考えている時が一番

仕事先のパートさんでほぼ同期の方がいるのだけれど、何気ない休憩中の会話で今日が誕生日だということを聞いた。
誕生日を祝ったり、祝われたりするような年齢でもないとかどうとか言っていたが、誕生日は一年に何回もない。人生においても何百回もない。

家に帰りゃ、家族でお祝いはするだろうけれど、いつもいつもお世話になっているし、仕事が押したら無理して残業してもらっているし、ありがとうはいつだって何度だって、伝えたい。

仕事の帰り道、あそこのケーキ屋さん開いてるかな。
ああ、もしかしたら月曜だから閉まっているかもなあ。
でもそうか、ケーキなら生物だから明日渡すってわけにもいかないなー。

それならTシャツの裾短いやつでも準備するか。
(おれ注:これは背伸びしたときにヘソが見える感じの丈を着ている女子がいいというおれ個人の願望をそのパートさんに話してたところから来ている。)

いやいや、いまから用意してる時間もないし、サイズがわからん。ってか、そんなの用意してたら気持ち悪い。

とかなんか頭の中でいろいろと考えながらの帰り道。

案の定、ケーキ屋さんは月曜定休日で閉まっていた。
どうしたものか。
この時間からならチャリンコで隣の市まで行けばなにかあったかな。
それよりも電車で難波かどっかに出てしまった方が何かある可能性が高いな。

それなら、おれの好きな喜八洲のみたらしでも買いに行くか。いやまてよ、あれもその日に食べてるのが最高に美味いじゃないか。次の日に温めんの失敗したときの残念な食感、美味さ激減するしなー。

結局そのまま家に到着。

なんとなくだが、地元にもう一軒美味しいって言われているケーキ屋さんがあったことを思い出した。

地図で場所をしらべ、なんとかそこでいくつかの焼き菓子を買った。
ついでに自分にロールケーキと子供に美味しそうなプリンを買った。
昨日、原田マハ読んでたからケーキの口になってたのかもしれない。

パートさんの誕生日を祝うっていうシンプルなミッション。
でも、祝うことについてというよりもお祝いしたいっていう気持ちから始まり、中身を考える向こうに相手のことがずっと頭にあるこの時間。

といっても、おれはパートさんがどういう人なのかは知らない。
子供が何歳なのかも知らないし、旦那さんが何されている方かも知らない。おれが知っているのはお仕事を一所懸命してくれる姿と、おれの仕事に対する無茶振りをちゃんと聞いてくれる姿しかしらない。

でも、それだけで十分。

仕事だから当たり前って言われたらそりゃそうだ。他の人だってみんな真面目に真剣に取り組んでくれている。だから自分の今のペーペーポジションにあぐらをかいていられるし、もう少し上に行くための準備だってできる。

彼女ががんばってくれる、
他のみんなもがんばってくれる、
それは伝播し広がっていく。
今いる現場からじわじわ侵食していくことを願っている。
そして、おれはちゃんと感謝を伝えられる人間であり続けたい。

ありがとう。
そしておめでとう。

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