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ベジータ王子のグミ撃ちが有効な画期的な場面を思いついたのだが……忘れた

ある日私はベジータ王子のグミ撃ち戦法がめっちゃ効くシーンを思いついたのだが忘れてしまった。


はじめに ベジータ王子のグミ撃ち戦法とは何か?

ベジータ王子が、相も変わらずエネルギー弾を連続で打ち込んでいる。

見た目は派手だが、一発一発のエネルギーが薄いのか、大抵相手に効いていない。さらに砂埃が舞うせいで敵の行方がわからなくなるのも問題だ。

特にセル戦は酷かった。全然効いてなかった。ザーボン戦くらいしか効果がなかった。

ベジータ王子のグミ撃ち戦法はよくネットで馬鹿にされる。ベジータが偉そうにしていて、強敵相手に焦り始めて撃つのがグミ撃ちだったりするから、ベジータの情けなさの象徴的な振る舞いとしての意味合いもこめられているのだろう。

ベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法を考えたのだが、忘れた

さて私は、この前職場で課長から資料を作るよう言われ、「わかりました!」と明瞭に答えたのち資料を作るための基礎情報のある部屋へ赴かんとしていた。

歩いている時、私はベジータ王子のグミ撃ち戦法がある場面でかなり効果を発揮することを思いついた。

発見だ。これは大発見だ。すごい。ロジックも完璧で、自画自賛しうる内容だった。

ところが、昼飯を食う頃にはそんなことを忘れて、大谷がどれだけ盗塁やホームランをしているのかネットで確認していた。

その結果、ベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法は永遠に忘れ去られてしまった。

夢と現実

皆さんは寝ている時に夢を見るだろうか。夢は睡眠が浅い時に見るのだという。私も朝起きる直前に「夢を見ているなぁ」と感じている。ただし覚醒して朝の支度をし始めると、夢の内容のほとんどを覚えていないことに気が付く。

ベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法はこれに近いものだったのかもしれない。

仕事場で仕事を頼まれた後、私は幾らかの夢を見ていたのだ。夢を見ている最中は確かにそれが真実らしく思われる。ベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法は、そこでは確かに存在した。

ところが仕事や大谷の試合結果など現実のあれこれに触れていると、ベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法は、目覚める前の夢と同じくドライアイスのように消えてしまう。

ところで、夢の内容を覚えているうちに書き記す「夢日記」という行為がある。やりすぎると夢と現実との境目が曖昧になり精神的に不安定になる、と言われる。

このことをベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法について応用すると、次のようなことが起こりうる。すなわち、ベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法をずっと考えると、夢と現実がごっちゃになって、日常生活に支障が出る可能性があるのだ。

実は緊急でこのブログを書いている。さっきベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法について家に帰ってきてからずっと思い出そうと考えていた。

そのうち用事があってコンビニに行ったのだが、実は何を買うか何も考えていなかったのだ。確かに用事があったはずなのにである。確かに家では必要があった。だからわざわざコンビニに来た。しかしコンビニには用事がなかったのだ。用事はあったのかもしれないが、それは夢のような状態で実際には用事はない。

完全にベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法が「夢日記」と同じ効果を私に及ぼしている。

危険を感じた私はベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法を考えるのをやめ、適当なバスソルトと大好きな「もっちりチョコバナナクレープ」を手に取り会計し、足早にコンビニから去ることにした。

帰って「もっちりチョコバナナクレープ」を食べながらこれを書いている。どうも私の混乱は店員にも波及していたようだ。「もっちりチョコバナナクレープ」とバスソルトの他には「高千穂牧場 カフェ・オ・レ」を購入した。店員はなぜかプラのスプーンをビニール袋に入れていた。ベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法がここまで悪影響を及ぼしているのである。

おわりに なぜ、私は書くのか

私はベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法を忘れるためにこれを書いている。実は書くことは忘れることにも有効だ。書き残す、ということは脳味噌の中ではその事柄をもうなげうってもいいことになる。

パソコンの周りに付箋をつけて忘れないようにする、ということを仕事でよくやる。実はこの営為は、付箋に書いてしまえば自分の脳では忘れて良いことになる。

忘れないように書くことで、忘れられる。

長々と書いてきたのだが、ベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法について忘れるためにこれを書いている。私は、ベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法について考えない。危険があるからだ。一体なぜベジータ王子のグミ撃ち戦法の画期的な活用方法について考えないのか。そのことは、note社の提供するこのウェブサービスの一つの投稿記事として如上の通り書いてきた。

書いたことで、忘れられる。

私はそこに何かを書いたことだけ覚えていればいい。

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