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上場企業を辞めてUターンして山梨県に移住した話。エピソード 1/3

コロナの影響もあり、これからの仕事や住まいについて考えている方も多いのではないでしょうか。私は山梨県都留市という人口3万人の小さな街で、2017年8月にC-table株式会社を設立しました。今も仲間たちと様々な事業を行っています。そして現在は、官民連携でのまちづくり事業も行っています。

今回「現代ブランド論」で石坂さん、ヤマシタさんのお話を伺って情報を発信してみようと思いたち、まずは自己紹介からできればと思います。

いつか誰かの何かの参考になれば嬉しいなと思います。気になることや相談があれば是非ご連絡ください!

都内で就職して結婚して、家を買うとき考えたこと

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私が会社を設立した都留市は私が生まれ育った街でもあります。都留市は東京新宿から特急かいじに乗れば約90分程度。「意外に近い」田舎であり、私は常日頃、「千葉の松戸とたいして変わらない理論」を提唱しています。

とはいえ生まれてからずっと都留市にいたわけではありません。いわゆるUターンです。高校卒業後は進学のため上京して就職もずっと東京都内。学生時代に出会った彼女と結婚して2人の子どもに恵まれました。

仕事も順調。ウェブマーケティングのコンサル企業で様々な企業の支援を行い、その後は時価総額1兆円を超える一部上場企業に勤め、厳しくもめちゃくちゃ優秀な上司や同僚、後輩たちに囲まれて成長させていただきました。

長女が幼稚園に入る頃、「そろそろ家を購入しようか」という話になりました。早速物件サイトで検索しまくります。できるだけ今住んでいるエリアから離れず、やはり70平米以上は欲しいよな、、通勤は1時間、駅から15分以内なら許容できるかな。新築10年以内だろう、などなど。

半年から1年くらいかけたでしょうか。近所で良い中古マンションを見つけました。13階建ての最上階。値段もまぁ予算の範囲内。職場からも1時間程度で自然も近くにある。でも、なにかシックリ来ていませんでした。ムズムズしている中である寓話を思い出しました。「大きな石」の話です。ご存知の方もいるかも知れませんが、こんな話。

大きな石の話

とある大学で、面白い授業が行われました。授業内容は「人生の優先順位」についてです。大学教授は教壇の上に、大きな壺を置きました。
次に大きな石を取り出し、壺いっぱいに詰め込みました。教授は学生に、問いかけました。
「壺は、いっぱいになっただろうか」
一人の学生が「はい。いっぱいになっています」と答えました。教授は「いいえ、違います」と答え、あるものを取り出しました。
砂利です。大きな石は入りませんが、小さな砂利なら、入ります。つぼに砂利をいっぱいに入れて、再び「壺は、いっぱいになっただろうか」と問いました。
1人の学生が「いいえ。違うと思います」と答えると「そのとおりだ」と言いました。
次に取り出したものは、砂です。砂利はもう入りませんが、小さな砂なら、入ります。砂で壺を満たすと、教授は再び「この壺は、いっぱいになっただろうか」と学生に問いました。
学生は「いいえ」と答えました。「そうだ」と答えた教授が次に取り出したのは、水でした。
砂は入らなくても、水なら、入ります。壺いっぱいまで、水を入れました。今度こそ、本当に壺がいっぱいです。
教授は「何が言いたいかわかるか」と尋ねました。1人の学生が「予定がいっぱいでも、努力すれば、詰め込むことができるという意味でしょうか」と言いました。
「そう来ると思ったよ。違うんだ」と大学教授は、発言しました。私が本当に言いたかったのは「人生の優先順位だ」と。
「この壺は人生だ。物事には優先順位がある。大きなことから順に入れないと、後から入れようとしても入らない」
教授が本当に言いたかったことは、これでした。最初に大きな石を入れなければ、砂や水で満たした後では、入れられません。
物事には、正しい順番があるのです。あなたにとって、大きな石にあたることは、何でしょうか。勉強でしょうか。家族でしょうか。友人や恋人でしょうか。
最初に、大きな石を入れましょう。

自分にとって「大きな石」とはなんだろう。

住まいを決める上で、自分にとっての「大きな石」とはなんだろうか。迷うことなく、家族だ。

私は物件自体よりも「どんなまち=コミュニティで子どもに育ってほしいか?」について考えました。

同じような値段、間取のマンションには同じような属性の人たちが集まる。それはそれで良いコミュニティだけど、自分は少し違うことを考えました。

もともと田舎で育ったので、山や田んぼで遊んだり、近所のお婆ちゃんにかわいがってもらったり。友達もお金持ちもいればそうでない子もいて、乱暴なやつも中にはいて。でもそれが社会。住む場所を分けて接触しないようにする「ゾーニング」ではなく、価値観の異なる人同士も、適切な距離のとりながら互いに暮らす知恵も大切なのではないか。そういう場所で多感な子ども時代を過ごさせてあげたい。と私は考えました。

それが今は、通勤時間やらなんやら色々と余計なことを考えすぎて消去法で住む家を決めようとしている。「一番大きな石」だけ考えて最高の提案はなにか?そう考えたとき、「都留市で子どもを育てる」という選択肢が浮かびました。

東京まで通うのはキビシイかもしれないが、通えなくはない(松戸と変わらない理論がここで生まれました)。もし通えないなら仕事を変えればいい。大きな石はあとから入らないっていうんだから。

そう思い、都留市へUターンすることを決めました。

週末だけのプチ移住でまちを知る。

とはいえ、いきなりの移住はさすがに危なっかしいので、最初は週末だけ都留市で過ごすなどして、徐々になれていきました。

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最初に都留へ来たときは「羊羹ばりに夜が真っ暗やん。」と嘆いていた妻も、普段の買い物にも不便なく、自然の近くに暮らすことの気持ちよさ、そして近隣の方が子どもを本当に可愛がってくださる環境を徐々に気に入ってくれました。今では私より友達も多く、野草を摘んで天ぷらにして食べるほどの強さを身に着けています。

そして、満を持して実家を二世帯住宅に建て替え、Uターン移住することとなりました。

「じゃあ仕事はどうしたのか?」

長くなってしまうので、それはまたページを分けて次回。

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