「前の思い」と「今の思い」は「同じ思い」かについての考察②
動いているモノを見ているとき、見ている私は止まっている。
モノと同じ速さで動くとき、見ているモノは動いていない(と感じる)。
思いが続いていると感じるとき、絶えず思いは動いて(変化して)いる。
思いが変化しているとき、思っている私は動いて(変化して)いない。
私が変化していないとはどういうことか。
さっき思っていた私と、いま思っている私を、おなじ私だといま思っている(そうみなしている)。
変化する思いにあわせ、私も変化するとしたら、おなじ私はいない。
眠る前と起きたときの私が変化して(異なって)いたら、さっきの私といまの私が、同じ私か分からないだろう。
さっきの私と、いまの私が異なるならば、前の思いと今の思いは継続していない。
いま思っているだけ。
おなじ私が存在するとみなすとき、自我や、持続といった抽象的な観念が生じる。
抽象的な観念は精神(意識)の産物であって、事実ではないし、実在するものではない。
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