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灰と赫
パレットに黒。
少量の白。
黒はオリーブのような渋みのある緑が含有されているなら、それがいい。
ランプブラックがいいだろうか。
ものが燃えて出た煤のような。
白を混ぜてしまうのは勿体無い気もするが、よりよくなるなら挑戦しよう。慎重に混ぜる。
灰色になる。白はごく少量でいいかもしれない。
ニュートラル、中立的な色である。
そして曖昧でもある。
混濁しているような。
また、その中を浮遊しているような。どこか寂しい雰囲気になる。
灰に赤の一線。
赤はバーミリオンとマダーレーキを混ぜたものがいい。
夕日ほどのあたたかみはなく、血液ほど生々しくはなく、歴史を感じる色である。
1月1日の神社。
轟々と燃える火の中を煤が舞っているのが好きだった。
あの焼けた匂いも。
灰と赫。
思慕の色である。
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