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[ジャンク再生]またもやSquierの再生

半年前に行ったジャンクSquierのストラトのリペアは、擦り合わせを行わなかったことで若干セットアップで妥協せざるを得なかったり、若干反省点が残る内容になってしまった。

近々、一本またストラトのメンテナンスをする予定があるのだが、その前にもう少し経験を積んでおきたいと思い、再度ジャンクのSquierのストラトを購入した。

ヘッドにはSquier STRATという表記のスモールヘッド。Bulletでもなく、Affinityの表記もないパターンは初めてみた。シリアルから2002-2003年頃に販売されたものだと思われるのだが、この時期のBulletシリーズのヘッドの表記はSquier BULLETとなっているはずで、Affinityシリーズの場合は先端部分にAffinityという表記があるはず。調べてみたところSquier Starter Strat Packとして販売されていた初心者向けパックに含まれていたギターだと、BULLETの表記もAffinityの表記もなかったようで、このギターはそのモデルである可能性が高そうだ。ちなみに当時のカタログの情報では、中身はAffinityシリーズのようだ。

余談だが、今回調べていて初めてこの時期のBulletシリーズのストラトはハードテイル仕様だったことを知った。そのうち個体を見つけたら試してみたい。

今回のギターはそこそこコンディションが悪く、練習台としては良さそうだった。

  • ネックは逆反り

  • 指板は乾燥と汚れがひどく、フレットも錆びている

  • ボディには大量のステッカーと汚れ

  • 電装系は全体的に接触不良で音が不安定

  • 金属パーツも全体的にくすみ埃が溜まっている

ジャンクギターを直す上で最大の懸念はトラスロッドの状態だ。他の不具合は大抵の場合どうにでも直せるが、トラスロッドが限界まで回されていたり固着したりしていると素人がリペアでできることは大分限られてしまう。今までみてきたSquierのギターでは、トラスロッドが固着している個体が何本かあったのでそれが心配だったのだが幸いこの個体のトラスロッドは問題がなかった。

前回のリペアの最大の反省点は、擦り合わせをしなかったことによりセットアップを妥協しなければいけなかった点だったので、今回は擦り合わせもやることにした。擦り合わせの作業では、前回紹介した卓上掃除機が大分活躍してくれた。そこまで磨耗も浮きなどもなかったのでほとんど削る必要はなかった。

今回のリペアではシール剥がしにかなり時間を費やした。過去にJagardのリペアをした時もそうだったが、貼ってから長い年月が経ったシールを剥がすのはなかなか大変だ。

作業が終わったあとだったが、シールの剥がし方を調べていたところ「シール剥がし液を塗布した後にラップをすると良い」という情報があったので、次回はそれを試してみようと思う。

プラスチックパーツ類はかなり綺麗に変色していた。非常にいい色で、ノブで隠れていた部分をのぞいてムラなく綺麗に変色していたので、今回は無理に漂白したりせずこの色味をそのまま残すことにした。

ピックアップはロウ漬けがされていた。過去に修理したSquierでピックアップのロウ漬けがされていたものはなかった気がするので意外だった。電装系の接点不良の問題は、いつもの接点洗浄剤で解決した。

前回の反省を活かし、細かい部分もなるべく丁寧に作業して擦り合わせもしたので、幾分納得感のある仕上がりになった。弦のゲージは09-42で、弦高は1弦側1.5mm / 6弦側2.0mmで調整した。

Squierのギターは結構同じ機種でもサウンドや弾きやすさに個体差があると感じる。このギターは弾きやすさは標準的でボディの鳴りやサステインも特別よくはない。ただフロントの音は芯がありつつも枯れたサウンドで、今まで弾いてきたSquierの中でも1, 2を争う音の良さだと思う。組み上げて最初に音を出した瞬間に驚きがあった。豊かな響きという訳ではなく、逆に若干無理矢理捻り出しているような感じが、ボリュームを絞った時に独特の味わいを出していて、ギターというのは必ずしもボディが良く鳴れば良いわけではないというのを改めて感じた。

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