レゲー⑥「シャドウハーツⅡをやってないとかホントに本気で勿体ない。」
「漢祭り…そう!漢祭りィィッッ!!!!」(千葉繁御大の裏声で)
ゲーム自体はやった事なくても、パチスロで知ってたり上記の漢祭りだけは知っちゃった人がいるせいで、一部で有名なPS2の隠れた名(迷?)作。
2004年にアルゼという会社から発売されたゲームですが、このアルゼさんは元々パチスロ機メーカーさんだったりするので、後年のパチスロ展開もある意味当然なんですが…いやでもパチスロにする程知名度高かったっけ…?
個人的にはメチャ好きですけど世間一般的には…どうなんだろう…?
ゲームシステム自体もスロット、というか目押しが重要なポイントで、戦闘からイベントの判定、店での割引交渉時と、いたる所で時計盤状のリングを高速で回る針を規定ポイントで止める「ジャッジメントリング」の目押しを要求されます。はい面倒とか言わない。
ゲームのジャンルとしては、正統派RPG。
大事な事なので重ねてもう一度言いますが、正統派RPGです。多分。
前作「シャドウハーツ」の分岐エンディングの、バッドエンド側の後日談というちょっと変わったところから始まる物語。
自分にとって最も大切な人を守れなかったどころか自身が守られ、その結果その人を失ってしまった事に絶望し、何となくただ生きている…という状態の主人公、「ウル」。
物語はこの「ウル」を中心に、彼と彼の周りに集まった新たな仲間達が紆余曲折を経て、その中で世界の存亡を賭けた大きな戦いに身を投じる…的な、話だけでいったらメチャメチャ硬派・シリアスな正統派路線なんですが。
何というか、主人公の「ウル」に始まり、その愉快な仲間達から敵キャラ、NPCにいたるまで、総じてちょっとこう…クセが強いんですよネ!?💦
序盤から仲間になる白オオカミとか、狼なので当然しゃべれないんですけどなぜか声優が存在して、声もまさかの池田秀一氏。どう聞いてもシャア。
でもしゃべらないじゃん?とか油断してると、イベントで狼同士のバトルが始まったりして、この時はやたらしゃべりまくるんですよ。狼が。
自分が負けた理由は何なのかと詰め寄る若い狼に一言
「ぼうやだからさ…」
その声でそのセリフはいけない。
というかこの狼絡みのイベントは総じてガ〇ダム他のパロディだらけ。ああ多分このゲーム、マトモじゃないんだな…というのが薄々伝わってきます。
全編通して話自体は相当シリアスな展開をしているはずなのに、キャラ間の会話やイベントシーンがいちいち面白方向へシフトするせいでイマイチ本腰入れてマジメになれないところに、追い打ちをかけるように
個性派メンバーも登場。吸血鬼でレスラーで正義のヒーローで、武器は全部そこらで拾った棒状の物(例:ポスト、大黒柱など)。
もうコイツだけでも相当お腹一杯なんですが、もちろんそんな程度で収まるようなゲームではなく。敵も味方もNPCも、隙さえあれば話の腰を折ってはクチャクチャにしていくので一向に落ち着いてプレイできません…!!
実際序盤とか自分が何やってたのか思い出せなかったり。
何か女王様に折檻されてカミングアウトしかけていた事だけはうっすら…。
いや実際話の筋は大体覚えていて、それも結構マジメな話だったのは間違いないはずなんですが…不真面目が濃すぎてそっちばかりが記憶に…!!
でも先程から何度も言っておりますが、ストーリーは本当に真剣そのもの、実は物凄くド熱く、恰好良く、そして泣ける物語なんです。
ゲームも後半戦に入ってくると、いよいよ話も真剣に進むようになってくるワケですが、もうここからグイグイ引き込まれるんですよ!!
声優さんの熱演がまたいちいち光りまくってですね、特に主人公の「ウル」役の高橋広樹さん(最近ではストⅣ以降の「リュウ」の声ですネ)。
自分の理想を叶えるために、数多の兵士を戦場に送って大勢の犠牲を出した国の高官を問い詰めるシーンで、その高官の孫が出てくるんです。
その時、高官が必死でウルに「この子の命だけは」的な事言うんですよね。それに対して
「ガキの命乞いなんかするなっ!!」
って一喝した後に、お前が送り込んだ兵士が殺していった人達だって、その親が必死に命乞いしたはず。でも理不尽に殺されていった。お前達の勝手な野心や理想のために。誰にでも大切な人がいるんだ、お前だけじゃない!!って叫ぶんですけど、コレが物凄く心に響く演技なんですよ。
怒りと、悲しみと、辛さと、我慢していたものが一気に吹き出したような、慟哭っていうんですかね。怒りながら、泣きながら、みたいな。
今までにホントに数多くのゲームをやってきましたけど、こんなに心に迫る演技って多分、後にも先にもなかったんですよね。
このシーンに限らず、高橋さんの演技はもちろん、脇を固める豪華メンバー達の名演が凄すぎて、否が応にもストーリーは盛り上がっていきます…!!
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まあそんな中でも容赦なく「漢祭り」とか開催されたりはするんですけど。
※ 漢祭りとは:個性派メンバー「ヨアヒム」の強化イベント。肉体、精神を極限まで試され、途中で敗れた場合には選手生命はおろか男の尊厳すらをも失う地獄の特訓。なお敵ボスであるヨアヒムの師匠は男色家(多分)であり
「アンタが勝った場合は?」→「バキューンッ!!(銃撃音による伏字)」
「俺達が勝ったら?」→「バキューン!バキューンッ!!(やはり伏字)」
というどちらが勝っても地獄しかない悪夢のイベント。オゥ…イェ…。
最後の方までこんな調子で大丈夫かホントに、と不安になる部分も多いのは事実ですが、大体この頃になるともう慣れます。
マジメと不真面目が同居するからこそのこのゲーム。これでいいんだ…!!
そして物語は超絶ド熱い男同士の友情あり、報われぬ悲しい恋の物語あり、そこからの怒涛の展開と猛烈な勢いで進んでいって…
最後に待つ、予想外のグッドエンディング。
ヒロイン「カレン」が歩む未来と、その先に待つ「幸せ」。
全てが、形を変えて「報われた」瞬間。その意味が分かった時に流れてくる主題歌「月恋花」の歌詞。
泣けます。何度でも泣けます…!!
プレイした人の数が少ないのが本当に悔やまれるくらいの名作なんですが、何せPS2のゲームなので今からプレイするのも難しいんですよネ。
何とかもっと多くの人にこのゲームを知ってもらいたい!と思って書いてはみたものの、実際にクリアして頂かないとこの感動は伝わらない…!!
…SwitchとかPS5とかで、プレイできるようになりませんかネ!!🙏
もちろんお手元にPS2がある方には、ぜひプレイして頂きたいと思います。
自信を持ってオススメ出来る、名作ですヨ!!✨
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