建築家・谷口吉生さんの建築〜加賀片山津温泉総湯〜
ガラスパネルに映るのは目の前に広がる青い空、白い雲。
目の前に広がる自然を映し出す鏡のような美しさ。
▪️明快な建築構成手法
この建築は2枚のガラスの壁をずらして配置し、その間に空間をつくっています。
この建築手法は、香川県にある東山魁夷せとうち美術館と同じつくりかたをしています。
↑東山魁夷せとうち美術館
作りを見てみると、ずらされた2枚のガラスの壁の先端部分に温泉の空間を配置しているんですね。
一つは目の前に広がる潟に向かって開かれた温泉空間。
もう一つは人工的に森をつくり出してそこに向けて開かれた温泉空間。
日によって温泉空間が男湯・女湯と入れ替わるようになっていて、よく考えられているなー♪と感じます。
私がこの建築をジロジロみていると、「あなたはこの建築に詳しいんですか?」と知らないおじいさんに声をかけられました。
するとその方に、
「この建物は脱衣所が狭いんだよね。もう少し広くして欲しかったんだ。」
「木を植えるのもわかるけど、毎回水面を見ながら風呂に入りたかったんだよな。」
…なるほど、貴重な意見をもらいました。。
この意見は私が建築を設計する時の貴重な意見として取っておこうと思います。。。
本当にこの建築は周囲と一体化しているのがよくわかります。
空からこの建築を撮影した写真を見ると、まるで最初からこの土地に埋まっていたかのようにも思えます。
この建築の素晴らしいところは、美しいだけでなく、気軽に立ち寄ることができるところです。
観光に来た人もふらっと立ち寄り、温泉に入ったりカフェで飲食できるところがいいですね。
近づきやすい身近な計画とすることも建築には大事なので、私も参考にしたいと思います。
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