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toC事業にもカスタマーサクセスを!【CLASS to C vol.1 イベントレポート】

「カスタマーサクセスナイト CLASS to C」は、C向けサービスのカスタマーサクセスをもっと盛り上げたい!という思いで立ち上がったイベント・学びの場です。
今後も、トークイベントや情報発信を行っていこうと思っています!

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記念すべき初回のイベントでは、ストリートアカデミーの遠田望さん、ココナラの奥祥弓さんをゲストにお迎えして、自社のカスタマーサクセスについて、事例を中心にお話しいただきました。
施策事例からKPI等数字に関する内容もあり、とても学びの多い時間となりました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

この記事では、このイベントの企画運営をしている、私、GMOペパボの清水が発表した「自社のカスタマーサクセスの事例」をまとめています。

【最初に少しだけ自己紹介】
清水愛実(しみずまなみ) 
GMOペパボ株式会社の「カラーミーショップ」というネットショップ作成サービスでカスタマーサクセスを担当。
BリーグとKinKi Kidsを生きがいにしています。

カラーミーショップCSの組織体制・サクセスチームの立ち位置

まずは、このあとの事例紹介をイメージしやすくするために、カラーミーショップのCS組織についてご紹介します。

ネットショップASPであるカラーミーショップには、カスタマーサポートとは別に「カスタマーサクセスチーム」があります。

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カスタマーサポートではお問い合わせ対応を中心に行い、それぞれのチームで担当業務を切り分けています。
カスタマーサクセスチームのメンバーはほぼサポート出身。2年ほど前にチームが発足しました。

カスタマーサクセスの担当業務

カスタマーサクセスチームが担当する主な業務は「分析」「顧客対応」「コンテンツ運営」で、Salesforceやpardot、zendeskなどのツールを使って施策を回しています。
様々なデータを引っ張り出して打ち手を考えるので、分析力は強みだなあと痛感する場面も多いです。

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ちなみに、私はサクセスに異動した当初、分析はほぼ経験なし&CRMツールも初めて触るような状態でしたが、チームメンバーのおかげもあって、簡単なSQLは叩けるようになりました。
DBの構造がわかるだけでも、考えられる施策の幅がグッと広がりました。

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追いかけるゴールの設定

カラーミーショップのユーザーは「商売をしている個人や企業」です。
業界も運営規模も異なる様々な方がいますが、ユーザーにとっての成功とはなんなのか。
私たちは「 売れるショップになること = ゴール 」だと定義しています。

ネットショップにおいて、売れるショップになるためには、いくつかのステップがあります。
申込>お試し期間>本契約完了 : この時点ではまだスタートライン。
ショップ開店後のステップとして、集客をする必要があり、ショップのアクセスが増えてきた後に、商品が売れるようになります。
この、売れるまでの成長支援 がサクセスチームの頑張りどころです。

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KPIの設定

そして、カスタマーサクセスが施策を回す上で、悩みの種になるKPI。
本当はLTVやカスタマーチャーンをKPIに設定したいところなのですが、それらは自チーム以外の動きも大きく影響するため、直接追いかけるのは厳しい。(効果測定の難易度もメンバーの気持ち的にも)

そこで、ショップの成長を因数分解して数値を探し、「ショップ開店率」や「オンボーディング完了率」などをKPIに設定しました。
(下の図の水色背景の項目)

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動かせそうな数字を見つけて、PDCAを回していくといった流れを実践しています。

施策の考え方

カスタマーサクセスでは、ユーザーを「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」の層に分けてアプローチする手法があります。

カラーミーショップは、客単価3,000円/月~の比較的低単価なサービスであるため、ハイタッチでは費用対効果がほとんど見込めません。
そのため、1to1で直接ユーザーに会いにいくようなハイタッチ施策はやらないと決めています。

また、今まで架電や個別メールでのロータッチにも何度も挑戦してきているのですが、期待した効果がなかなか数字に出ませんでした。
ロータッチを続けるには、チームの人数や時間の限界も見えてきたこともあり、思い切って自動化(テックタッチ)に振りきってみたところ、やっと効果が現れるようになってきました。

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ここまでの経験を踏まえると、単価が低めのサービスの場合は、テックタッチが有効かもしれないな~ということが見えてきました。

施策事例①

施策の事例を2つご紹介します。

1つ目は、ユーザーの状況に合わせたメール配信(テックタッチ)施策。
マーケティングオートメーションを活用して、119種類ものメールを自動的に送信する仕組みを作りました。

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使っているツールはSalesforce(CRM)とpardot(MA)です。
各ユーザーの状況を詳細に切り分けるために「ロゴの設定有無」などの細かい情報までSalesforceに登録しています。
さらに、pardotで複数のメールテンプレートを作成し、送信フローを設計することで、細かくセグメントされた条件に合わせてメールを送ることができます。

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一度設定すれば、メンバーが手動対応をしなくても、日々自動でメールが送られるようになるので、効率良く多数のユーザーに 必要な情報を適切なタイミングで 届けることができます。

メールの開封率を見てみても、通常送られることが多いDM類と比べると非常に高い数字が結果として現れました。
この施策から、メール等を使ったテックタッチを行う場合は「セグメント」「配信タイミング」「配信内容の質」が重要だということが見えてきます。

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施策事例②

2つ目の事例は、Youtubeチャンネルの運営(コンテンツ・メディア運営)です。

カラーミーショップは多機能で、使いこなす難易度が高めなサービスなので、よりわかりやすく情報を伝える媒体として、動画コンテンツの制作・メディア運営を始めました。
撮影・編集・公開・拡散、それぞれ担当を分けてすべての工程をチーム内で完結しています。

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実行する中でとくに意識していたのは網羅性
ネットショップに関わる情報は広く取り扱えるよう、サービスの機能だけでなく、ネットショップ運営のノウハウも提供しています。

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2020年1月の立ち上げから約半年間、雨の日も風の日も、チーム一丸となって毎日動画をアップし続けてきた結果・・・

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開設から5ヶ月でチャンネル登録者数1,000人を突破!!
なかなか無理めな目標で「1,000人」を目指していたので、達成したときはめちゃくちゃ盛り上がりました。

動画という、対nのコンテンツがオープンな場所にストックされていくことで、ユーザーが求めている情報が、継続的に届けられるようになってきました。
ショップの成長のためのツールとして、さらに活用していただけるように今後は動画の数字も分析しながら、ブラッシュアップしていきたいと思っています。

まとめ

● 現在のカラーミーショップのカスタマーサクセスは「分析」「顧客対応」「コンテンツ運営」を行う少数精鋭チーム
● 目指すべきゴールは「売れるショップになること」
● 遠すぎるKPIは効果が見えにくく志気も下がる。動かせそうな数字を見つけてPDCAを回しまくる
● 単価が低めのサービスにはテックタッチが有効な可能性大
● 必要な情報を適切なタイミングで届けることの重要性

 登壇スライドはこちらにアップしています。

以上、イベントレポートでした!
ここまでご覧いただきありがとうございました。


最後に、イベントに参加しそこねてしまった皆さんに朗報です!!

*巻末付録*【動画でみる】カスタマーサクセスナイト CLASS to C vol.1 

ストリートアカデミーの遠田さんとGMOペパボ清水の発表が、動画で公開されました!動画で公開されました!

15分程度でギュッと見やすく編集しているので、隙間時間にぜひ見てみてくださいね。
遠田さんのお話はとてもわかりやすく、特にシェアリングエコノミーに関わるみなさん必見です!

「カスタマーサクセスナイト CLASS to C」は、近日新たなトークイベントの開催を予定しています。
みなさんと一緒に、たくさんの情報をインプット・アウトプットできればと思っているので、ぜひぜひ、気軽にご参加いただけると嬉しいです!
決まり次第告知しますね。

to C サービスのカスタマーサクセス、成功事例をどんどん増やしていきましょう!
次回をお楽しみに!