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美味いもんが食いたい

遅ればせながらそういうこと

生来日本人の演技演技している、ドメスティックな演技が嫌いな自分は日本のドラマを毛嫌いしていた。

見るとしても本当にヒットしたようなものばかりで。

しかも一時間を約十話。十週間も毛嫌いしている演技を気になるストーリーの為に待つのも馬鹿らしいと思い、ほとんど見ることはない。

でも最近はhuluやNetflixやらで、一気にドラマを見る機会が増えていたこともあり、とりあえず高畑充希が好きってだけで、「同期のサクラ」を見た。

それから友人に勧められるがままに、「俺の話は長い」を見て、あながち日本のドラマも捨てたもんじゃないなと思い、とうとう「グランメゾン東京」に手を出した。

はい、これ前振り。

面白いと思ったものは本当に一気に見る質で、これまた友人に進められたアベンジャーズはインクレディブル・ハルクからインフィニティウォーまで一週間もせずに見終えた過去がある自分は、総計十一時間あるグランメゾン東京を二日で見終えた。

特に食いついた切っ掛けとなったのは、伝説のジビエハンター「峰岸さん」のジビエだ。

尾花たちが、彼の獲った誇りを最大限、一つも無駄にすることなく仕上げるその様子は狩猟に惹かれた私にとって、言いようも出来ない感動と納得を齎した。

畜産を営んでいる人達も、自らで獣を取る人達も、必ずしも心にあるのは、命をくれた獣を如何に美味しく食べるかということだろう。

それが獲物に対する最大限の感謝で、報いだ。

でもそれは人間のエゴだろう。

獣だって死にたくないし、それこそカメ五郎氏に獲られた一匹目の鹿は、その腹に宿した我が子を、この地に旅立たせたかったはずだ。

だからこそ。

獣の気持ちなんて、人の解釈でしか理解できないからこそ、受ける私たちが最大限、彼らに感謝できるように。

気持ちの良い毛皮に、かっこいい頭骨のトロフィー。

そしてうならせる程の美味い飯。

だから私は美味いもんが食いたい。

その獣に対して、人間の出来うる最高の尊重である、最高の料理を食いたい。

生きているうちに一度くらいはグランメゾン東京みたいに、メニューはコース一本のみですという、レストランに足を運ぼう。

自分がどれだけ金を持っていなくても、堕落した人生でも一度は。

美味い飯を。

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