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Little Walter / His Best: The Chess 50th Anniversary Collection

 ブルース・ハーモニカの第一人者とも言われるリトル・ウォルターのベスト盤。シンガーでもあるので、多くはイントロや間奏、アウトロでのハーモニカ演奏になるが、チャート1位にも輝いた“Juke”などインストでガッツリ吹いている曲もある。
 ハーモニカの音がアンプを通してやや歪んでいたり、曲によってはリバーブがかかったような音もあり独特。また写真を見ると所謂ブルース・ハープより大きめのハーモニカを使っていて、そのおかげか音が強く厚みがあるように感じられる。個人的には歌声も好きなのだが。 
 ザ・ローリング・ストーンズのブルース・カバーアルバム『Blue & Lonesome』全12曲中4曲がウォルターのカバーであり、『Blue & Lonesome』以外にも数曲カバーがあることを考えると、ストーンズが、あるいはミック・ジャガーが相当ウォルター好きなのがわかる。ストーンズのデビュー曲“Come On”がチャック・ベリーのオリジナルとだいぶ毛色の違うアレンジで、転調までしているのと比べると、ウォルターのカバーはオリジナルに忠実である。1964年にストーンズとウォルターで一緒にイギリスツアーもしているし、リスペクト云々というよりやはり好きなんだろう。

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