課題解決となるサービスを提供しており、全国の様々な自治体の実態を知り、企画やライティングといった分野で案件に参加。

その中で、そこに住んでいる「人」や関係する「人」が大事であると気付かされ、真庭市では、外から来た人間だからこその視点を活かし、ライターとして真庭の人の個性を理解しマッチングさせていければと考えている。


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