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GW中の動き、所感です。

 さて、GWも明けました。コロナも含めて通常運転が戻ってきます。とはいえ、米国は別にGWではなく通常運転でしたので、特段平時と変わらないのですが、日本はお休みウィークだったので新聞も薄く、ニュース媒体も比較的静かという感じでした。
 私の関心のある暗号資産界隈は、というと、あまり大きな動きは無かったというのが率直な感想です。相場の方も横ばいという感じでは無いでしょうか。むしろ休み明け、動きが激しくなることがよくあるのでここから動き始めるかもしれません。
 GW中にはFOMCの発表があったり、アップルの決算があったりして材料は結構あったのですが、その割に、株価も暗号資産も激しく動くという感じは個人的に感じませんでした。

 暗号資産関係はざっと眺めていると、悲観的な話は少なく、楽観的な記事が多かった気がします。ということは相場は逆に動く可能性もあるのですが。昨年来、どん底な感じのニュースやコメントが多かったのですが、ここ一月ほどはあまり悲観的な記事のオンパレードというわけでは無い感じです。ちょっと不気味ですが。

 米国の金融は相変わらず不安定です。そりゃそうでしょう。FRBの金利上げ政策によって債権価格が下がっているので、債券を買っている銀行は気持ちが休まらないはずです。そもそも銀行のビジネスモデルは短期資金を集めて長期投資して利ざやを稼ぐモデルなので、長期投資対象である債権が一時的にせよ下落している中、集めた短期資金、すなわち預金が一斉に引き出されると価格の下がっている債権を売らなければ預金が返せないので含み損が実質損にすり替わり破綻します。
 つまり、21年より前の金利が低かったときに預金で債権を買っていた銀行は含み損を抱えているはずです。ここで取り付け騒ぎが起きると一気に破綻します。そうなったのがアメリカの4つの銀行です。今のところ、FRBの監督責任だとかトランプ政権時代の規制緩和で監視が緩かったとか、銀行の経営陣の責任だとか言っておりますが、原因を作ったのは金融引き締めをしたFRBなのは明白です。銀行側は、そりゃ、そんな金利上昇の局面で融資などの見直しをしなかったとしたら経営が甘かったのかもしれませんが、金利がいきなり5%も上がってしまうさなかに損失を最小限にするために債権を売りまくるということを出来るか?というとなかなかそうはいかなかったのでしょう。
 ということで同じような構造を抱えた銀行はまだありそうな気がします。よってたかって既存金融業界が穴を塞ごうとしているので騒ぎにはなってないですが、破綻した4銀行だけが特別だった、とは思えないのです。金利が急に下がって債券価格が回復する、ということは無いでしょうから、取り付け騒ぎが起きないように資本増強をするなどの対策を取る必要があります。しかし、それが公になると預金流出につながるというやっかいな状況です。とにかく、米国の金融業界から目が離せない状況が続くといった感じです。

 一方暗号資産の動きはあまり大きなトピックはないのですが、ビットコインの動きが活発になったりしているようです。動きというのは価格の話では無く、ビットコインNFTを中心とした開発の動きです。元々ビットコインはあまりアプリケーションのベースレイヤとしては考えられてなかったと思うのですが、ビットコインNFTが出て来たことにより、一気にその可能性が注目されてきた、ということです。イーサリアムのようにプログラミングしやすいプラットフォームじゃ無いにもかかわらず、そのような動きになっている理由としては、ネットワークの安定性と米国を中心とした規制に対する耐性があると思われます。
 10年以上、ハッキングされずに安定して動き続けているインフラとしての堅牢性と、さすがの米国SECもビットコインは証券とは言えないので規制のしようが無いという安全性があるのでしょう。ちょっと皮肉めいています。暗号資産の方は連休明けからいろいろと動きがありそうなのでこれも注目していきたいと思います。


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