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2022秋アニメ総括感想

 どうもです。

 今回は毎クール恒例の総括感想で、2022秋アニメの分です。かなーり遅出しになりましたが、先日観終えたので取り敢えず書きました。
 では早速、以下から総括感想です。完走した8タイトル分になります。


1.アークナイツ【黎明前奏/PRELUDE TO DAWN】

 リリース当日からの現役プレイヤーなので、有難うアニメ化。しかも期待以上の高品質で大変良かったです(勿論円盤購入済み)。シネスコに収めたれた独自の画角とテイスト、5.1chサラウンドによる半端ない音響へのこだわりを感じる事ができました。音楽は勿論、悲鳴や息遣い、SEとかも。あとは純粋に好きなキャラ達の喋って動く姿を見れてだけで嬉しいのよ。
 世界観やストーリーは新規向けにアニメだけで解って貰えるラインはしっかり越えられていたと思います。頑張って説明してる感は出てしまったけれど許容範囲。じっくり不安を煽る様な緊張感ある描きで、改めて客観的にストーリーを追ってみても、精神的に来るキツイ物語(褒め言葉)だなぁと実感しながら観る事ができました。タルラは化物火力でビビるし、ドクター(プレイヤー)に絶大な信頼を寄せるアーミヤの圧倒的正妻感も最高でした。最終話、ミーシャに最期を迎えさせたチェンとの会話も名シーンすぎました。
 誰が悪い訳でも無く、希望や救いが本当にあるのかも判らない。過酷な現実が今後も当たり前の様に襲ってくるかもしれない。それでもアーミヤ達は進まねばならない。稚拙な理想論を掲げ続けているだけではダメだと覚悟を固め立ち上がる。本作で向き合うべき感情と、それを応援したくなる様な、一つの区切りとして綺麗な終り方でした。2期も楽しみにしてます。


2.ヤマノススメ Next Summit

 約4年ぶり、30分にまで進化して今回も素晴らしい作品でした。圧倒的取材力に裏打ちされた丁寧で美意識の高い描写、繊細で強固な関係性を表現してくれるお芝居の数々には改めて感嘆するばかり。加えて、ED映像を筆頭に何かとクリエイターの溢れんばかりの愛も感じる事ができて嬉しかったです。4期は、あおいの富士山へのリベンジに向けて、心身ともに成長や変化がやはり軸にはあって、見所も自然とそこになっていましたね。それが解る様に、4話までの総集編も1期の初心を想い出す新作ショートも贅沢に添えつつ、忘れてはならない想い出(ピース)が拾ってくれたと思います。
 あおいの内向的性格は良さでもあるので、その付き合い方を季節の移り変わりや進級進路など私生活に絡めて、少しずつ変えていけば良いとする優しい描き方が堪らなく良かったです。彼女のネガティブさや心配性はある意味洞察力の高さの裏返しであるからと。それを解ってるひなたがいつも敢えて一歩引いて気を利かせてくれる正妻ポジな安心感も本当に好き。
 勿論、ひなただけでなく他の皆も支えになってくれて。挑戦を促してくれた先輩ポジの小春、貴重な大人な一面を魅せてくれたひかりさん、グッと距離を縮められたクラスメイトのかすみ、この辺りもあおいにとって将来を意識させ、最終回での景色にも勿論作用してくれました。そして特に印象的だったのは、11話の"この1年間頑張ったんだから、きっと上手くいくってお母さん信じてる"って言葉。1年間のエピソードをしっかり描き、誰もがあおいの事を信じていたから、本当に涙でした。
 終始全員が想いを共にしていた感が溢れる富士登頂。想いに応えてくれる存在、共有できる存在がいて、すると出る言葉はやっぱり"ありがとう"だし、そこから信じる気持ちも強くなって少し先の不確かさを受け入れられる様になる。一方で、積み重ねた確かさを噛み締める様にして進む一歩が世界を拡げてくれて、自然と見える景色も抱く感情も変わってくるんだと。そんなありのまま故に尊い成長の実感と、それを祝福するかの様な喜びに満ちた大団円。本当に感動的で嬉しかったし、ここまで来れて良かったです。
 ここなちゃんは無事入学してるし、あおひなは卒業してるし、次回作はやるのかい?やらないのかい?どっちなんだい!?って感じのワンカットでの〆でしたが、とりま4期ありがとうございました!ヤマノススメBIG LOVE…


3.アキバ冥途戦争

 綺麗な着地だとは少し言い難かったかもしれないです(時間すっ飛ばされる系が個人的に苦手なのもある)。でも、オリアニとしては久々に夢中になって楽しめたのは事実。ポップでパンクでバイオレンスに狂ってると見せかけて任侠映画のバイブスと一本筋が通った世界と物語を描いてくれました。虚実に暴力、洗脳、忠誠、それでも屈せず、壊されず、失われない人間性や生き様みたいなモノが垣間見える瞬間が良かったですね。
 なごみと嵐子さんがW主人公的な位置で軸にいたと思います。何があっても揺るがない嵐子さんの姿がなごみに影響を与えていたし、本来あるべきメイド道を持つなごみの姿が嵐子さんに影響を与えていて。なごみにとって本当に色んな経験があって、揺らぎそうな瞬間もありましたが、ねるらの遺志に応える様に殺生しない生涯メイド道を貫くと決め、嵐子が果たしたかった想いも引き継いでいく覚悟を涙と共に示してくれました。
 ただ一方で、孤独感に苛まれていた凪さんの気持ちも解ると云うか、もう引き返せない処まで行ってしまって、誰からも許されるはずがないし、自分で自分を許し切れないのも伝わってはきましたね。暴力しか残されていないやり方だけれど、アキバ統一と云うある意味争いのない世界にしたかった目的は同じだし、そうやって彼女もまたトップとして信念を貫いてきたので、簡単に懐柔されていいはずがなく、壊してしまった分の暴力が全て跳ね返ってくる覚悟もある。今作らしい如何にもな呆気なさでした。ほんの一瞬魅せた微笑みには、何かが届いていたのかもしれないし、"私だって戻れるなら戻りたかったよ"的な気持ちがあったら良いなと妄想を膨らませるばかりです。


4.Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-

 最後まで変に背伸びはしないだろうみたいな謎の安心感がずっとあって純粋に見やすかったです。このまま何もせずに過ごしてしまったらダメなんじゃないか…未来像に抗うまでは行かないけれど、彼女達自身の至らない部分だったり、身近な手の届く範囲だったりで、どうにか"なりたい自分"、"作りたい景色"を引き寄せんとする優しい心持ちを感じる事ができました。
 せるふとぷりんの幼馴染に留まらない関係性に関しては、時間をかけて丁寧に描いていたなと思います。ボルトとナットの様な強固な関係でありながら、下穴が太く真っ直ぐ開かないといけない。そんな下穴を開けてくれたのは、紛れもなくDIY部のみんなでした。それぞれが自身と向き合って、役割と個性を持って、得意分野で力を発揮していく。誰一人として欠けてはいけない仲間意識や認め合う関係性が築き創り上げていたのが良かったですね。
 ツリーハウス完成に至るまでは、序盤から気になっていたせるふのトロフィーの数々から期待していた通り、彼女の想像力が活かせる場になっていて嬉しかったです。どうにか形にしてあげたいと想いを汲み、組み立てていく皆の姿はそのまま、せるふとぷりんの関係性にまで影響を与えてくれました。どこでもずっとお互いに"自分へ対する関心"が気になって仕方がなく、徐々に察して欲しいではなく相手の想いを汲もうとする姿勢がちゃんと相手の心を動かしていく。宝物含めてあの頃をもう一度引き寄せた2人の姿はやはり美しいモノでした。また、途中トラブルは発生したけれども、メタ的には設計図通りと云うか、完成までの起承転結の綺麗さは見事でした。結果以上にそこに至る過程こそが大切だと教えてくれていた様に思います。自由に豊かに想いを馳せながら人生はチャレンジして良いのだと。


5.ぼっち・ざ・ろっく!

 キャラが濃くて生き生きとしてたのが良かったです(画面の色も濃かったが)。なので、お話として自然な緩急の中で芯の通った作品でした。ぼっちちゃんの意識が徐々に外向きに、世界が拡がってく過程が特に良かったですね。熱量や技量は変わらないまま、今迄無縁だった“なんて事ない出逢い”に向き合おうとする姿が自分と向き合う事にもなっていたなと。5話とかはやっぱ感動的でしたし。一方で、沢山笑わせてもらった記憶もありますw あとは、下北沢シェルターに行った事ある位にはライブハウスのロックシーンが好きなので、その辺のカルチャーを女子高生バンド目線で描いてくれたのも個人的には嬉しかったです。んで折角なので今作は以下4人の印象を。
 ぼっちちゃんは、普段は卑屈でもぬけの殻みたいになって後ろ向きだけれども、そんな自分でも居場所ができて、助言してくれる人がいて、支えてくれる人がいる事に対して、感謝の気持ちが何よりも絶対に先行するのが堪らなく好きでした。内なる情熱・愛・忍耐力もあって。捨て身の努力と使命感からヒーロー像を確かに感じました。
 リョウちゃんは、自由奔放っぷりに迷惑する人が確かにいるかもしれないんだけども、裏を返せば自分を強く持っている素直で、それだけ純度と強度があるのでやっぱり惹かれてしまう娘でした。音楽知識とセンスもあって。ベーシストとしては勿論、バンドへの想いもさる事ながら支柱はやはり彼女だった様に想います。
 虹夏ちゃんは、想い出と夢を糧に活動し続ける姿が凄く応援したくなるタイプでした。この子はよっぽどの事がないと折れないだろうけど、折れたら立ち直れないと云う危うさもあったから余計に(だからお姉さんがいるのも頷ける)。と同時にドラマーとして何よりリーダーとして皆を信じて疑わない気持ちが目に見えて届いてる処が好きです。
 喜多ちゃんは、アドリブができてしまう位その場その場の状況や相手に合わせられる柔軟性が本当に凄かった。どうすればお互いに又は全員が心地良くいられるか、波長を同期させて、"気持ちを交わす(伝える)”事に常に重きを置いてる。だから、観客の視線が最も集まり耳を傾けるボーカルと云うポジションに務めるべくしてなったなと思います。
 楽曲は曲単体としては「星座になれたら」と「ギターと孤独と蒼い惑星」が好きです。でも曲がどうこうよりもアニメ見てたら確かに全曲好きになる魅力があるし、文脈のある曲オタクは好きにならざるを得ないのよ。


6.チェンソーマン

 直感的な面白さよりも回を重ねていく中で、失くして欲しくない人間味が浮き彫りになると云うか、あらゆる角度からエピソードを用いて映し出されていく、繋っていく人間模様の描き方がとても良かったです。回想の挟み方もセンス良いし、牛尾さんによる最高の音楽も「sweet dreams」を筆頭に何曲かはピッタリとハマって流れてくれました。画面に関して1つ言うなら、アクション以外の方が"一枚絵"になるお洒落さがあってかなり好みでした。
 最後まで生にしがみつくデンジ中心の描きで、色々とドライな処はドライに認識してるからこそ、良い意味でのギャップや違和感みたいなモノが生まれていく。不安や恐怖などネガティブな方面だとより強く。それで、突き詰めていくと、根底にある人間味などが滲み出てきて、その"人間らしさ"を再認識できるシーンが魅力的でしたね。また、それに大きく貢献していたのはアキくんで、彼の人としての在り方に救われる場面がありました。姫野先輩の死と云う現実は決してドライに片付ける事無く、情緒豊かに、繊細に、重く描いてくれて、曖昧になっていた人間らしさを象る部分のピントがクッキリと合っていく。そして、そのピントのまま描かれた最終話、アキくんがベランダで目を閉じ姫野先輩の葬儀を上げるシーンが好きです。
 余談ですが、推しのVTuber尾丸ポルカがチェンソーマン同時視聴配信をしてくれまして、原作履修者の限界化オタクトークも交えながら視聴できたのは良き想い出になりました。感謝。


7.宇崎ちゃんは遊びたい!ω

 約2年ぶり、見るか迷ったんだけども結局見れちゃいました。やっぱ大空直美さんの演技が好きすぎる。桜井の脳筋加減も変わってないし、宇崎ちゃんも可愛いくて安心しながら見る事ができました。偶に来るしょーもないギャグも笑えるしw 少し不安があったのは、周りが急かし始めた事ですね。もう2人がくっつく事は約束されているので。でもコレはあくまで我々のメタ的視点だから言えるのであって、本人達の周りにいたら早くそうしたい気持ちが湧いてくるのも自然かと思いながら見てました。"卒業”と云う時間的期限をチラつかせた辺りも納得感を得られる一つでした。
 急かすと云っても、キッカケ作りに止めて直接干渉する部分は殆ど無く、ちゃんと見守っていくスタイルは継続。大きく変わったのは、やはり宇崎一家の登場(桜井側も少しだけ)。5人家族としてのバランスも良かったですし、勘違い劇場も何だかんだ見れたなと。と云うより月さん次第で幾らでも面白くなる可能性すら感じました。想像力豊かすぎて普通に好きですw
 告白できそうで、できずの最終回。でも、とびっきりの笑顔が見れたし、自覚するまでいっただけで十分な成長です。2人だけの恋愛ペースでこれからも一緒にいて欲しいなと思います。こーゆーラブコメが丁度良い。


8.不滅のあなたへ Season2

 2021年春夏から約1年ぶり、全20話、満足感はデカイです。生と死、幸福や人間の在り方、SF的要素など、やっぱ扱ってるテーマと描き方が好きですね。全体的に"死"に焦点を当てた1期とは打って変わって、2期では"生"を本格的に描いてくれたと思います。また、"死"はその"生"に内包されているとする処も良かったです。6話でフシが言葉にした、まだ生きてる"途中"、と云う表現とか特に象徴的で好きでした。
 1期で最期を迎えたピオランの云う"満足な人生"を一人でも多くの人に贈って欲しいと、救いを必死に模索しながら対ノッカー戦を繰り広げていきました。また、フシの中で存在し続ける人達を忘れてはならない(奪われてはならない)事も大切で、最終的には感動的な再会を果たしてくれましたね。皆の未練からの解放でもあり、器としている罪悪感からの解放でもあったと思います。不自由の象徴であったエコの存在を筆頭に、何かが欠如していたり、叶わなかったりしても、それでも貴方が全うした生には意味があったと優しく包み込んでくれる様な描き方が非常に好きでした。
 何を考えているか想像できる余地が広かった初期のフシが徐々に表現豊かになっていく。それ処か、自らの意識を自然や他の人間と調和させ一体化させ、人間を益々超越していくフシが今どんな状態でどんな感情を抱えているのかは、初期とは比べモノにならない想像量で楽しかったです。併せて、フシの人間らしい部分とそうじゃない部分、扱うには余りに難しく苦しいはずだけれど、それだけの葛藤や成長をずっと見て取れたし、守られてきた人間性を先述した再会を以て感じる事ができて良かったです。フシの呪いとも言える"不死"である事が祝福に変わる瞬間でした。
 1期同様、駆け足ではあったけれども、どのキャラにも感情移入できたし、カハクなんか最高に良いキャラでした….。まさかの3期決定との事で、まだ原作には手を伸ばさず、楽しみに待ちたいと思います。



 以上、2022秋アニメ総括感想でした。

 軽く総評ですが、8作品でも満足できたクールでした。元々"好きだから"って云う理由で見た作品もあり、当たり前ではあるんけれど、この"当たり前"を大切にしていきたい所存。視聴ペースは『不滅のあなたへ』がクールを跨いだにしても、観終えるのが遅くなりました。併せて、この感想記事を書くモチベが湧かず、こんな時期になって少し反省。でも、これだけは言えます。どれも見て良かったと。8作品ありがとうございました。

 んで、お察しの通り、アニメに対するモチベが殆ど無くなってしまったので、クール毎にリアタイで追う事からは距離を置きます。彼是6年近く、もう十分な数を見て好きな作品と出逢えたし、最近は他の趣味のモチベが高いしとか、理由は色々。アニメ自体は変わらず好きです。これまでも普通に好きなモノから一旦離れた事は普通にあったので。それで、もれなく良い方向に変わるだろうし、もし戻りたくなったらその時は戻ってきます。

 戻ってきた時には、新旧問わず「最近見たアニメ」みたいな感じで、一つの記事内で3~5つの作品感想を書くかもしれません。Twitterに比べるとnoteの方が文字数制限もなく居心地が良いので、書くとしたらnoteだとは言っておきます。まぁ未定なので、あまり期待はしないでください、本当にその時のモチベ次第だと思います。
 とゆー事で、今迄読んでくださった方、本当にありがとうございました。普段はこんな事言わないんですが、もしよろしければ一言だけでも感想的なのを頂けると泣いて喜びます…。
 ではまた!

※良ければアニソン記事を昨年末に書いてるので是非に。


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