建築家・谷口吉生さんの建築〜葛西臨海水族園〜
谷口吉生さんの代表する建築作品と言えば、東京都江戸川区にある葛西臨海水族園を挙げる方も多くいると思います。
東京都で生まれ育った人であれば、子供の頃に親と一緒に行ったり、小学校の社会科見学で行ったこともあるくらい有名です。
デートスポットや家族で行く際にも、おすすめの場所です。
谷口吉生ファンの私からしても、葛西臨海水族園は最高傑作のように感じます!
あらゆるところに谷口吉生さんの設計手法が盛り込まれているからです!!
ここではそんな葛西臨海水族園の素晴らしさについて紹介していきます。
▪️ガラスのアトリウム
葛西臨海水族園は空から見ると公園に埋もれているように建っているため、全貌は見えません。
目印となるのはガラスのアトリウムです。
このアトリウムを目指してみんな水族園に向かうわけです。
目立つのですぐ見つかりますし、だんだん近づいてくると気持ちがたかぶります笑
▪️煙突効果で換気を促す
頂上部分にはガラス窓が一部空くようになっています。
煙突効果で自然換気を促しているんですね!
アトリウム前で、ふと海側を見ると水盤があります。この水盤には水を溜めるための縁が見えないようになっています。
その理由とは、遠くに見える海と連続して見えるよう、こうしたのがわかります。
少し見える白い帆も、海に浮かぶヨットのように見えます!
海の上にいるような擬似体験ができるようになっているんですね。
私はこの光景を見たとき、感動して体に電流が走ったのを覚えています笑
▪️いざ海の中?へ
水族園に入るには、ガラスのアトリウムの下にあるエスカレーターを降りて行きます。
先程の水盤があるおかげで、これからまるで海の中へ潜っていくかのような擬似体験ができます。
なんて粋な演出をされるんだ、谷口さんは!!
ぶくぶくと海の中へ潜っていく擬似体験をすると、最初に目に映るのは巨大な水槽。
そこではイワシの大群やサメが優雅に泳いでいました。
ウミノナカニハイッタカノヨウダ。
終始感動しっ放しです笑
▪️流動的で立体的な展示空間
魚達が見学できる展示空間を一通り体験しましたが、中でも印象的なのはやはりマグロが泳いでいる巨大な水槽でした。
魚にはあまり興味がない私ですが、マグロの泳ぐ姿を見るとインパクトを受けました。
マグロはホントに筋肉質なボディで、まるでボディビルダーが全力で泳いでいるようです。
何よりもマグロの泳いでいるこの水槽、ホントに頑丈にできています。
とても天井が高く円型に湾曲しているので、ガラスにかかる水圧はとてつもないでしょう。
ちなみに、水槽のガラスの厚みは30センチ程度あるそうです。。
▪️内部から外部へ
内部を歩いていると、途中外部に出ます。
ここでは海の浅瀬などに生息する生き物が見られます。
この空間で水槽のガラスの厚みが理解できます。ホントに分厚いですね。。
天井には開口が設けられていて、そこから柔らかな光が降り注いでいるのがわかります。
ここは谷口吉生さんの建築らしさが確認できます。
先を進むと、そこに現れるのはペンギン達の展示空間です。
全てを内部で納めるのではなく、一部外部に展示空間を作り出すあたりが素敵な演出です。
▪️あえて裏側を見せる
ペンギンを見た後は再び内部へ進みます。
ここでも谷口吉生さんの素敵な演出が見られます。
それは、水族園の裏側をあえて見せているところです。
ここでは水槽の上部に行くことができる階段が設けられています。
通路はキャットウォークのようなスペースになっていて、ここからは水槽の上部、つまりは水族園の裏側を見学することができます。
「裏側なんて見せて、何の意味があるのか?」
いや、あると思います。これを見せることで、水族園で働く人達の立場になって見学することができる。
つまりは相手の立場になって物事を考えることができる。
社会人にとっては最も貴重な力の一つです。
そんな力をここで育むことができるなんて、素晴らしいではありませんか!
▪️最後は模型を見て帰りましょう
展示空間を一通り歩いて、いよいよフィナーレを迎えます。
最後に出迎えるのは水盤に隣接したレストランとミュージアムショップです。
ちょうどその中間に葛西臨海水族園のミニチュア模型があります。
ここで今まで自分達が通ってきた空間を確認することができるんです。
建築好きな人なら是非ともじっくり見て建築の力を養いましょう。
以上で紹介は終わりますが、この建築には素晴らしいところが他にもたくさんあります。
谷口吉生さんの建築のアイディアが徹底的に盛り込まれた作品でもあります。
建築の力を養いたい方は絶対訪れてみて下さい。
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