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自殺の経済的損失

(以下は数年前に綴った記録です。私達の命の重さは、決して金額で量られてはならないのです。この声が、皆様に届きますように。)



厚労省は途方も無く愚かな計算をした。人間の実存を侮蔑する物だ。それが自殺の経済的損失だ。15~69歳までに得る生涯所得や生活保護の支給額、医療費等を合算したものらしい。厚労省はこの数値を算出した経緯についてこう語っている。「こういった具体的な数値を示すことによって自殺への対策の重要性が分かり易くなる」

君達は人の命を何だと思っているのだ。それを金額に換算する必要が何処にあったと言うのだ。況やそれが損失であると君達は何の恥じらいも無く公言して見せる。憎んでも憎み切れない資本主義社会の中で、私達は死んだら“社会にとって”損だと言われているのだ。自殺をするぐらいなら我慢して働け、生産性を上げるために生きろ、そう言われている事に皆は気付いているだろうか。

自殺という選択をする人間に、経済的損失なんて関係無い。寧ろ、そうやって人の存在を金額で量ろうとする腐敗した社会が嫌だから、自殺をするのだ。これ以上自分の存在を穢されないために。

自殺対策の重要性を伝えたいなら、自殺者数や自殺率だけで十分だろう。何故人はこんなにも、金に踊らされているんだ。この異常性に気付いているのは、自殺を考えている人間だけだろう。

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