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アメリカは迷走中

政府機関の閉鎖は免れましたが、相変わらずアメリカの政治は迷走中です。次に何が起こるか分からないという事が続いています。政治の世界が混迷している中、経済と暗号資産業界はどうなっているのか少し見ていきたいと思います。

SEC(米国証券取引委員会)と暗号資産業界の戦い

テクノロジーについて議論していると言うより完全に政治問題化しているこの件ですが、今のところSECには不利な話が続いています。

どうやらリップルの裁判で控訴していたSECの申し立てを一部却下したみたいです。説明が足りないということで。

アメリカのつなぎ予算はとりあえず成立しましたが、それに対してマッカーシー下院議長が解任されました。共和党の内紛ですね。相変わらずアメリカの議会はぐだぐだな感じですが、それが政治なので仕方が無いでしょう。で、その代わりに臨時の議長が代理を務めていますが、どうやらこの人が暗号資産容認派ということで、暗号資産業界には少し前向きな材料を提供しています。とはいえ、ほとんど影響なさそうです。
それよりも、下院がガタガタしていることで議会運営が停滞することは免れようも無く、暗号資産関連の規制もどうなるか分かりません。SECは暗号資産に対して敵対的ですが、CFTC(米商品先物取引委員会)はそれほど敵対的ではなさそうです。

どうやら暗号資産関連にかんして新しい基盤作りが必要との前向きな姿勢のようです。その中でデジタル取引について中間業者を排除するのが目的だと言っている様で、なかなかいいこと言うなと個人的には感じています。
議会では共和党はSECのゲンスラー委員長を総攻撃していますが、民主党議員は擁護しているようです。そういうところからして政治ゲームになっています。
今のところアメリカの政治がビシッとする気配はほぼ無いので、来年の大統領選挙がこのままいって、きら星のような若手候補者が出てこない限り、バイデンかトランプのどちらかが大統領になってしまうと、混乱は続く気がします。

景気はどうなる?

なんだかんだいっても、世界経済の中心はやはりアメリカです。中国が怪しげだったりヨーロッパが余り良くなかったりですが、結局アメリカの景気がどうなるかで世界景気が変わってくるというのが今の状況だと思います。
そのアメリカでは政府関係者はソフトランディングで景気は強い、大幅な景気後退はしないと言っています。一方、金融関係のアナリストや銀行幹部などのは声をそろえて、景気後退に備えろ、先行きは暗いと言っています。両方ともポジショントークなので、どちらが本当のこと言っているのかは分かりません。
政府としてはインフレを抑えるために金融引き締めを容認しており、それによる景気後退が起きてないということを言い続けないと政策が間違っていると言うことになるため、絶対に景気後退だとは言えない。
一方、金融関係者はそろそろ金融緩和してくれないと、株は下がるし、債権も下がる、いい加減にしてくれ、という気持ちでしょうから、当然、このままでは大不況になると大合唱している、という感じでしょうか。実際、市場の恐怖指数はかなり高まっているようです。

とはいえ、政府側もふぬけな感じは拭えず、この先もガタガタが待っています。下院議長の選出は共和党の内紛で簡単には解決しないでしょうし、そうなるとつなぎ予算の期限が来て、また、予算承認が遅れるかもしれない、政府機関の閉鎖が迫る、というサイクルがやってきます。
経済界からすると、いい加減にしてくれと言いたくなります。いつもなら10月から徐々に相場は回復、年末にかけて強含むのが常ですが、今年はどうなることやら。

それでもアメリカは強い

揉めまくっているアメリカですが、それでも、現在のところ最強の経済大国であり、この先も発展していくと思われます。国家なので当然中央集権的なのですが、それでも、州ごとにある程度分権されていたり、文化的に人と違う事が尊重されたり、意見を持つことが大事だという圧力がかかる国なので、強い意見に流されない強靱さを持っていると感じています。言わなかった者負けの国なので、損すると思えば徹底的に叫ぶと言うことからして、国家が衰退するかもしれないとなると何でもやってくる可能性があるからです。
中国はトップが右と言えばだれも逆らえないので、右に行くのが間違っていても誰も止められない仕組みになっています。なので、発展の芽を摘んでしまうリスクも大きい。
その点、アメリカは合っていようが間違っていようが、右じゃ無くて左だと言える国なので、迷走するかもしれないが、修正も出来る仕組みになっています。民主主義なので多数派が強いという弱点はありますが。暗号資産には余り進捗が無くてやっぱりアメリカは駄目なんじゃ無いかと思うところもありますが、それでも、いろんな意見が飛び交っているので、希望もたくさんあると言えます。右に行ったり左に行ったりしていますが、それでもしばらくアメリカの時代が続くとみています。年末にかけてどんなどんでん返しがあるのか注視していきたいと思います。

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