「人生は長く、世界は果てしなく広い。肩の力を抜いていこう」
「人生は長く、世界は果てしなく広い。肩の力を抜いていこう」
小学生の時に読んだ本の中にこんなセリフがありました。
当時、小学生だった自分は、4年生のクラス替えで周囲の環境になじめず、
毎日休み時間になると、図書室へ通う日々を送っていました。
そんなある日、たまたま入口の新刊スペースに立ち寄ると、
とある一冊の本に呼ばれているような感覚に陥りました。
その本は、「妖怪アパートの幽雅な日常」
最近ではコミック化や、アニメ化されていますね。
僕はこの本を読んで、後頭部を殴られたような衝撃を受けました。
高校に入学したばかりの高校生が主人公の物語
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中学生の時に両親が交通事故で亡くなり、伯父夫婦の家で生活をしていた主人公。
学生寮つきの高校に進学が決まり、喜んでいた矢先、入居予定の学生寮が火事で全焼してしまう。
そんな時、不思議な声に導かれ、とある不動産屋にはいる主人公。
そこで、格安なアパートを紹介され、「伯父夫婦の家から出れるのなら」とアパートに入居をします。
しかし、そのアパートはただのアパートではなく、人間と妖怪、幽霊が暮らす「妖怪アパート」だったのです。
黒坊主の大家さん、手首だけの姿の幽霊 るり子さん、玄関で「いらっしゃい」と「おかえりなさい」を言うだけの幽霊 華子さん
と、まぁ見るからに・・・読むからにユーモア溢れる妖怪、幽霊から
画家や、詩人、古本屋に骨董屋、さらには霊能者という、これまた妖怪、幽霊に負けないキャラクターをもつの人間勢。
主人公は、入居してすぐは戸惑っていたものの、住人たちと時間を共にしていくうちに、居心地の良さを感じるようになっていく・・・。
そんなとき、学生寮が再建され、主人公はアパートを出て学生寮へ移ることに。
念願だったはずの学生寮での生活はというと、人に対して無関心な寮生同士の関係に
「息が詰まる」
そんな感覚を覚えるように。
しかし、これがいわゆる、「普通の生活」
はたしてこれで良いのだろうか。
主人公は疑問に思いクラスメイトにもやもやを話てみるのだが、それも上手く伝わらず、、、
ある日、偶然妖怪アパートの住人と再会。
そこで、アパートを出てからのいろいろを話します。
その住人は妖怪なのに人間に化けて、人間生活を送る「佐藤さん」
やはり、人間よりも長生きしている「佐藤さん」は言うことが違う。
そうやっていろいろな人に会い、自分自身の考えを深め
妖怪アパートに戻ることを決めた主人公。
その後の生活は・・・。
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と、長々と書いてしいましたが、簡単にまとめると、人間と妖怪、幽霊が共に暮らす妖怪アパートに住むことになった高校生の話です。
この本を読んでいると、自分が本の中に入りこんで、ともに生活をして、
会話を実際にきいて、映像を見ているような感覚になります。
某魔法使いの映画に日記の中に入り、当時の情景を見る描写がありますが、あれに近い感覚です。
そして、当時小学生だった自分には、この本の中の人物たちの会話がすべて
「自分の中にはない新しい考え方」
でした。
「普通の生活とは」「価値観とは」・・・
もうすべてが自分にとっては刺激的で、読むたび、後頭部を殴られたような衝撃を受けていました。
毎日頭の中がキラキラしていた記憶があります。(実際に殴られてはいません、たぶん。)
そして、このシリーズの中で最も心に残っているのは、
「人生は長く、世界は果てしなく広い。肩の力を抜いていこう」
アパートの住人が主人公に対して放ったこの言葉です。
当時、あまり上手くいっていなかった学校生活、毎日学校に行くのが嫌で仕方なかったのですが、
この言葉をきいて・・・いや、読んで、
世界はここだけじゃないんだなと、これが自分の全てではないんだなと、
一気に視界が開けた感覚は今でも覚えています。
そこからの毎日は図書室通いは変わりませんでしたが、世界がカラフルになり、色がつくようになりました。
今の自分はかなりこの本の影響を受けていると思います。
良くも悪くも。
ただ、それについては、唯一自分が胸を張って言えることでもあるので、良いのかなと。
そんな一冊の紹介でした。
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