帰国したい日本人と、鎖国する日本
あけましておめでとうございます。
脳みその半分以上ドイツ人化しつつある私ですけど、
年末年始はやっぱり日本人のアイデンティティが騒ぎます。
お雑煮は食べたいし、お餅は焼きたいし、紅白は片手間に垂れ流したいし、
なんとなく片づけもしたくなるし、行く年来る年を見つつ、新年気持ちを新たにしたい。
ヨーロッパの年末年始はあっさりしたもので、特にドイツは大みそかに花火を打ち上げて終わりです。
仕事も平日だったら三が日も関係なく日常がスタートします。
クリスマスに全力を注いでるので、年末年始まで祝ってられないというのもわかるんですが、
それが海外在住日本人的には、無性に寂しかったりするわけです。
特に16:00を過ぎたら真っ暗になってしまうような環境で、
ビタミンBも不足するし、なんだかじめじめしていて灰色な日が多いし、
そんなどんよりとした空模様もホームシックに拍車をかけます。
夏以降ずっと帰国を先延ばし、先延ばしにしてきた私ももう耐えがたくなって、日本までの往復便を予約したのが11月末。
その3日後にオミクロン発生のニュースが飛び込んで、
ドイツにも早々に感染者が発見されて、あっという間に日本は一時鎖国。
新規航空券の予約も停止するとか、解除するとか、ばたばたして、
秋口にコロナが少し落ち着いて、14日間の隔離が10日間になって淡い期待を抱いたのもつかの間で、
ドイツはオミクロン地域に指定され、6日間のホテル隔離が必須に。。
一体何人の日本人がこれで帰国を諦めたことでしょう。
ワクチン接種者も、外国人も、在外日本人も、全部ひとまとめにして、
海外から入国するというだけで制限をかけて。
でも、一口に海外と言っても、もちろん国ごと、州ごと、政策も状況も全く違うわけで、個別事情も加味せずに、とりあえず鎖国してしまうその体制に、肩を落とした人もたくさんいると思います。
秋の選挙も、水際対策で、入国管理を厳しくすると声高に宣言している党がありましたけど、在外日本人の票を落としたことは間違いなしです。
でもね、最悪2週間のホテル隔離のリスクを覚悟して、帰国してきた在外日本人をウイルスの根源扱いして、そんな社会のプレッシャーはもちろんわかるんですけど
でも家族だったら、帰省は控えてくださいとか、隣近所の目があるからしばらく帰ってくるなとか、間違っても言ってほしくないなあと思うわけです。
ドイツでも、確かにコロナ禍の中で、クリスマスに帰省していいのかとかそんな葛藤や議論はありましたけど、
基本的に、悪いのはウイルスであって、帰省する人じゃないですから。在外日本人だって、普通の人間ですから。帰りたいと思って当然ですから。
なんとなく、代弁したいなあと思ったのでした。
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