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2023年は大不況が来るのか

 2022年は結果として、FOMCの金融引き締めに伴い、米国の株価、特にテック系の株がだだ下がりしました。さて、では2023年はどうなのでしょう。金融アナリストの予想がいろいろ出ているようですが、はっきり言って分かりません。誰にも。未来が分かる人は今のところいないと思うので。
 基本的にはFOMCの金融引き締め政策が続くため、景気後退は避けられないという論調が多いように見えます。ちなみに、米国の話を中心に書いています。日本は少し時期ずれしそうな感じなのであくまで視点は米国です。


ストラテジスト株価予測(出展:ブルームバーグ)

 上記の記事に載っていた表を見ると2023〜2024年はどうやらマイナス予測が多いようです。著名な投資家も、2023年は景気後退すると言っている人たちが多い。
 そんなに言われるとそうなのかなと思ったりもします。ただし、こういう話はポジショントークであることが多いので、必ずしも正しいとは限りません。冒頭に言ったように、未来は誰にも分からないのです。おそらく、21年の時点で22年にロシアがウクライナに戦争を仕掛けると思っていた人は少ないでしょう。
 
 とはいうものの、23年の景気後退説にはそれなりに説得力があります。理由はFOMCの強気姿勢です。FOMCはインフレ抑制が何よりも大事というスタンスなので、インフレが沈静化したと確認出来るまで絶対に緩和には踏み切らない様に見えます。それに対して、経済界から声を上げて、「不況が来るぞー、このままでは米国経済はやばいぞー」と叫び続けている状態です。
 おそらく、FOMCは本当にインフレの沈静化を確認しない限り金融緩和には踏み切らないと思います。となると、景気後退の叫び声は無視されることになりそうです。それで本当に巨大な景気後退が来るのかどうか、というところは分かりません。企業は物が売れなくなると困るので、景気後退を呼び込むような金融引き締めはやめて欲しいと思っています。
 経済の仕掛けの難しいところは理解出来てないのであまり理論的な説明は出来ないのですが、一個人の感想としてはいろいろな「気分」で景気が振られている様に見えます
 インフレはみんながこの先、どんどん物の値段が上がりそうだと思っているから上がるという側面があります。なので、その気分を打ち砕かないとインフレは止まりません。今回のインフレはコロナ禍の影響による供給不足がきっかけになっている面があります。なので、本来は供給不足が解消されれば、インフレが落ち着いても良さそうです。でもそうなってない。今は、供給不足のことはどちらかというと忘れ去られて、人件費の高騰、人手不足の要因の方が大きいように見えます。
 となると、人手不足が解消しないとインフレは落ち着かないということになります。米国はまだまだ失業率も低く、人手不足が続いており、人件費の高騰が止まってないように見えます。ということはもっと景気が冷えて、給料が上がらなくても雇って欲しいと思う人が増えないといけないことになります。
 やっぱり景気後退は避けられそうに無い。失業率が上がるまで景気を冷やさなければならないとすれば、企業のリストラが進行するほど先行きが不透明にならないといけなさそうです。もしくは、インフレが進みすぎてみんな飲食や旅行を避けるなどサービス業も流行らなくなるとか。
 テック系の会社、Facebookやアマゾン、twitter、テスラといった会社がかなり採用を抑制、解雇に踏み切っているようなので、すでにこういったところはこの先業績が悪化すると考えているとみて良さそうです。

 じゃあ、株価は来年、またさらにガタガタに下がっていくのか?というとこれは難しい。株価は先行指標なので、みんなが景気後退で会社の収益が下がりそうだ、と思い始めると下がります。で、実際に悪くなったという決算が出たときに、思ってたとおりだと下がりきっているのでそれ以上は下がらない、逆に、思ってたより悪かったとなると、さらに下がったりします。予想より業績がよかったら、あれ?景気後退って大騒ぎしてたけどたいしたことないじゃ無い、となり、一気に上がる可能性もあります。この気分を予測するのはかなり難しい。

 この状況を乗り切るには世の中の気分をできるだけ感じながら、注目している企業の決算や予想などをマメに追いかけるしかなさそうです。前提としては金融引き締めはしばらく続くと想定して、といったところでしょうか。あとは今の株価が、下げすぎなのか、まだ下がりきってないのかというのをどう見るかです。これまた難しいのですが。売る人が誰もいなくなったような株は下がりきったとみて良いのでしょうが、それを判断するのはなかなか至難の業です。
 といったようなことを考えながら2023年を乗り切っていければと思います。


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