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好きから始めて成果を得る

一人で何でもこなし成果を得るマネージャーになろうと以前は頑張っていた、みきてぃこと佐藤美樹さん。なかなか思うような成果が出ないタイミングでコーチングを受けて本当にやりたいことを見つけ、それを大事にしたら仕事も成果が出るようになり、さらにやりたいことも増えていったそうです。好きを生かして仕事とプライベートにシナジーが起きていくストーリーです。

Co-Active Story Vol.21 佐藤美樹(みきてぃ)さん

Profile:大学卒業後、旅行関係の仕事に携わり羽田空港国際線ターミナルに勤務。 2013年結婚と同時に人生の転機が訪れ、国内生命保険会社へ転職。約400世帯のお客様を担当。入社3年後にマネージャーになり、採用育成も兼務。メンバーとのコミュニケーションの壁にぶつかり、コーチングと出会う。2021年プロコーチとして活動するため退社。保険代理店に移籍し、ファイナンシャルプランナー(FP)として活動しながら、プロコーチの資格を取得。大学生〜50代までの社会人、保険募集人に向けたコーチングを提供。 コーチングは先入観や思い込みに気づいたり、相手の心からの願い、価値観に触れるところが仲間やお客様とのコミュニケーションに変化が生まれると確信。自分らしくいるだけで周りも自ずと変わって来るという体験を信じ、人生かけて実験中。


―まずは、コーチングに出会ったきっかけから教えてください。

前職の保険会社で採用や育成をするマネジメント業務をしていた頃、コーチングを受けていた先輩から「みきちゃんも受けてみたら?」と言われたのが知るきっかけでした。その時の印象は「何それ…怪しい!」みたいに思っていて、目に見えない自己投資に抵抗がありました。

―怪しいなと感じていたんですね笑。その頃は部下を持つようになって何年目ぐらいですか?

1年目ぐらいですね。これからもっと成果を出したいと思っていた頃です。仕事のやり方や働き方などをメンバーに押し付けてしまっていました。営業のチームですから当然数字も求められるし、採用や育成も兼務するのでとても気が張っていた頃で「ピリピリしていたよ」と当時を知るメンバーには言われます。見かねた先輩が、勧めてくれたんだと思います。

―「マネージャーとして頑張らねば」みたいな意気込みがあったのですね。

そうですね。もっと成果を出さねばならないとか、会社や周りからの評価や期待に応えたいと強く思っていました。「お給料=自分の価値」だと思っていて、収入を周りと比較して落ち込んだり、無理をして働いていましたが、別の視点から見ると働く原動力にもなっていました。

―何とか結果を出さなきゃというエネルギーで頑張っちゃう感じ。

そうですね 。絶対に結果を出したいので、朝から晩までアポイントを取り、休みはほとんど取らないような日々でした。

―それが空回りしていった感じ。

はい。子育てしているメンバーも多かったので「全部私がやらなくちゃ!」という思い込みを手放せず。だけど、結果はなかなか出なくて。それで周りに配慮しつつも、だんだんとストレスを抱えていって、余計に自分のやり方やこうあるべきを相手に求めるようになっていきましたね。

空回りが続いて、もうこのままじゃまずいと思った時にコーチングを思い出して、受けてみようと思ったんです。それがきっかけですね。まずは自分が受ける体験からでした。


メンバーとの1 on 1もコーアクティブなエッセンスやあり方を取り入れて関わるようになりました


―コーチングセッションで、最初はどんなテーマを話をしたのですか。

最初は「年収を上げたい!」っていうテーマだったんですよ。 そのために一生懸命仕事して、メンバーの分の仕事もやって忙しくしていましたから。でも、コーチから聞かれたことは「今一番やりたいことって何ですか?」「年収を上げてやりたいことは何ですか?」でした。

それを聞かれた時「旦那さんと旅行がしたいです」「 週末ゆっくり休みたいです」「早く帰りたい」って言葉が出てきたんです。私、仕事がしたいわけじゃなかったんだってそこで気づきました。そしたらコーチに「まず先にそれを叶えましょう」「早く帰りましょう」って言われたんです。

当時の私は、早く帰るのが本当に怖くて。「仕事が回らなくなるのでは?」という恐怖に襲われたり「成果が出てないのに帰るんだと思われるんじゃないか」と思い込んでいました。でも、まずは21時に帰るところを20時に帰るようにして、土日もどちらかは必ず休むと決めて休んでみたんです。

1ヶ月目は大変だったけど、それにチャレンジしていくようになったら3か月後には18時、半年後には定時の16時半にはみんなと一緒に帰れるようになっていました。

― すごい!

土日は家族と出かけたりすることで、お客様との話題も「土日はどこへ行ってきたんですか?」とか相手に好奇心を向けたコミュニケーションが取れるようになっていきました。メンバーに対しても「土日はご家族と何をしてるのかな」とか好奇心が湧くようになって。

今まで信頼してもらえてなかったメンバーとも関係ができていきました。それまで自分ひとりでやろうとしていた採用活動も、メンバーが紹介してくれるようになって。私は採用面談するだけで採用が決まっていくっていうシステムができあがったんです。

4人だったメンバーも、コーチングを受け始めてから半年後には8人になりました。結果的に、その年は年収もきちんと上がっていました。それで「コーチングすごいな」って。

―休むって結構抵抗があったと思うんですけど、それができたのはどうしてですか。

そう、休むのってすごく抵抗がありました。ベテランの人から「1日休むと3日間分の遅れになる」とか言われてたんです。だから、休むことはいけないこと、評価を下げることだと思っていて、最初は本当に難しかったです。

でも「自分が本当に実現したいことって何だっけ」と立ち戻ると、やっぱり夫とゆっくり過ごす時間が欲しいし、好きなことに時間を使いたい。また「誰のために仕事してるのかな」って思ったら、やっぱり自分のためだなと。だから、ちゃんと休もうと決心しました。


(夫)今では夫と定期的に旅行に行くようになりました


あと、コーチがいてくれるのは心強くて。例えば、早く帰れたらLINEでスタンプを送るとか、コーチの存在が行動を後押ししてくれました。早く帰った後の楽しみも見つけられるようになって、仕事以外に自分が好きなことも思い出してやるようになりました。

―人生全体を見たら、仕事もプライベートもうまくいったように聞こえました。

そうそう。以前は、周りからの評価や自分の価値を認めてもらうことを糧に働いていたんですが、それは欠乏感があったから。結果を出して、評価を得ないと価値がないと思っていました。

でも、ある時「生まれたての赤ちゃんが何もできなくても価値がないわけじゃないでしょ。そもそも人間は生きてるだけでオッケー。」ってコーチに言われて。「私も生きてるだけでOKな存在と思っていいんだ」って徐々に思えるようになりました。そしたら、やりたいこともできて、仕事も人間関係もうまくいくようになったんです。結果、成果や評価も上がりました。

さらに「人それぞれの価値観があるし、いろんな価値観があっていいよね」って思えるようになり、周りにも好奇心をもって関われるようになっていきました。


―欠乏感が違うものに変わった結果、寛容になった感じなんですかね。優しくなれたり、楽しくなったり。

コーアクティブ・コーチングに触れることで、先ほどのように、人は生まれながらにして価値ある存在だということが実感として得られていきました。そうすると「 私の場合は向上心があるけど、安定感を求める人もいるよね」とか、相手を尊重できるようになるというか、周りの人を価値ある存在だと思えるようになりました。


(両親)コーチングを受けて親子関係も少しづつ変化がありました


―相手をどう見るかが変わっていったんですね。他に、ご自身が変化したことや気づいたことはありますか?

感情に気づけるようになりました。もっと言うと、ポジティブもネガティブも両方あっていいと思えるようになりました。以前は、悩みや不安があった時に、つい何でもポジティブに変換して、悩みや不安を見ないようにしていたんです。

「ネガティブはよくないからポジティブでいよう」みたいな。確かにそれも大事なんだけど、元々ある感情をなかったことにすると、結構自分の中に溜まっていくんですよね。そして、何かの時にそれがぶり返してきたり、体に影響がきたりして。

なので、自分の中にある感情に気づいて、受け止めてあげることで、ありのままでそのままでいいんだと思えるようになったんです。これは大きかったですね。今もいろいろな感情が出てくることがありますが、前ほど怖くはないですね。

― 学んだことは、マネジメントにどんな影響があったんでしょうか?

そうですね。まずは、自分のいいところを見つけられるようになりました。そして、目の前の人の魅力的なところや「ここを伸ばすとよさそうだな」っていう直感力がすごく働くようになったと思います。あとは、ひとりじゃできないことを誰かとやったらうまくいくとか、人と人とをつないで掛け合わせてお仕事するようになったりもしました。

チームは気づいたら10人ぐらいの大きなものになっていて、みんなで力を合わせてやれるようになりましたね。私「遠くへ行きたければみんなで行け」っていうアフリカに伝わる言葉が好きなんですよね。

ひとりでやっていく選択肢もあるんだけど、 私はひとりでできるマネージャーよりも、みんなに助けてもらってみんなで遠くへ行くことを選択しています。いろんな人を受け入れたり、お客様とお客様をつないだり。ひとりでやらずに誰かの力を借りることができる人になりたいと思っています。

―なんか楽そうですね。

そうかも。昔は、本当に全部自分で完璧にできる人になりたかったんですけど笑。それを全部手放して「私、何もできないんですけど、これとこれはできるんです」って言ったら、周りで「これならできるよ」って声をかけてくれる人が増えたと思います。


(妹)人は何もしなくて尊い存在であると言うことを12歳年下の妹が教えてくれました
いくつになっても可愛い存在です


―まさにみんなで行く感じになっていますね。さらに今はコーチとしても活躍されていますよね。

はい。「働き方を変えてみたい!」というのがチャレンジのきっかけでもあります。過去の自分のような思い込みに、はまり込んでしまっているクライアントさんと一緒に、自分も変化していきたいと思うようになったからです。自分がコーチングを届けたい人が明確だとそういうクライアントさんと出会えるし、確信を持って背中を押すことができます。

自分をNCRW(注:コーアクティブ・コーチングの4つの礎の一つ『人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である』)で見られると目の前の人のことも信じきれるし、本当に勝手に変わっていくので、2、3ヶ月経つと「あと何年後かにできたらいいな」と思っていたことが「もう実現しました」みたいなことが普通に起きるんです。自分を信じて、相手を信じることの大事さを本当に感じています。

―心からそう感じているということがよく伝わってきます。今日はありがとうございました。


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