見出し画像

#3読書記録(サド侯爵夫人編)

こんにちは、青木葎です。

まとめた理由としましては「三島由紀夫が澁澤瀧彦訳の『悪徳の栄え』を読んで影響され、『サド侯爵夫人』の執筆のきっかけになった」ので、もう読むしかないだろうと思い、挑戦しました。

地元で読書会があったのですが行く勇気がなく、ここで一人読書会を開催しようと思います。

①戯曲「サド侯爵夫人」三島由紀夫

今回は消毒・マスク・感染対策をぴっちり行い、観劇する機会がありました。初見の印象は「とにかく難解」(三島さんの小説、ボク何回か挫折していることもあるからかもしれません)

お芝居ってどこまでネタバレしていいかわからないので、演出の方を含めて特集されていた雑誌を見つけました。ご興味がある方はぜひ。

3幕構成となっており、休憩の間にWikipediaで人物を確認しながら見ておりました。ざっくりとしたあらすじは「6人の女性が1幕から3幕の18年かけてサド侯爵について語る話(※なお、舞台にはサド侯爵はでてこない)」となっています。

ちなみに、この「サド侯爵」はSM(サド・マゾ)の語源になった、マルキ・ド・サドのことです。サド侯爵夫人、つまりはサドの奥さんですね。

サド侯爵は観客とキャストが作り込んでいくので、「みえないはずのサド侯爵が幕や各キャラクターの言葉によって変容していくところ」がこの物語の見所です。また、物語のキャストが全員女性ということもあり、作中のうわさ話や裏切り(のような娘を思うが故の行動?)が生々しく、魅せられます。特に、最後はあんなにサド侯爵を信じ、慕って、惚れていたサド侯爵夫人のセリフに「うわっ」ってなります。もうほんと、「うわっ」です。

本好きの友人にこのことを話した時に、「フランスで評価されてるらしい」と伝えたら「フランスって不条理や後味の悪いものを好むところがあるからじゃない?」と教えてもらい「だからか!最後が最高にウワァだったよ!」と一人はしゃいでおりました。ありがとう友よ。

②「悪徳の栄え」マルキ・ド・サド(澁澤瀧彦訳)

https://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?ser_id=70650

あらすじは純粋な女の子だったジュリエットがいろんな人にそそのかされて、どんどん悪に染まっていく話です。

とにかくえぐいです。サディストの語源になるぐらいですから、性交から盗み、スカトロ、カニバリ…。ボクは宗教にはあんまりあかるくないですが、まじでソドムってこんな感じなんだろうなと思いました。

昔、あまりにも表現が過激すぎて裁判になったことがあるといわれるぐらい、(褒め言葉ですが)悪に満ち足りていて気持ち悪いです。澁澤龍彦全集にはカットされた部分が巻末にのっていますが、「ウワア…」ってなります。ぜひ怖いもの見たさで読んでみてはいかがでしょうか…。

①と②を読んでみては思ったのは、「悪徳の栄え」を読んだ後にまた「サド侯爵夫人」を読むと2幕の異様さが引き立つような印象を受けました。どちらも難解で読みにくい印象はありますが内容がわかると「悪徳の栄え」の作中に出てくる肉料理(※イタリア旅行参照)が如く読みごたえがある面白い作品です。ただ、ボクは、「悪徳の栄え」は、表現が、アレすぎて、ちょっと苦手でした。好き嫌いが分かれるかもしれません。

★余談ですが、澁澤瀧彦さんは前からボクの好きなアングラ芸術紹介系(?)ユーチューバ―の好事家・ジュネさんという方のチャンネルでも少し紹介されています。読むのは勇気いるなあと思う方は個人的にオススメです。

https://www.youtube.com/watch?v=VDyXo24GmUU

それではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?