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建築マニアの旅行記〜石川・富山・長野を旅する〜

石川・富山・長野と言えばウィンタースポーツや温泉・歴史的名所を思い浮かべる人が多いと思います。

そしてこの3県には名建築も多いんです。

今回私は石川・富山・長野を旅してみました。

ちなみにこの旅で目的とした建築は、

・谷口吉郎・吉生金沢記念建築館
・石川県立図書館
・富山新聞高岡会館
・長野県立美術館

の4箇所です。

私の経験上の話ですが、1日に2箇所巡るのがちょうどいいと感じています笑

3箇所以上はせわしなくて疲れますし、1箇所だともの足りない。

ということで2箇所にしています。

新幹線「はくたか」で金沢へ!

はくたかに乗り東京から金沢へ向かいます。北陸新幹線がつながったおかげで本当に便利になりました。

北陸新幹線がつながる前は、東京から米原まで行って金沢へ向かったり、名古屋から金沢へ向かったりと、かなり大変でした。

その頃が懐かしいですね。

◇谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館

金沢に到着し、最初に向かったのは谷口吉郎・吉生記念金沢建築館です。

谷口吉生さんの建築作品に心底惚れている私からしたら楽しみで仕方がありません。

色々な幾何学体を組み合わせたスタイリッシュな外観

谷口吉生さんは葛西臨海水族園や京都国立博物館・平成知新館、東京国立博物館・法隆寺宝物館など、現代日本を代表する名建築を設計した建築家です。

そして谷口吉郎さんは吉生さんのお父さんで、谷口さんは親子で建築家なんです。

金沢にある市立玉川図書館は、谷口さん親子が共同で設計した建築作品でもあります。

金沢市立玉川図書館

場所は翠川沿いにあるので金沢駅からは少し歩きますが、その距離が気持ちをたかぶらせてくれます笑

記念館の敷地を見たときに、谷口吉生さんの建築を建てる敷地条件としてはかなり厳しめの敷地のように感じました。

とにかく建物裏側の高低差がすごいです。。

擁壁で抑えて外部階段を設けることで裏側からも入ることができるようになっています。

翠川側から見た記念館
外部階段があるのでこちらから上がることもできます

谷口吉生さんの建築は都市計画や動線についても徹底的に考え抜かれているところがとても勉強になります。

入口の庇をくぐり中へ入ると吹抜けたホールがあり、受付すぐ横にはミュージアムショップがあります。

ミュージアムショップにはここでしか買えない商品も多数並んでいます。

一個だけ残念だったのはカフェがなくなっていたことでした。。

この美術館は立体的な空間構成で、受付横の開口奥にあるホールが美術館全体を立体的につないでくれています。

この記念館では下階に行くと企画展示を行っています。私が伺ったときは葛西臨海水族園と広島市環境局中工場の大きな模型が展示されていました。

当時の図面も閲覧でき、そのすごさに驚きました。

めちゃくちゃ詳細な納まりまで図面で書かれています!

美しさの理由はこの図面の濃密さなんですね!

2階にいくと、吉郎氏が設計した「游心亭」の広間と茶室を再現した空間を体験することができます。

中では吉郎氏の建築を、窓の外では吉生さんの設計した水盤を眺めることができます。

ここは是非とも海外の人に見てもらいたい作品です!日本の文化を代表する建築デザインが見られるのですから!

◇続いて石川県立図書館へ

のどかな翠川沿いをしばらく歩き続けます。私は金沢建築館から歩いて向かったことを後悔しました笑

石川県立図書館は金沢駅から車で向かうことをおすすめします笑

私はこの図書館が計画されているときから楽しみで今回ようやく訪れることができました。

視界の抜けるのどかな場所に建っていて、建物の周りには素敵な庭が広がっています。

外観はまるで本のページがめくれたような姿をしています。

誘われるように中へ入っていくと目の前にはピアノが置いてあるロビーがあります。

ロビーを歩いていき、奥へ向かうと絶景の空間が現れます。

まるで劇場に入ったときのような感覚。

ここはまるで本のオーケストラ。

以前訪問した秋田県の図書館よりもさらにスケールアップしています。

中嶋記念図書館

若い人が多く、みんな自分の居場所を探して勉強したり読書しています。

立体的でダイナミックな図書館でした。

この図書館を訪れた人は今まで体験したことのないダイナミックな体験ができたと思います。

◇金沢には現代名建築がいっぱい

今回は訪れませんでしたが、金沢には名建築がたくさんあります。

今回は見られなかった21世紀美術館や鈴木大拙記念館、海みらい図書館など盛りだくさん。

鈴木大拙記念館
21世紀美術館

現代建築以外にも近代や過去の歴史的街並みも豊富で、日本でも独特の雰囲気をもつ金沢の虜になりました。

◇続いて富山県へ

私が向かったのは富山県高岡市。

富山県は隣の県なので電車でいくことにしました。

高岡市内のビジネスホテルを予約していたのでそこで休憩します。

高岡市には富山新聞高岡会館という名建築があったので、そこに宿を取り明日に備えることにします。

◇不思議な雲

チェックアウトしホテルを出ると、空には珍しいのろし雲が出ていたのを覚えています。

珍しいのろし雲

地震雲なんて言葉がありますが、実現しなければいいのですが。。。

富山新聞高岡会館へ!

富山新聞高岡会館に向かうとなんと、、、休みでした。。

悲しいけど旅には諦めも大事。気持ちを切り替えて外観だけでも楽しんで帰ろうと外観を組まなく研究させて頂きました。

ということで長野駅に向かうことにします。

地図で見てみると高岡駅と新高岡駅はとても近い距離にあることが判明したので、歩くことにしました。※歩いて30分くらいで到着

新高岡駅は新幹線の通る駅なので、新しさが漂う駅です。

駅近くにあるネマルカフェというカフェで休憩しながら新幹線を待つことにします。

◇富山駅にも名建築が盛りだくさん

今回は訪問出来なかったのですが、富山駅には現代の名建築があります。

内藤廣さんの富山県立美術館やガラス美術館・図書館など圧倒されました。

富山県立美術館
ガラス美術館・図書館

降り立ってみて気づいたのは路面電車が走っていることでした。

そういえば一級建築士の学科試験でも都市計画の問題で出てきたような。。

そして富山県はとても山が美しい。美しい光景に胸を打たれてしまいました。

◇新高岡から長野駅へ!

巨大な庇が印象的な長野駅善光寺口

新幹線に乗り、長野駅に到着します。長野駅善光寺口は規則正しく巨大な柱が建っていて、大庇を支えています。

庇の下の空間は長野駅と街をつなぐ中間領域となっていて日本的な空間になっています。

私が訪れたときは街中がお祭り騒ぎで、長野駅から善光寺へ向かう大通りではなにやらパフォーマンスをしています。

ちょうど書道のパフォーマンスをしていておおにぎわいでした。

しかし写真を撮り忘れてしまったので載せることはできません。建築しか興味が無い人間は建築しか写真に撮らないのでこういうとき困ります。。

◇待望の長野県立美術館

長野県立美術館

長野県立美術館は今回の旅で一番見たかった建築でした。

美しい外観が印象的な建築で、まさに長野県を代表する名建築です。

美術館の周りには善光寺をはじめ谷口吉生さんが設計した東山魁夷館が存在する場所でして、しかも東山魁夷館とつなげる計画なので、建築家としてはプレッシャーの強い敷地でもあります笑

このような敷地では変な建物は建てられません。

でも長野県立美術館はそんなプレッシャーを吹き飛ばすほどの美しい建築でした。

人々が行き交う立体的な空間構成は見ているだけで圧倒されます。

色々な動線が混じり合い、早く上へと行きたくなります!

既存の東山魁夷館とはブリッジでつなぐというダイナミックな提案にワクワクが止まらない!

このブリッジの足元からは定期的に霧が発生するので、面白いイベントとして盛り上がっています。

ブリッジの下の水盤

◇思わぬアクシデント

長野県立美術館にいたときのこと、思わぬアクシデントが襲います。

静かな展示空間に突如鳴り響くスマホのアラーム音。

あせる自分をなだめながら待機していると突如大きな揺れが襲ってきます。

震源地は石川県で最大震度6強とかなりの大きさでした。

私のいた長野でも震度は4だったので、かなり揺れたのを覚えています。

◇帰りの新幹線は若干の遅れ

新幹線は若干の遅れが出ましたが、30分程度だったので、無事に戻ることができました。

改めて地震の恐ろしさを実感した瞬間でした。

旅は色々な問題が付きものです。

道を間違えたり、たどり着けなかったり、休みだったりすることもあります。

でもそれを失敗と思わず、縁だと思うことで案外楽しめるものです。

休みだったら切り替えて知らない街をぶらぶらするのも案外楽しいものです。

人生は旅のようなもの。是非とも旅を楽しんでください!

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