誰を見ているかは、メッセージでわかる【B1全チームのGAME DAYポストを分析してみた】
2023-24シーズンのBリーグも、いよいよ佳境です。
そんななか、ふと気づいたんですよね。
「XのGAME DAYのポスト、チームによってメッセージ違うな」と。
要は試合当日に概要を載せるポストって、「会場に足を運ぶため」や「配信を観るため」のある種「目覚まし時計」みたいな役割なのですが、そこにプラスアルファでメッセージが乗っかってくることがあります。
たまたま2チームくらい見比べたら、メッセージが違うことに気づいたのですが、これって結構重要で、「試合に対してファンにどんな行動をしたほしいのか」、つまりコミュニケーションのスタンスがクラブによって違うわけですね。
先にお伝えしておきますが、何も違っていることがダメということではなくて、そのスタンスの差ってどこにあるんだろうというのを紐解いていくだけなので、良し悪しのはなしではないということはご理解いただければと思います。
メッセージ一覧
ずべこべ言わず、まずは見てみましょう。
対象は、4月17日に開催されたB1第33節のXに投稿された「GAME DAYポスト」です。
どん。
もともと、以下に挙げた3つを確認できたので、もっとあるのかなあと思ったのですが、結果的にこの3つでしたね。
一つひとつ見ていきます。
【ケース1】○○してください
個人的に未だにモヤっている、このnoteとも関連しそうです。
なぜなら、そもそもこの疑問を感じてしまったのって、上記でその記載が確認できる、唯一のクラブを応援していたからなのですね。
先のnoteも他クラブのファンの方からするとあまり疑問に思うこともなく、むしろ「わけわからんヤツいるんだな」くらいの感覚だと思うのですが、私だけが疑問に思っていたことが今ようやく確認できました(汗)
じゃあ違和感の正体は何か。
おそらく、これって日本語でいう「指示」なんですね。
言葉尻だけ見ると「依頼」している、つまり英語でいう「Please」ではあるのですが、柔らかい表現のように見えて、実は表現として結構強いのかもしれません。
でも、先のnoteでも触れているのですが、応援するかどうかって、観客それぞれに委ねられているわけですね。
ここからは日本語の用法ではなく、個人的な所感ですが、もし問いかけている受け手(平たく言うとファン)が全員めちゃくちゃ応援しまくるようなコアファン(ブースターって言うのでしょうか?)に対してであれば、コミュニケーションとしては違和感ないような気がしています。
ただ、これも個人的な印象で、「一緒に戦ってください」という表現だと、どうしても「行動」を「指示」されている印象を受けてしまうようで。
もっと具体的にいうと、会場でコールしたり、クラップしたり、配信でライブで観たりという、行動を求められているように感じてしまうようです。
もちろん、これは批判ではなくて、そういうふうに捉えられるという所感のはなしなので、表現を直ちに修正してほしいというものではないです。
とはいえ、アリーナ内ではなく、ウェブ環境というオープンで不特定多数に対する問いかけるには、日本語的にどうしても不十分な点も否めない表現なのかもしれません。
【ケース2】○○しよう
これはですね、あんまり気になっていないですね。
なんでだろうって思ったら、受け手のうち、「戦いたい」とか「勝利をつかみ取りたい」って思っている特定のターゲットに響くように、あえてベクトルを狭めて発信しているメッセージだからですね。
「行動」を求めているというよりも、同じ「心持ち」で迎えよう的なニュアンスなので、気持ちくらいだったら「戦おうかな」とか「勝利をつかみ取りたいよね」って思うので、私も改めて見てもそこまで違和感を感じないみたいです。
【ケース3】よろしくお願いします
もともとって、このケースがスタンダードだったような気がします。
先の2ケースは、最近だとファンって「観客」というよりも「ステークホルダー」の位置づけを重視するようになった結果、自然と派生した表現のように捉えています。
(もちろん、サッカーでいうサポーターというのは、単なる観客を超えた存在であることに異論はないので、最近出てきた表現ではないですが、とはいえプロスポーツ以外の企業活動でもファンベースを重視するようになってきた風潮を考えると、近年のトレンドの考え方であることに変わりないのかなという補足をしておきます)
じゃあこれって、無難でつまらん、ダメな表現なのか。
いや、むしろ「多様性」といわれて久しいからこそ、日本語の表現として最も適切な印象です。
こちらのブログなどは、「よろしくお願いします」とは一体どういう意味なのか、解説してくださっています。
要点を引用すると、
とのことで、受け手の意思にかかわらず、「依頼」しているので、行動に移すかどうかって受け手に委ねられている。
ファンもステークホルダーではあるけども、なんでもかんでもみんな一緒、一心同体ってわけではないから、最もハレーションが起きない表現だと思っています。
だから、この表現に慣れ過ぎた私としては、いつもスルーしていく枕詞であり、GAME DAYポストの添え言葉なわけですね。
とまあ、こんな感じでございました。
そんなわけで、実は世間一般的には「○○してください」ってほとんどないってことがわかりましたので、私の悩みはあまり深く考えないほうがよさそうですね(笑)
これがわかっただけでも、この記事の価値はあったかもしれません。
もし悩み疲れて倒れそうになっている方が周りにいたら、「もう悩まなくていい、日本語のはなしだから」ってことで慰めてあげてください(汗)
時代が変わっても、年齢を重ねても、日本語のベーシックな文法はちゃんと心得ておかないとなあと感じました。
ほんと、国語の勉強って意味があったのですね…(今更感…汗)
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