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冬が到来する前に管理会社がすること

こんにちは。(株)キュービック不動産広報です。
毎年この時期、キュービック不動産ではスタッフが建物の屋根に上る回数が増えます。賃貸物件での事故を防ぎ、収益を維持するのが目的です。今回は冬が到来する前の一連の準備作業について社長に聞いてみました。
(北海道経済2023.12月号掲載)

 

 毎年、冬が近づくこの時期、忙しくなるのが当社の管理部門のスタッフです。雪が積もる前にいくつか作業を済ませておかなければなりません。

 中でも忙しいのが屋根の上に設けられた排水管、排水口の点検です。無落雪建築は建物の周囲に雪が落ちてきませんが、雪が消えてなくなるわけではなく、屋内から少しずつ屋根の上に伝わる熱で雪が溶けて、屋根中央の溝、排水口、屋内の排水管を伝って水が建物の外に排出されます。

ところが、この排水口が一部詰まって流れが悪くなったり、完全に詰まって水がせき止められるがあります。春の雪解け時に屋上に水たまりができ、深刻な雨漏りが発生する恐れがあるため、管理部門のスタッフが物件1棟ごとに、はしごを伝って屋根に上り、問題がないか確認します。

 多少の問題がある物件は数十件に1棟、完全に詰まって水がたまっている建物は数百棟に1棟といったところです。水の流れを阻害しているのは、周辺にある木から落ちてくる枯れ葉、蓄積した土ぼこりなどですが、排水口にボールが詰まっていたこともあります。周辺で子どもたちが遊んでいたボールが屋根に上がってしまったのでしょう。

 また、雪が降る前に、床下換気口のある建物では、すべて閉じておきます。床下換気口は夏の間、床下に湿気がこもり、木が腐ったりシロアリが湧いたりするのを防ぐため開けておかなければなりませんが、冬には外から寒気が入るのを防ぐために閉じる必要があります。

また、凍結防止のため、空室については管理部門のスタッフが自ら、必要な場合には業者に委託して、水道管や湯沸かし器内部の水を排出しておきます。

 以上はスタッフが体を動かして行う冬に向けた準備作業ですが、デスクワークもあります。弊社では大量の賃貸物件を管理しており、付設の駐車場もかなりの数です。冬季の除雪作業は複数の業者に委託しています。

ただ、業者によっては「今シーズンは人手が足りないので請け負えない」「燃料費高騰のため値上げしたい」などと通知してくることがあります。このため一つひとつの物件について、業者と連絡を取り合い、冬期間滞りなく除雪作業が行われるよう確認しておきます。

新しい業者を探さなければならない物件もあります。値上げを通知された場合には、オーナーさまとも相談しながら価格交渉します。

 北海道は夏と冬の温度差が大きく、雪の量も多いことから、冬の準備が不十分だと建物の劣化が急速に進み、修理コストが発生することもあります。

賃貸物件の収益を末永く維持するためにも、注意深く準備を整えています。