マガジンのカバー画像

エッセイ

30
運営しているクリエイター

#日記

人生をエクセルにまとめてみた

ゴールデンウィークを機に、自分の人生を振り返ってみようと決めた。きっかけは、ある漫画を読んで感銘を受けたからだ。 そして結果として、何かを積み重ねることの難しさ、周りの人への関心を高めることの大切さを実感した。この記事にはそこに至るまでのプロセスが書かれています。 きっかけは、GW中に読んだ『しあわせアフロ田中』の34話、「はたして80枚もあるのか?」という話を読んだことだ。 ざっくりとしたあらすじは、一年をチケット1枚、余命が仮に80歳まであるとして、あと何枚チケット

2月24日

毎週土曜日に、クロスバイクで多摩川沿いを走るのが趣味だ。川の流れを見ながら、羽田方面に走り、ゴールである神社を目指す。 川沿いの土手では、たくさんの人が思い思いの時間を過ごしている。少年野球の野球の風景は、そんなに怒鳴らなくたっていいのではないかと言うくらい、大人が声を出して指導している。高校生くらいの野球チームの練習は、とにかくストイックに練習に取り組んでいるのに対し、その隣の社会人野球は、どこか楽しそうに試合をしている。 子供向けのサッカー教室の指導者は、見た目が若い

ムダ毛と一緒に全部を水に流そうじゃないか

「ああ、やっちまった…」 深夜、自宅の鏡の前でひとり立ち尽くした。もう後戻りできない。でもこの日、あることを手放すことで、日々に微かな希望を感じた気がした。 話は2日前に戻る。 仕事の繁忙期につき、どうしようもなく忙しい毎日を過ごしていた。PRの代理店で働いていた私は、毎日深夜に家に帰っていた。業務が忙しいあまり、疲労が元であり得ないミスをしてしまう。そうした失敗は雪だるまのように積もる一方で、仕事の自信はどんどん溶けていく。どうしよう。本当に追い詰められていた。 ス

人生を変えた「鉄の棒」

「今までの人生の中で一番のターニングポイントとなった出来事はなんですか?」 ともしも誰かに聞かれたら、私は迷わず、 「鉄棒です」 と答える。 ===== 小学1年生のある日、体育の授業で鉄棒をすることとなった。横一列に並ぶ鉄棒を前に生徒が並ぶ。順番に、「つばめ」という技から練習に入る。鉄棒を両手で持って、自分の体を持ち上げ、上体をやや前傾に保ち、まるで燕が飛んでいるかのような格好をすることだ。 私はつばめに関しては難なくクリアすることができた。そのあと先生が「次は前

つながる道、つながる街、つながる私

緊急事態宣言下になってからのもっぱらの趣味は、歩くことだ。 家から駅までの道を、歩く。駅から会社までの道を、歩く。通勤の駅から一駅分離れた駅まで、歩く。正直ちょっと疲れたりもする。けれど、不思議と心地よい気持ちになる。 歩く時間を確保するために、少し早い時間に起きる。7時台の街並みは、車通りも少なく、少し静かだ。朝日が徐々に上がっていくのを、体の表面で浴びる日の角度で文字通り体感していく。少し汗をかくと気持ちがいい。足は疲れているはずなのに、なぜか軽く感じてくる。 歩く

「怖い」という感情に対する処方箋

怖い。 と漠然に感じる時がある。水槽の中で快適に泳いでいたのに、いきなり砂の上に打ち上げられるような。じわじわとゆっくり水分が減りながら露頭に迷うような感覚。 最近だと、4月に入ってきた新卒の自己紹介を聞いた時に感じた。 学生時代のきらきらした経験を自信満々に語りつつ、初々しく緊張しながら話す姿が、とても儚くきれいに見えた。 周りの社員は、自分の昔の姿を重ねながら、これから増える仲間への期待を胸に、熱心に一人ひとりの自己紹介を聞いていた。 その脇で私は、怖いという気

経験という名の物差し #自分にとって大切なこと

大学受験の合否が発表される時期になると、塾の講師をしていた時のことを思い出す。 学生時代にアルバイトをしていた塾は「できない」を「できる」ようにするがコンセプトの塾だった。入塾者の多くは、勉強が苦手と思っている学生が多く在籍していた。 塾の講師を始めてから、先輩にカリキュラムの作り方を学び、学習計画を作成する。作成した計画をもとに、親と本人と面談し、勉強のスケジュールを一緒に立てていく。 だが、計画を立てるところまではうまくいくのだが、実行になると話が変わってくる。宿題

国道1号線で心を燃やせ

「俺はいま何をやっているんだろう…」 1月の大寒少し手前の真冬の夜、ざあざあと降り注ぐ雨の中、一人国道1号線に立ち尽くす。傘はない。もう後戻りもできない。なぜこんな寒い中、この場所にいるのだろうか。もう何もわからなかった。 ***** 「面接のトークとして、『心が燃えた』経験があると面白いよ。やっぱり自分が心からめちゃくちゃ頑張った!ってエピソードが一つあると強いよ」 2週間後に、どうしてもいきたかった国際交流プログラムの面接がある。その面接のアドバイスを、すでに参加

立ち止まり、振り返ること-瞬間の価値観たちと向き合う- #自分にとって大切なこと

 昔から気が向いた時に日記を書いている。正直にいうと毎日ではないので「日記」という言葉が正しいか自信はないが、もう10年くらい日記を書き溜めている。 うちに秘めた、内面の事情をたくさん書いているので、本音を言うと人に見られたくない。けれど、さらに本音を言うと「そんな自分を知ってほしい」という気持ちもある。この気持ち同士が対立し、どうやって日記を書こうか葛藤したのを今でも覚えている。 最終的にブログに書くのは気が引けると思い、悩んだ末の妥協点としてmixiに今でも日記を書い

「やってみよう症候群」を通じて気づいたこと

私には発作的に行ってしまう行動がある。 それが、「やってみよう症候群」だ。 きっかけは、忘れもしない2017年のお正月。auの三太郎シリーズのCMだ。 WANIMAの「やってみよう」という曲に合わせ、三太郎たちがいろんなことに挑戦するCM。私はこれを初めてみた瞬間から、めちゃくちゃ感化された。やりたかったことやってみよう。このシンプルなメッセージに心を打たれた。 私は「やってみなければわからない」という言葉が大好きだ。根拠はないが文字通り、何事もやってみなければわから

父とバスケと私 #Bリーグオールスター

「チケットを買ったから、バスケの試合を観に行こう」 3〜4年くらい前だっただろうか。正月休みに実家に帰った時に、突然父に誘われた。どうやら、地元である横浜のチーム、「ビーコルセアーズ」の試合のチケットを2枚「買った」らしい。 父は昔から不器用である。性格は真面目。責任感があり、物静か。いい意味でハイコンテクストなコミュニケーションが得意なのだが、悪い意味で言葉が足らない。物事の過程を話さないタイプの父に育てられたおかげで、人が本当に言いたいことを想像するスキルを鍛えられた

「RANGE(レンジ) 知識の『幅』が最強の武器になる」とかいろんな本読んだ正月

年末年始の休みも終わり、今日から仕事始め。12月25日が2020年最終の出社だったため、大体10日間くらいの休みだったけれど、まったり休んだ結果、すっかり休みボケな感じで出社し、時間内に仕事が終わらずしっかり残業しました。 けど1日会社にいたら不思議なもので仕事の感覚を取り戻すもの。打ち合わせが続いたことも功を奏し、人とビジネスの話をする感覚を取り戻しました。我ながら、今日はちゃんと朝起きて仕事に行ったことだけでも偉いと思う。 さて、唐突ですがタイトルどおり正月に読んだ本

「大学生のボランティア」を経て思ったこと -フィリピンのスラム街にて-

「出逢いは新たな価値を生む」 フィリピンに行った経験から、この言葉を信じるようになった。 大学2年生の時に、いわゆる「貧困解決系」の学生団体に入ったことがある。貧困という大きすぎる課題に対して自分に何ができるのかが知りたかったため、「現地のニーズに基づいた支援」を掲げた、フィリピンのスラム街の支援を行う学生団体に入った。 それからというもの、学生の仲間たちと、まだ見ぬフィリピンのスラム街の「貧困」について話し合った。金銭的な問題で衛生面が整っていないのではないか。生涯年収

見えない価値観に肌で触れるとき -アメリカホームステイ紀行-

大学で英語学を専攻していた私にとって、英語が主流のアメリカに行くことは憧れであった。ただ、お金がない。でも、どうしても行きたい。そんな堂々巡りの悩みを抱えていたとき、たまたま1ヶ月間アメリカでホームステイができるプログラムを見つけた。しかも、安い。迷わず申し込んだ。 そのプログラムは、キリスト教の学習を前提としたプログラムであった。英語の勉強は大学ではなく教会の一室を借りて勉強し、聖書を読む時間が設けられていた。まあこれも経験だろうと、迷わず応募した。 私は「宗教」とは無