#2-2 韓流×夢×反面教師
虹プロジェクトなるものが流行っていると、日本にいる友達だけでなく欧州在住日本人の間でも話題だったので視聴。僕ら世代なら、アサヤンを思い出した人は多いのではないでしょうか?正直、2話だけ見て「もういいや」ってなってしまいましたが、思うところもあったので諸々書いてみます。
韓流ブーム
2000年代半ばに韓流ドラマが流行り出し、うちの叔母も家に誰かわからん俳優のポスター貼ったりしてました(いまだに実家に貼ってある)。韓流ブームといえば、2008年にサンフランシスコに留学時、韓国のクラスメイトとの会話を思い出します。
渡邉:「韓流ドラマが日本で流行ってるんやで」
友人:「あの俳優人気やけど、若者はそんな関心ないんやで」
韓流アイドルに関してはその時にWonder Girlsを教えてもらいました。アメリカでも活躍してるんかーって思ったのを覚えています。
その後、2010年代にK-popブームが来たのは承知の通り。Wonder Girlsの名前は日本で聞くことはほとんどなかったですが、東方神起やBIGBANG、KARAなど、ブームに全く乗らなかった自分ですら名前を知っているアーティストたちが次々と日本で活躍していきました。
この虹プロジェクトを見て韓国芸能文化の国際化を改めて感じました。国も力を入れており、Psyの「カンナムスタイル」や映画「パラサイト」など欧米でも賞を受賞しています。
少し前の記事になりますが、この時には既に韓国政府が韓流振興に注力しているのがわかります。
この虹プロジェクトのプロデューサー、J.Y.Parkさんにしても日本のテレビで見かけた韓国のアーティストや俳優さんたちは非常に語学が堪能です。日本語と英語はMUSTなんだろうなというのが伺えます。
僕らの学生時代(15〜20年前)はJ-popに洋楽。Avril LavigneやBack Street Boys, Green Dayなど新しい海外アーティスト情報には敏感でした。K-popや韓国文化なんて話題にも上がらない。知っていたといえば、ダウンタウンごっつえぇ感じの「オジャパメン」ぐらいか。
J-popはテレビで見かける誰もが知る曲やアーティストが流行り、共通の話題を友人と話す。自分はB'zを筆頭にミスチルやサザン、ユーミン、中島みゆき、globe、あゆ、宇多田ヒカルなどなど、70s〜00sを彩った、誰もが知るアーティストに落ち着いてしまいます。
しかし、前職の講師時代からその変化を顕著に感じていました。生徒である女子中高生の話題はK-popかYoutuber。そして生徒によって好きなアーティストやYoutuberも様々。as long asの用法をBack Street Boysの歌詞に合わせて解説しようとしたけど、反応悪くてやめたこともあります笑
あらゆる媒体で趣味嗜好を選択できる今日では、一昔前のような、国民誰もが知るアーティストや楽曲は生まれてこないのではと考えています。
そんな多種多様なエンタメを選択できる現代において、K-popは比較的今の若者の(しかも異国の)興味の中心にいるのはすごいことだと感じています。日本のエンタメは下火だなんて言われてますが、それは、単純に国内しか見ていない(国内のみを見ざるを得ない)からだと思います。それが良いかどうかはわからないですが、日本は1億人以上人口がいて、それなりに安定・大きい経済規模があって、何より大半の人が日本語という特殊な言語しか話せない以上、必然でしょう。
夢を夢で終わらすか否か
芸能界みたいな訳わからん世界入って、勉強もせず、異性交友ふしだらで、どうせヤクでもキメてるんやろ。みたいな偏見を今でも若干拭い切れない自分もいます。ここまでいかなくとも、少なからずネガティブなイメージがつきまとう芸能界を目指す少女たちの挑戦を描いた「虹プロジェクト」はなぜここまで支持を得たのか?
僕は、「本気で夢を追いかける姿勢」だと思います。
まだ肩書きも何もない普通の女の子たちが本気で夢を、自分を信じて愚直に目標を目指す。当たり前のことかもしれませんが、世の中でそれを実践できている人は少ないと思います。
今の自分の能力、周りの環境に合わせ、気持ちに向き合わず、なんとなくできることをやる。気持ちに向き合っていないわけではないけど、いろんなものを取っ払って、気持ちに正直になることは本当に難しい。
だからこそ、自分のやりたいことを見つけ、そこに向かい努力している人たちに自分の想いを投影させたりするのでしょう。
スポーツ選手もわかりやすい例ですね。たゆまない努力で、厳しい競争を勝ち抜き、華やかな世界で華やかな結果を出す。自分がしたいことをやってお金も稼ぐ。
甲子園や五輪、ワールドカップなどが多くの人を惹きつけるのもそこに「夢」を見ることができるからなんです。
そんな芸能界やスポーツ界のスターたち、世俗からかけ離れているからこそ夢を与えられるんだと思いますが、日本の視聴者や世論は、彼らに親近感も求め、少しでも浮世離れな行動・言動があればアレルギー反応的に一斉にその芸能人やアスリートを叩く。
こういう国民意識が、先ほど述べたエンタメの媒体が増えたことと相まって、アイコニックな誰もが知るスーパースターを生み出すことを難しくしているように思います。
フットボールでいえばキングカズや中田英、本田圭佑のように私生活やファッションも印象的なスター選手。生活習慣や恋愛関係も破天荒なショーケンや勝新のような昭和のスター俳優。ぶっ飛んだ笑いや事件を生み出す横山やすしやビートたけしのような芸人ももう出てこないかもしれないと思うと寂しいな…
反面教師には限界がある
たった2話しか虹プロジェクト見てないのに何をエラそうに!と思われている方がいたらすいません、その通りです笑。
たったの2話ですがこの番組を見て、僕が惹きつけられたのは魅力あふれるアイドルの卵たちではなく、プロデューサーのJ.Y.Parkさんの志願者たちへの接し方でした。と、思っていたらyahooニュースにもなってました。
「褒める、客観的に事実を伝える、期待を伝える」を実践する理想の上司ということですが、こういう上司や先生、指導者に皆さんは出会ったことはありますか?
僕はほとんどありません笑。日本にいる間(友人は除き)、この人は信頼できるな、尊敬できるなと思える上司・指導者にはほとんど出会えませんでした。数少ないそう思える人たちと、深く関わることもできませんでした。今思い返せば、自分が間違っていたなと反省することもありますが…
僕らの世代では「怒る、感情的に上辺ばかり伝える、失望される」というのが当たり前でした。まだまだ表面的なルールが絶対で、理不尽な要求をされ、それを我慢することが美徳とされる。実際、指導する側の上司・先生も上辺ばかりで、本質を理解して指導できてないよなと感じることは多々ありました。
僕はこれまで「反面教師」を元に育ってきたように思います。
・母親がタバコ吸っていたから自分は吸わない
・先輩が自己主張強くて周りに嫌われているから自分は主張しない
・上司が理不尽な態度とっているから自分は理性的に動く
・コーチが暴力・暴言吐いているから自分は後輩に建設的に話す
こういった反面教師から色々気づくことで、役に立っていることはたくさんあります。こういう経験が、もっと教育を良くしたいというモチベーションに繋がってもいるんですが、1つ気づいたことがあります。
反面教師では「夢」は与えられない
反面教師では「人に嫌われない」ことはできても、人を引っ張り、何かを与えることはできないと思っています。
大好きなB'zの稲葉さんが、やりたくないことが次々出てきたら「消去法でイケることもあるらしい」と歌ったりもしてますが、そんなpassiveな態度ではなく、やりたいと思うことをやるより他ににパワーを発揮するものはありません。これに関しては理論やデータはありません。完全に実体験からの信条です。
INSIDE OUT, 自分の内側にあるエネルギーを外に出す。個人からそれを引き出す指導、教育というものが理想の上司・指導者の役割であり、それは守破離の「破」を促すための指導だと思います。これが今は世間的にも支持されているんでしょう。
どうも日本の教育は「守」特化型(インプット重視・ルールを守る・自分を外に出さない)に感じます。この辺は次回のnoteで詳しく言及してみます。
今週のあとがき
自分は昔から、一発屋芸人にどこか惹かれます。このネタしかねぇ!と、とことんそのネタやギャグを突き詰め、勝負する。中には消えていく人も多いですが笑。でも、意味わからんことをやり続け、次第に受け入れられていった、エスパー伊東、エガちゃん、レイザーラモンRGなどのような個性派もいます。
やりたいことから目を背け、夢をあきらめ、なんとなく生きるのではなく、中学生であろうが還暦迎えたおじさまであろうが、学問の道であろうが芸能界であろうが、自分がやりたいと思うことに各々が向き合い、そういう人たちが尊敬され、またそれを応援し、導いてくれる人たちであふれる社会になれば良いなと思っとります。
他人を否定し、批判し、ネガティブなことに神経すり減らしてばかりだと疲れるので、みなさんもハッピーにいきましょう!
今週はこの辺で、ハイ〜っ!
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