アニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』10話の(本当に)小ネタ~海外ミステリパロディ

・はじめに
 先日本稿タイトルのアニメを見ていて、椎名ひよりと綾小路が図書館で出会う際、後ろの本棚の小説が実在の海外ミステリのパロディになっていることに気がつきました。
 これが8割方わかる方はかなりのミステリ好きだと思いますが、そのパロディ元の作品をあげていきたいと思います。画面のスクリーンショットを載せるのははばかられますので、作中パロディタイトルと元ネタタイトル・作者名の掲載のみとさせていただきます。
 わかりにくいかと思いますがご容赦ください。ご確認していただけると、少しのシーンに手間がかかっているなぁ、と感じられると思います。間違っていたらすみません。

・パロディと元ネタ

『坊主頭殺人事件』ジン・タロン→『僧正殺人事件』ヴァン・ダイン(創元推理文庫)(本格ミステリ)(アメリカ)

『黒い水芭蕉』ミカエル・バッシ→『黒い睡蓮』ミシェル・ビュッシ(集英社文庫)(本格ミステリ)(フランス)

『シャイニング51』ルシア・ネイサン→『シャドー81』ルシアン・ネイハム(ハヤカワNV)(ケイパーものの冒険小説・クライムノベル)(アメリカ)

『五人の探偵事件』ラオ・グリーム→『三人の名探偵のための事件』レオ・ブルース(扶桑社文庫)(本格ミステリ)(イギリス)

『希少な調味料』ドーン・ゼンディリ→『二壜の調味料』ロード・ダンセイニ(ハヤカワ・ミステリ文庫)(「奇妙な味」)(イギリス)

『ねむけ』ロゴス・ヤクダナル→『さむけ』ロス・マクドナルド(ハヤカワ・ミステリ文庫)(ハードボイルド小説)(アメリカ)

『必然の犯罪』ジュン・ペットン→『偶然の犯罪』ジョン・ハットン(ハヤカワ・ミステリ文庫)(犯罪小説)(アメリカ)

『教皇のかぎ煙草入れ』ジョシュ・ドクスティ・バー→『皇帝のかぎ煙草入れ』ジョン・ディクスン・カー(創元推理文庫)(本格ミステリ)(英米)

『冤罪法廷』ジョシュ・ドクスティ・バー→『火刑法廷』ジョン・ディクスン・カー(ハヤカワ・ミステリ文庫)(本格ミステリ)(英米)

『空の上の棺』ジョシュ・ドクスティ・バー→『三つの棺』ジョン・ディクスン・カー(ハヤカワ・ミステリ文庫)(本格ミステリ)(英米)

『30分は遠すぎる』(読めませんでした)→『九マイルは遠すぎる』ハリイ・ケメルマン(ハヤカワ・ミステリ文庫)(本格ミステリ)(アメリカ)

『衣装ボックスの女』バート・アントリー→『衣装戸棚の女』ピーター・アントニイ(創元推理文庫)(本格ミステリ)(イギリス)

『哀れみのマレード』ピエール・リミエール→『悲しみのイレーヌ』ピエール・ルメートル(文春文庫)(警察小説)(フランス)

『嵐が丘』エミリー・ブロンテ(そのまま)

『確定無罪』トロイ・メロー→『推定無罪』スコット・トゥロー(文春文庫)(リーガル・スリラー)(アメリカ)

『ラプンツェルの罠』セバスティアン・ファブリゾ→『シンデレラの罠』セバスチャン・ジャプリゾ(創元推理文庫)(本格ミステリ)(フランス)

『対人四差路』バレット・コサック→『殺人交叉点』フレッド・カサック(創元推理文庫)(本格ミステリ)(フランス)

『幽霊は三人に一人』アレン・マクマホン→『幽霊の2/3』ヘレン・マクロ(創元推理文庫)(本格ミステリ)(アメリカ)

『きっと犯罪、あれは殺人』ベンティ・スライサー→『うまい犯罪、しゃれた殺人』ヘンリー・スレッサー(ハヤカワ・ミステリ文庫)(犯罪小説)(アメリカ)

『まるで戦士のような』マーティーミラーダ→『まるで天使のような』マーガレット・ミラー(創元推理文庫)(サイコ・サスペンス・本格ミステリ)(アメリカ)

『夢の女』ウィル・カナディアン→『幻の女』ウィリアム・アイリッシュ(ハヤカワ・ミステリ文庫)(サスペンス)(アメリカ)

『ボトル(?)連続殺人事件』(読めませんでした)→『ホッグ連続殺人』ウィリアム・デアンドリア(ハヤカワ・ミステリ文庫)(本格ミステリ)(アメリカ)

『ポトリス街の殺人』アドー・アレン・バー→『モルグ街の殺人』エドガー・アラン・ポー(新潮文庫など)(本格ミステリ)(アメリカ)

『ケルト十字架の謎』ヒラリー・グリーン→『エジプト十字架の謎』エラリー・クイーン(角川文庫など)(本格ミステリ)(アメリカ)

『ZZの悲劇』ヒラリー・グリーン→『Zの悲劇』エラリー・クイーン(創元推理文庫など)(本格ミステリ)(アメリカ)

『深夜のポロス便』『ポロス日和』『クリスマスのスポイト』R・Y・ジャスティ→『深夜のフロスト』『フロスト日和』『クリスマスのフロスト』R・W・ウィングフィールド(創元推理文庫)(警察小説・モジュラー型)(イギリス)

『束の間のお別れ』(読めませんでした)→『長いお別れ』『長い別れ』レイモンド・チャンドラー(ハヤカワ・ミステリ文庫)(ハードボイルド小説)(アメリカ)

『鉄条要塞』バルザック・アティス→『鋼鉄都市』アイザック・アシモフ(ハヤカワSF文庫)(SFミステリ)(アメリカ)

『ドラゴン神父の邪心』『ドラゴン神父の遺憾』(?)(読めませんでした)→『ブラウン神父の童心』『ブラウン神父の不信』(?)G・K・チェスタトン(創元推理文庫など)(本格ミステリ)(イギリス)

『パープル家殺人事件』ジン・タロン→『グリーン家殺人事件』ヴァン・ダイン(創元推理文庫)(本格ミステリ)()アメリカ

『上着から飛び出した手』(読めませんでした)→『帽子から飛び出した死』クレイトン・ロースン(ハヤカワ・ミステリ文庫)(本格ミステリ)(アメリカ)

『出先にて急逝』(読めませんでした)→『自宅にて急逝』クリスチアナ・ブランド(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)(本格ミステリ)(イギリス)

『~~~たちのデザート』(読めませんでした)→『招かれざる客たちのビュッフェ』クリスチアナ・ブランド(創元推理文庫)(本格ミステリ)(イギリス)

『ビッグ・ハンマーの殺人』(読めませんでした)→『ビッグ・ボウの殺人』イズレイル・ザングウィル(ハヤカワ・ミステリ文庫)(本格ミステリ)(イギリス)

『ラスト・ダンサー』→『コフィン・ダンサー』ジェフリー・ディーヴァー(文春文庫)(本格ミステリ・サスペンス)(アメリカ)

『アンヴィルの惨劇』→『ローフィールド館の惨劇』(?)ルース・レンデル(角川文庫)(サイコ・サスペンス)(イギリス)

『ジャンピング・トニー』→『ジャンピング・ジェニイ』アントニー・バークリー(創元推理文庫)(本格ミステリ)(イギリス)

『レーズンチョコレート事件』→『毒入りチョコレート事件』アントニー・バークリー(創元推理文庫)(本格ミステリ)(イギリス)

『~~~家蜘蛛の食卓』バルザック・アティス→『黒後家蜘蛛の会』アイザック・アシモフ(創元推理文庫)(本格ミステリ)(アメリカ)

『パルポ(?)のクリスマス』→『ポアロのクリスマス』アガサ・クリスティー(クリスティー文庫)(本格ミステリ)(イギリス)

『アンドロイド殺し』→『アクロイド殺し』アガサ・クリスティー(クリスティー文庫)(本格ミステリ)(イギリス)

『ドール・コレクター』→『ボーン・コレクター』『スリーピング・ドール』ジェフリー・ディーヴァー(文春文庫)(本格ミステリ・サスペンス)(アメリカ)

『樽酒』F・G・シロフツ→『樽』F・W・クロフツ(創元推理文庫)(本格ミステリ・警察小説)(イギリス)

『ケイクドゥ発14時25分』F・G・シロフツ→『クロイドン発12時30分』F・W・クロフツ(創元推理文庫)(倒叙ミステリ)(イギリス)

『十六番目のコーダ』B・M・ドウェイン→『五番目のコード』D・M・ディヴァイン(創元推理文庫)(本格ミステリ)(アメリカ)

『ポリネシアから消えた娘』(読めませんでした)→『キドリントンから消えた娘』コリン・デクスター(ハヤカワ・ミステリ文庫)(本格ミステリ)(イギリス)

『バクは何でも知っている』→『ママは何でも知っている』ジェイムズ・ヤッフェ(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)(本格ミステリ)(アメリカ)

『レー行き最終バス』→『ウッドストック行き最終バス』コリン・デクスター(ハヤカワ・ミステリ文庫)(本格ミステリ)(イギリス)

『琵琶荘』→『湖畔荘』ケイト・モートン(東京創元社)(一応本格ミステリ)(オーストラリア)

・おわりに
 短いシーンなのにこれだけパロディに手間をかけるというのは、製作者の方々も楽しくなってしまったのかな、と想像しました。
 普通に調べたら出てこないような作品が多いので、作っている方々も相当お詳しいみたいですね(もしかしたらミステリなどにお詳しい原作者の方の遊び心かもな、とも想像しました)。
 不備がある点などあると思いますが、ご容赦願えれば。

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