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鎌倉の入口感

 

こんにちは!『クルトンカマクラ』の編集長の白い犬です。この夏の暑さ、殺犬的でしたよね。ボクたち犬はゴージャスな毛皮を着ているからすごくシンドいんです。なので、さっさと美容院に行って、究極の5ミリカットをしたのですが、それでも暑かった…。ところでボク、フワフワな毛を短くすると、お耳がピョンっと立っているせいかウサギによく間違われるんです(子ヤギだという人も・・・)。そんなに似ているかな。それでは、秋風が吹いてきて生気が戻って来たので、2回目の投稿にいってみたいと思います。

■この街には入り口がある
鎌倉の良さって何だろう。

ボクなりにちょっと考えてみました。きっといろいろあるんだろうけれど、“入口がある”というところは他にない良さの一つではではないでしょうか。もちろん、どんな街や町、村、集落、地域にも入口はあるものですが、ここ鎌倉の入口は「入口感」がハンパないんです(もちろんバリバリ個人的な印象ですけど)。

鎌倉には、この街を象徴するような入口がいくつか点在しています。これから、少しずつ紹介していけたらと思ってますのでので、お楽しみに。

それでは!「鎌倉の入口」シリーズの記念すべき第1弾は、「海にジャンプしそうな入口」です。お察しのとおり、ボクが勝手に付けた名前です。

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見えますか?トンネルの先の左手に小さく見える鎌倉市の標識。まさにこのトンネルが逗子市との境。鎌倉への入口です。どうですか、この「入口感」。 “入口らしい入口”だと思いませんか。

鎌倉といえば古都として知られていますが、この街は美しい海に面しています。海の風景がある古都。それが鎌倉なのです。その入口としてボクが一番気に入っているのは、この海岸沿いの入口です。

車で逗子から国道134号線を逗子湾に沿って鎌倉方面に走っていくと、途中にトンネルが二つあります。一つ目のトンネルを抜け、下り坂となる二つ目のトンネルに入り、気持ちよくスピードにのって、そろそろ出口というときに「あっ!」となるポイントがあります。それが上の写真の景色です。

海に吸い込まれていくーーーーーー!

海が見えるトンネルの出口。まさに「海にジャンプしそうな入口」(略して“海ジャンの入口”)。トンネルを出るとすぐに右へとカーブするので、出口の向こうは海しか見えないような感じになり、海にジャンプするような錯覚を覚えます。

「わわわーーーーん!」(ヤッホーーーーー!)と叫びながらトンネルの出口から飛び出しカーブを抜けていくと、横の路肩には「鎌倉市」と書かれた標識があり、鎌倉の街へと突入となります。


■このトンネルの中で何かが変わる
実はボクは、こう見えて、ちょっとした持病がありまして、名医のいる葉山の動物病院に定期的に通っています。いつも、アドリアブルーという海色をした愛車に乗って行きます。こんな感じです。

※窓から顔を出しているボクですが、下半身は編集部員によってしっかりと固定されていますのでご安心を。(でも、よい子のワンコはマネしないでね!)

そして、病院の帰りは、必ず“海ジャンの入口”を通ります。葉山から逗子湾沿いを快調に車を走らせ、緩やかな坂を上りながら二つ目のトンネルに入りる頃にはワクワクも絶頂です。そして、トンネル内の傾斜を滑らかに下って、かまぼこ型に切り取られた材木座海岸が見えてきたら、海へワワンワーーーーン!(ジャーーーーンプ!!)

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ぜひ、みなさんもこの入口を通ってみてください。この入口を通る際はできれば車かバイク、自転車などがおすすめです。風を感じてもらいたいから。逗子と鎌倉の空気感って違うんですよね。不思議なのですが。

逗子の海沿いのドライブは本当に爽やで清々しいのですが、トンネルに入ったあたりから何かが微妙に変わるんです。何というか、少し空気が重くなるというか、色のトーンが水気を帯びるというか。どこか妖しくもあり、厳かでもあり。これはもう感覚的なことなので個人差ありありですが、ボクはそこも含めてやっぱり鎌倉が好きです。

話は変わりますが、ボクたちが東京から鎌倉に移住してきたのは5年ほど前です。東京でも楽しく暮らしてはいたのですが、心のどこかで「自然の中で暮らしたい」という想いがいつもありました。

そんな想いの貯金が知らぬ間に満期を迎えまして。あるタイミングから家探しモードに入り、鎌倉・逗子・葉山あたりをまわることになりました。すると、ビックリするぐらいスムーズにボクたちの条件にぴったり合うステキな家が鎌倉の山の上で見つかりました。この家に出会ったとき、もう完全に「この地に呼ばれた!」という感じでした。

山の暮らしは想像以上に素晴らしく、ボクは心の底から移住して良かったと思いました。そして、山暮らし始めてしばらくしてから、ふと実感したのです。

「山もいいけど、海もいい!」って。


■海の波が中から光った
海の思い出を一つだけ紹介させてください。

ボクの家から60歩(人間なら30歩)ぐらいのところに海が見えるステキなポイントがあります。あれはいつだったでしょうか。夕暮れ頃にぼんやりと海を見ていたら海面が青白く光っているではないですか! これはただごとではないと思って車に飛び乗り大急ぎで海に向かいました。車を止めて海岸に行くと、青い光を求めて集まってきた地元の人たちがたくさんいました。

波が光ってるーーーーー!!

焦る気持ちを落ち着かせながら、浜辺におりると目の前には美しい光景が! 青く光る波はまるで海のオーロラのようでとても幻想的でした。波が浜の近くでせりあがり、打ち付けるときにバーっと青く一列に光り輝く。じつに神秘的な光景でした。で、青い光の正体ですが、大量発生したプランクトンの一種である夜光虫が波の刺激で発光したものだとか。小さな小さなプランクトンの仕業なんてビックリです。やっぱり自然ってすごい。

残念ながらその時写真は見つからなかったけれど(確かに撮ったんだけどなぁ)、あの美しい海は一生忘れない。そのとき、「海のある街で暮らしているんだなぁ」と体で感じたのでした。そんな日々が重なっていったからこそ“海ジャンの入口”が一番好きなのかもしれませんね。

山あり、海あり、寺あり、神社あり、そして入口がある鎌倉の良さをさらに伝えてまいりますよー。

それでは、いつか、海で会いましょう。じゃーんぷ!

でも、ここだけの話ですが、正直なところボクは海が苦手です。波のサブーンっていう大きな音がちょっと…ね(耳が大きいからでしょうか)。だから、砂浜におりても、海から一番遠い、砂浜の端を歩くようにしています。みんなは「せっかく海にきたんだから波打ち際を歩かせようとするんだけど、迷惑でしかない。鎌倉の海で一番端を歩いている不思議な白い犬がいたら、それはボクに違いありません。

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■カマクラの空気感
冒頭で鎌倉には入口が何ヶ所か点在すると書きましたが、歴史的には(←なんか知的な感じ)七つの入口があります。そう、ご存じのとおり「鎌倉七口」の「切通し」(きりとおし)です。みなもとのよりとも先輩(あっ、勝手にこう呼んでいます)は、幕府を置いた鎌倉を守りながらも、人や物の出入りなどを管理するために山などを切り開いて造った道がこの「切通し」になるとか。

南は海に、北東西は山に囲まれいるから敵の侵入も防ぎやすい。もともとあった山など鎌倉の地形を最大限利用しているから、見た目も風情があって実にいいんです。

そんな風情たっぷりなこの街で暮らしていると、近頃、その感じが体に染みついてきている気がします。鎌倉的な空気をまとうというか。お散歩中なんかでも犬同士で挨拶したときとか、「あ、こいつよそ者だな」と思ったりして・・・。「なんだかカマクラナショナリズムみたいでよくないよ」と言われることもあるけれど、カマクラの空気感・・・・ジトッとした湿気というか、重さというか、あか抜けない感じというか。そういうのは住んでいる者(犬)でないと分からないものなんですよ。

でも先日、衝撃の事実がわかりました。今住んでいる家は、切り通しそばにありますが、カマクラオールドキャピタルから見ればカマクラの外になるとか。えっ、それってボクは鎌倉の犬じゃないってこと? そっ、そうですか…。それは失礼いたしました。ばつが悪いので今回はこのへんで…。
チャオ!


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