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父の日によせて

「Don't Stop Believin'」ジャーニー "Journey"(1981年)

「Don't Stop Believin'」は、ジャーニーのキーボード・プレイヤー、ジョナサン・ケインがまだ売れないミュージシャンだった頃、父親に言われた言葉。夢を追いつづける息子へ贈った応援のメッセージだ。

「どんな若者にも夢があり、育った場所が運命の場所でないかもしれない」
それをモチーフにスティーヴ・ペリーとニール・ショーンと三人で仕上げた。スティーヴの私生活での経験とつながっている歌詞もあると言われている。

ジョナサンによると、歌詞に出て来る"South Detroit"(南デトロイト)と呼ばれる場所は実在しないそうで、神秘的な場所、人それぞれの心の中にある“可能性の街”だということ。この歌詞は、スティーヴがツアーで行ったデトロイトの光景を思い浮かべたインスピレーションだという。

ジョナサンが弾くピアノのイントロから始まり、じわじわと盛り上がるドラマティックな曲調で、最後の最後にキメのコーラスへと展開する感動的でもあるナンバー。
アルバム「エスケイプ」の一曲目に収録され、シングルはビルボード9位を記録、ジャーニーの成功を表すアンセム、代表曲になっている。


「The Living Years」マイク・アンド・ザ・メカニックス "Mike + The Mechanics"(1989年)

マイク・アンド・ザ・メカニックスは、ジェネシスのマイク・ラザフォードによるパワー・ポップ・ユニットである。この曲は、親子の断絶と大人と子供の世代間ギャップがテーマの壮大なナンバーで、元スクイーズのポール・キャラックがリードボーカルを担当している。

亡き父親との対立を、生前に解決できなかったことに対しての息子の後悔が歌われている。最初は、マイクと既に死去していた彼の父親との間の意見の相違を題材にしたものであるとされていたが、後にマイクはこう言っている。

「歌詞はB.A. ロバートソンによるもので、彼が経験したことについてのものなんだ。彼は父親を失い、歌詞は父親が死ぬ前、彼との間のコミュニケーションが足りなかったということを歌っている。そして、彼が父親を失った直後に子供を授かったという皮肉もある。」

マイク・ラザフォード談

後にあのバート・バカラックが、「"The Living Years"は、ここ10年で最も素晴らしい歌詞の1つだ」と評していて、バンドの評価をさらに高めている。
アルバム「Living Years」収録。シングルはビルボード1位、UKチャート2位を記録、グラミー賞の最優秀楽曲賞にもノミネートされている。

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