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信用リスク評価の「見える化」につきまして

投資を行う際、投資対象とする金融商品のリスクを事前に把握しておくことは必要不可欠といえます。当社ファンドには、主に為替変動リスク、信用リスク、流動性リスクといった3つのリスク(※1)があります。このうち、為替変動リスクにつきましては、以前に「見える化」の試みをご紹介しました(※2)。これに続いて今回は、信用リスクの「見える化」につきまして、その管理および評価方法をご紹介していきます。

※1 当社ファンドのリスクにつきまして、詳しくは以下をご覧ください。

※2 為替変動リスクの「見える化」につきまして、詳しくは以下をご覧ください。

1. 「信用リスク管理」と「ポートフォリオ管理」

まず、信用リスクの管理方法は、ボトムアップ・アプローチトップダウン・アプローチの2つに大別することができます。

ボトムアップ・アプローチには、貸付先となる企業の財務諸表、その企業の提供する商品やサービスの特性などの様々な情報に基づいて、個別に信用リスクを管理する「信用リスク管理」があります。

一方、トップダウン・アプローチには、特定の地域や業種などに偏りがないよう、マクロ経済データ、倒産確率等の統計的手法を用いて、ポートフォリオ全体を管理する「ポートフォリオ管理」があります。

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2. 信用リスク管理における「債務者評価」~「定性的評価」と「定量的評価」~

信用リスク管理における評価には、「債務者評価」「案件評価」があります。メインとなるのは債務者評価で、貸付先となる企業の評価を行い、信用格付で表されることが多くあります。補完的に、個別の貸付案件ごとに返済方法や担保の売却価格などを評価していく案件評価を行うこともあります。

債務者評価は、「定性的評価」「定量的評価」の2つから成り立ちます。定性的評価では、貸付先となる企業の財務諸表からは読み取れない側面を評価します。たとえば、事業展開する国の情勢や業界環境といった貸付先となる企業を取り巻く状況、顧客基盤、商品やサービス内容といった事業の状況、経営陣の経験や適切な内部統制が構築されているかといった運営体制の状況などを指します。一方、定量的評価では、財務諸表から読み取ることのできる自己資本比率やキャッシュフローなどの財務指標に基づいた評価を行います。

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3. 信用格付~信用リスク評価を「見える化」する~

貸付先となる企業の信用リスクを評価し、信用格付による「見える化」を行うにあたっては、その企業が事業を行う業界ごとに評価の視点を定め、それに基づいて評価を実施していきます。当社では、ノンバンクやマイクロファイナンス機関などの金融機関、それ以外の一般事業会社に大別したうえで評価を実施しています。

金融機関、それ以外の一般事業会社ともに、信用リスク管理における債務者評価として「定性的評価」および「定量的評価」を行うことには変わりありません。しかし、たとえば金融機関の場合、提供している金融商品のリスクの高低や純貸出収益率(※3) などを注視する一方、一般事業会社の場合は、その業界そのもののリスクの高低やインタレスト・カバレッジ・レシオ(※4)などを注視します。

※3 純貸出収益率とは、金融機関の財務分析上の指標の一つで、金融機関の収益性を評価するために用いるものです。

※4 インタレスト・カバレッジ・レシオとは、財務分析上の指標の一つで、企業の財務体質の健全性を評価するために用いるものです。

また、金融機関、それ以外の一般事業会社いずれにおいても、「カントリーリスク」も信用リスクを評価するうえで考慮に入れます。格付機関などの評価を参考にするほか、各国の政権の安定度や各種マクロ経済指標に基づいてカントリーリスクを相対比較します。

これら、「定性的評価」、「定量的評価」、「カントリーリスク」などの各項目を、貸付先となる企業ごとにスコアリングし、総合的に評価することによって、信用リスク評価の「見える化」が可能になります。

もちろん、信用リスク評価が「見える化」が可能となっても、投資にあたってのリスクがなくなるわけではありません。実際の投資では「分散投資の徹底(※5)」が重要であることを念頭に置きつつ、信用リスク評価の「見える化」を参考にしていただければ幸いです。

※5 「分散投資の徹底」につきまして、信用リスク分散効果の一例として以下をご参照ください。

◇ファンドの手数料およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料はいただいておりません。
なお、出資に対して、年率換算で最大4.0%の運用手数料を運用開始時に(または運用開始時および2年度目以降毎年度に)いただきます。
また為替手数料その他の費用をご負担いただく場合があります。
為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。
ファンドごとに、手数料等およびリスク内容や性質が異なります。
詳しくは、匿名組合契約書や契約締結前交付書面等をよくお読みください。
クラウドクレジット株式会社
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