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ワタリウマ ー遥かな水源を巡る旅ー 茨城編

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2020年2月の記事一覧

宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その0 島のおためし〜

宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その0 島のおためし〜

2019年夏、宝島に渡る事が決まったのは、
あるメールのやりとりからだった。

相手は一家で宝島に移住し、
滞在型リトリートを開催するとのこと。
その期間予定があえば、
演奏してもらえないかとオファーの話が
持ち上がり、私は二つ返事で快諾した。

「宝島(たからじま)」。
ドラゴンボールの主題歌が脳内にこだまする。
「この世はでっかい宝島♪」。
アニメの世界でしか耳にしなかった名前の島が、

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宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その1 見送るリュウゼツラン〜

宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その1 見送るリュウゼツラン〜

フェリー乗り場に着くと、
巨大な一隻のフェリー、
「フェリーとしま2」が停泊していた。

鹿児島港 23時発、
宝島着は、なんと翌昼の11時40分着予定。およそ12時間に及ぶ船旅が
始まろうとしている。

近くのコンビニで食料と水分をそろえ、
準備万全で港に戻る途中、
ふと水場に目をやると
リュウゼツランの株があらわれる。

テキーラやアガペシロップの原料にもなる植物の株だ。(リュウゼツラン

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宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その2 しまわたり〜

宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その2 しまわたり〜

フェリーの中。
もう夜も遅い時間なのと、
揺れに耐えられず、
横になるしかない。

暗い海の上で、
平行感覚を失った身体は、
抗うことも許されずにかき混ぜられる。

目を閉じ、聞こえてくる
エンジン音を頼りにするも、
思念思考は、溶かされ、
どろどろに無形化する。
これも島々を渡るための身体儀礼で、
必要な準備なのだ。
と目を閉じたまぶたの暗闇で
言い聞かせてみる。

フェリーは
トカラ列

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