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別冊 MUSIC LIFE 80's

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about 80's Music... ファントマ、ミュートマ、SONY MUSIC TV、ベストヒットUSAで形成された“昭和40年男”のお気に入りから厳選した記事などをひとま…
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#洋楽

7インチ盤専門店雑記558「フツーのロック」

毎度書いておりますが、アナログ盤、それも7インチ・シングルは88年頃にもうほぼ終わっております。88年89年はほぼ見本盤しか見かけません。それでもこの時期のアナログ盤はもう技術的な頂点にありますから、本当にいい音で鳴ります。一方でLPはペラッペラに薄い軽量盤が多く、しかもCD的な収録時間になっているのに無理やりLPに突っ込むので溝が細いことが多く、残念な盤もあります。好きなアーティストの盤や好きな曲があれば、88年89年の7インチは探す価値がありますが、LPはこだわらない方が

7インチ盤専門店雑記551「チャカ・カーンのジャズ」

自分にとってチャカ・カーンはルーファスのヴォーカルです。R&Bの、それもかなりファンキーな方の人です。でもいろいろなところで、「R&Bシンガーでもジャズ寄り」と書かれております。確かにアレサ・フランクリンなどと比べればルーツが違うという気もしますが、決してジャズ・ヴォーカルの人ではありません。でもジャズ寄りと言われています。1980年代後半はマイルス・デイヴィスにフィーチャーされたりしましたしね。フォープレイのヴォーカルとしても、めちゃくちゃ印象的で素晴らしい声を披露していま

I've Been in Love Before/CUTTING CREW

「恋におちていたことが、あるんだ。」 1986年と言えばわたしが洋楽を本格的に聴き始めた頃だ。その前から父からR&Bのアルバムを聴かされていたが、そちらの方面にはその頃はさほど興味はなかった。 学校で洋楽を一緒に聴く友達もいなかったので図書館で洋楽雑誌を読んだりして情報を集めていた。 クラスで目立つ存在だった男子がある日、教室の後ろの黒板に何やら書き始めた。よく見るとそこには「I've been in love before」と書かれていた。 「あー、カッティングクル

Average White Band「Shine」(1980)

今回は、往年のファンからは邪道な作品と云われている名盤をご紹介します。 アヴェレイジ・ホワイト・バンド…、白人の本格的なファンクバンドとして有名ですね。「AWB」とか「Cut The Cake」とか、ソウルファンクの名盤の多いバンドです。そして今回ご紹介するアルバムは、AORの名盤としても紹介されることの多いアルバムです。ただし、プロデューサーにデヴィッド・フォスターを迎えたAOR色の濃いアルバムなんです。 デヴィッド・フォスターといえば、この当時、飛ぶ鳥を落とす勢いの名

【Emotional Rescue】(1980) The Rolling Stones 絶好調ストーンズ、世紀の凡作??

ローリング・ストーンズの本作【エモーショナル・レスキュー】はかなり売れたことを御存知でしょうか? 昔、私はチャートが大好きでよく調べましたが、我が家にある全米ビルボード本に拠れば【ブラック・アンド・ブルー】(76年)は4週、【女たち】(78年)は2週、本作は何と7週!【刺青の男】(81年)に至っては9週!!、それぞれ1位を獲っているのです。パンク・ニューウェイヴの時代にもストーンズは絶好調。中でも本作はビッグヒットだったのです。 なのに、この存在感の薄さ…。思えば本作を高評

Steely Dan「Gaucho」(1980)

大好きなスティーリー・ダンですが、なぜかこの「Gaucho」はあまりにも堅苦しい感じから、どうも馴染めないというのが率直な感想です。 その思いは今も同じで、「Aja」と同じ空気感なのに「Gaucho」の方が聴く回数は少ないですね…。 スティーリー・ダン、7枚目のアルバム。相変わらずレコ―ディングには多大なお金と時間が注ぎ込まれ、多くのミュージシャンが参加しております。 ギタリストだけでもスティーヴ・カーン、ヒュー・マクラッケン、マーク・ノップラー、ハイラム・ブロック、リック

All I Need Is You/DAVID SANBORN

デヴィッド・サンボーンが先日亡くなった。 ここは一番好きな曲を書くべきか?とも思ったのだが、一番好きな曲は以前書いてしまった。こんな日のためにとっとくべきだったなあと思うが、彼が亡くなるなんて予想もしていなかったのだから仕方ない。 二番目に好きな曲はタイトルがわからない。ジャズ好きの彼氏と一緒に常に聴いていたのでタイトルを知らないのだ。今電話で聴けば教えてくれるかもしれないが、彼にそんなことで電話したと知られたらあきられるだろう。 三番目に好きな曲を書こうと思ったが、こ

In Your Eyes/PETER GABRIEL

「愛しい人よ、ぼくは道に迷ってしまうことがある。日々は過ぎ、虚しさだけが僕の胸を埋め尽くす。逃げたくなった時に車を走らせるけど、結局きみのもとへ戻ってきてしまう。」 「きみの瞳に、光とぬくもりがある。きみの瞳の中で、僕は完璧だ。きみの瞳に、千の教会への道が見える。きみの瞳の中に、実りのない探索への解答が見える。光とぬくもりが見える。ああ、僕は完璧になりたい。きみの瞳にある光とぬくもりに触れたい。」 すみません、昨日更新するのを忘れてました(・_・;) なんかまだ本調子じゃな

【UKポップス】1980年代に突如あらわれたイギリスのサザエさん、「トレイシー・ウルマン」のポップチューンを聴こう!(おニャン子の「セーラー服〜」はこの人の曲のパクリ)

トレイシー・ウルマン(Tracey Ullman, 1959年12月30日 - )は、イギリス出身の女優、コメディエンヌ、歌手。2003年12月にアメリカ合衆国の市民権を取得した。 12歳で奨学金を得てダンスの学校に通い始め、16歳の時にベルリンでミュージカル『ジジ』の舞台でデビューした。その後ロンドンで様々なミュージカルに出演し、またBBCのテレビシリーズに出演。舞台・テレビで数々の賞を受賞している。 1980年代には歌手としても活動し、シングル「夢見るトレイシー」(カ

推し曲編 【知らない洋楽アルバムを手に入れるまで&正直に告白します2】Quarterflash/Harden My Heart

LPレコード 1981年リリース 『Quarterflash』より 知らない洋楽 アルバムを手に入れるまで & 正直告白2『Harden My Heart』 発売当時 哀愁ただようボーカルとサックスに惹きつけられ ずっと聴いていたい衝動に駆られました アルバムを手に入れなければ‥‥ ♫ けれども20歳そこそこの 地方暮しの私にとっては 知らない洋楽版のアルバムを手にするまでには ある程度の時間が必要でした あれから約40年が経過しましたが このアルバムは今も確実に私の手元に

【名盤伝説】“Patti Austin / Every Home Should Have One” ジャズ・ボーカルに隠れたソウルフルな気質を見抜いた巨匠の慧眼に拍手。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。R&B界の巨匠クィンシー・ジョーンズがその才能を見抜いた、稀有のパワフル・シンガーパティー・オースティンのQwestレーベル移籍第一弾『Every Home Should Have One (邦題: デイライトの香り)』(1981)です。 パティは1949年US出身の女性シンガーで、幼い頃からテレビやラジオ番組で歌うなど活動していたそうです。名匠クィンシーとの出会いは、まだ彼女が10歳の時。以降クィンシーの秘蔵っ子として

【名盤伝説】“George Benson” 元祖メロウ・ヴォイスの歌声に酔う。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。ジャズ・ギタリストとしてデビューするも、その歌声がAOR・R&Bファンを魅了したジョージ・ベンソンです。 1943年US生まれ、ジャズ・ギタリストの巨匠ウェス・モンゴメリーやチャーリー・クリスチャンに憧れてジャズギタリストを目指します。地元のジャズ・クラブに出演しながらチャンスを待ちますが、実は幼少の頃からシンガーとしても出演していたそうです。ただ歌えるというよりも歌もプロだったのですね。 1964年にレコードデビュー

Second Chance/38 SPECIAL

「きみがいなくなってから、ぼくの人生がすり抜けてくのを感じるよ。空を見上げるけど、すべてが灰色に見えるんだ。」 「ぼくがした誤ちは一度だけ。でもその何倍も支払わないといけないんだね。」 「ひとつのハートが、ふたつめのチャンスを欲しがってるんだ。」 38スペシャルを初めて聴いたのがこの曲でした。本当は骨太サザンロックの曲をメインとする方たちらしいんですが、たまたまうぐの聴いたこの曲は浮気した男性が「なんで二度目のチャンスくれねーんだよう」って泣き言を言ってる歌でした(笑)

Carole King「City Streets」(1989)

キャロル・キングやジェームス・テイラー・・・。彼等の音楽には「音楽の魔法」が感じられ、彼等なりの指針、ポリシーが感じられます。 キャロルとジェームスのセッション、実に楽しそうですよね。未だに現役の彼等、きっと生涯現役なんでしょうね。 キャロル・キングというと70年代に活躍したアーチストであって、以降の作品って???、という方が多いと思います。実際キャロルの最新のスタジオ録音アルバムというと、2001年発表の「Love Makes the World」ですから、もう20年以上