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社会的インパクト投資レポートvol.6:「メキシコ女性起業家支援ファンド」シリーズ

2018年6月18日、当社は「社会的インパクト投資宣言(※)」を発表しました。社会的インパクト投資とは、貧困層支援や教育問題など社会的課題の解決に取り組む企業や領域に投資し、経済的なリターンと社会的なリターンの両立を実現する投資手法を指します。この社会的インパクト投資レポートでは当社の各ファンドシリーズが具体的にどのような社会的リターンを実現するかについて定量的かつ定性的にお伝えしてまいります。
※ 当社の社会的インパクト投資に対する考え方についてはこちら(https://crowdcredit.jp/about/social-investment)もあわせてご参照ください。

今回社会的インパクト投資レポートの第6弾としてお伝えするのは、現在販売中(本レポート発行日の2019年12月18日現在)の、メキシコのマイクロファイナンス機関への貸付を通じて同国の女性の経済的および社会的地位向上を目指す「メキシコ女性起業家支援ファンド」シリーズです。

マイクロファイナンスとは、主に発展途上国の貧困者向けに小口の融資や保険などを提供することで、彼らの経済的自立を支援するサービスのことです。以下もあわせてご参照ください。

1. 「メキシコ女性起業家支援ファンド」シリーズの経済的リターンと社会的リターン

① 本ファンドシリーズの経済的リターンの概要

「メキシコ女性起業家支援ファンド」シリーズは2019年12月18日現在、以下にあるように1号~17号(販売中含む)の17本のファンドがございます。

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1号が2020年6月までの運用期間、2020年7月に償還金および分配金をお支払いする予定となっていますので、各号の経済的リターンの実績値はこれ以降に順次出させていただくことになります。

ご参考までに2019年10月末時点の期待リターンマップ(※)上の期待される最終リターンとしては「A(ファンド販売と同等の水準を見込んでいる)」と評価しています。ただし、こちらは貸付通貨であるメキシコペソ建てでのリターン予測であり、円建ての実績値は償還時のメキシコペソ/円の為替レート次第で変動する旨ご留意ください。
※ 詳細はこちら(https://crowdcredit.jp/operation/entry/682/2)をご参照ください。

② 本ファンドシリーズの社会的リターンの概要

直近の社会的リターンに関する世界的な動向として、2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」があり、これに基づいて持続可能な世界を実現するための17の分野に関する貢献が求められています。

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出所:外務省ホームページ

本ファンドシリーズは、マイクロファイナンス機関であるSOFIPA CORPORATION, S.A.P.I. DE C.V., SOFOM, E.N.R.(以下「SOFIPA社」といいます)が実質的な貸付先(海外資金需要者)となり、この17の分野のうち主に「1. 貧困をなくそう」に貢献することを目指しています。

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以下では本ファンドシリーズがどのように貧困の削減に貢献することを目指しているのかについて説明していきます。

2. 本ファンドシリーズの定量的なレビュー

ここでは本ファンドシリーズの貸付先(海外資金需要者)であるSOFIPA社が、どのような地域の、どのような人に、どのような貸付を行っているのかをデータで見ていきます。

SOFIPA社は、「死者の日」(11月1日・2日)を盛大に祝うことで有名な、メキシコ南部のオアハカ州を中心に、計30拠点で活動しています。

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SOFIPA社は、①女性起業家向け貸付、②中小企業向け貸付、③従業員貸付、④生命保険の4種類の金融商品・サービスを提供していますが、このうち「①女性起業家向け貸付」が営業収益の約9割を占めています。

この「①女性起業家向け貸付」では、地区ごとに10~15人で構成されるグループ貸付と個人貸付を行っており、2019年9月末時点でグループ貸付は約3,680グループ・約37,600名に約180,000,000メキシコペソ(約9億9,000万円、1メキシコペソ=5.5円で換算)、個人貸付は約1,270名に約54,000,000メキシコペソ(約2億9,700万円)です。両者の貸付を合計すると約38,870名に約234,000,000メキシコペソ(約12億8,700万円)に上り、1名あたり平均の貸付額は約6,020メキシコペソ(約33,110円)となります。

SOFIPA社の借入人(最終資金需要者)側から見ると、最低3,000メキシコペソ(約16,500円)から借入れをスタートし、個々の借入人(最終資金需要者)の売上に応じて借入上限額は変動していきます。返済率は97%と非常に高く保たれており、これによってSOFIPA社は収益性向上と財務内容の健全性を確保し、マイクロファイナンス機関の格付会社であるMicroRateから評価を受けています。メキシコの地で女性の経済的および社会的地位の向上に向けた動きが着実に進んでいるのです。

3. 本ファンドシリーズの定性的なレビュー

それでは、本ファンドシリーズによって届いた資金が実際にどのような人々(最終資金需要者)のために使われ、どのように彼女たちの生活改善に役立ったのか、いくつかのケースを見ていきましょう。

Marcela Martinez Floresさん(38歳、婦人衣類・バッグ販売・果物販売)

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彼女はSOFIPA社での借入れ前はワゴンで女性用タイツやストッキングを販売していました。2010年に3,000メキシコペソ(約16,500円)を4ヵ月間の借入期間でスタート。現在では、マーケット内に婦人洋服、バッグ、果物屋の3件のブースを構え事業を拡大しています。売上は当初の約6倍になり、現在も運転資金を約40,000ペソ(約220,000円)、4ヵ月間ごとに借入れを行っています。

Aurora Martinez Cierra さん(34歳、掃除用具・キッチン用具・日用品販売)

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彼女はSOFIPA社での借入前はバスケットに電池やライターを入れて、マーケット内を売り歩いていました。2015年に3,000メキシコペソ(約16,500円)を4ヵ月間の借入期間でスタート。現在ではブースを構え、掃除用具・キッチン用具・日用品を販売しています。売上は借入れ前に比べて約4倍になりました。

Agustina Castro Mendez さん(49歳、フルーツ・野菜販売)

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彼女はSOFIPA社での借入前はマーケット内で17歳の時からフルーツを販売していました。3,000メキシコペソ(約16,500円)を4ヵ月間の借入期間でスタート。この借入れにより取扱っていた季節の果物に加え野菜など種類を約2倍に増やすことができ、売上も約3倍になりました。売上増加により現在も運転資金として約15,000メキシコペソ(約82,500円)、4ヵ月で借入れを行っています。

Zolayda Vanessa Ruiz さん(36歳、ワハカ民族系ブラウスの縫製業)

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彼女は15歳から両親の縫製業を手伝ってきました。2017年に5,000ペソ(約27,500円)を4ヵ月間の借入期間でスタート。工業用縫製ミシンを購入し、受注の数を増やす事が可能となったため、以前はワハカ州内だけでの受注で手一杯だったのが、メキシコ全土からの受注に対応できるようになりました。2018年に自身の縫製所を建て、売上も約4倍に増えています。

◇ファンドの手数料およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料はいただいておりません。
なお、出資に対して、年率換算で最大4.0%の運用手数料を運用開始時に(または運用開始時および2年度目以降毎年度に)いただきます。
また為替手数料その他の費用をご負担いただく場合があります。
為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。
ファンドごとに、手数料等およびリスク内容や性質が異なります。
詳しくは、匿名組合契約書や契約締結前交付書面等をよくお読みください。クラウドクレジット株式会社
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