マルタ独立記念日:9月21日

 9月21日はマルタの独立記念日です。どこから独立したかというと、イギリスです。1800年にイギリスは、フランスをマルタから撤退させます。マルタはイギリスの支配下に入りましたが、1802年のアミアン条約では、マルタは聖ヨハネ騎士団に返還され、中立とすべしと述べられましたが、1814年のパリ条約で、イギリスの直轄植民地の地位が確認されました。

 第二次世界大戦終結後、1947年に自治が認められました。その後、1956年の国民投票で、イギリスへの完全な統合案(英下院議会での3議席確保、雇用機会創出、賃金上昇など)かカナダやオーストラリアなどと同様の形式(独立)を選択するかどうかが問われることとなりましたが、当時野党の国民党と教会のボイコットによって、この国民投票は無効となります。教会は当時も政治に大きな影響を与えていました。また、労働党と教会は激しく対立しました。これについては機会をみて書くことができたらと思います。

 イギリスの植民地で、極めて現実的に統合案が検討されたのはマルタくらいではないでしょうか。ただ、イギリスとしては、すでに海軍戦自体の重要度が低下していたこと、他の植民地では認めていないイギリス議会への議席確保を認める事による政治的弊害などが懸念されました。結局のところ、1964年にマルタの独立が認められることとなります。

 独立後、マルタ国はエリザベス女王を元首としました。また、イギリス海軍は駐留を続け、1971年に撤退し、1974年にマルタは共和制に移行し、マルタ共和国となりました。政治体制こそイギリスから独立していますが、観光では長らくイギリスは最大市場で、現在も多くのイギリス人がマルタを訪れます。その話もまた別の機会に書きたいと思います。ではこれにて。

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