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"Changing the menu. For Good"

北アイルランドの首都ベルファスト(Belfast)で、イベント(国際会議などのMICE)の力を使い、貧困や食料廃棄問題にアプローチする興味深い取り組みが行われています。

実は、2022年のGDS-Index(観光視点での都市サステナビリティ指標)において、革新的な取り組みをした都市(Innovation Award)に選ばれたのが、Visit Belfastの「Changing the menu. For Good」でした。

※GDS-Indexについてはこちらの記事にもう少し詳しく書いています。

会議やコンベンションでは多くの食事が提供されます。コーヒーブレイク、レセプション、パーティーなどなど。どれも美味しく、参加者は食事をとりながら楽しい時間を過ごすのですが、食料廃棄の視点から見ると工夫の余地があるとも言えます。

とても美味しい料理が提供されたレセプションだったけど、これ以上食べられない程の量だった・・・。最後のデザートは別腹だけど健康のことを考えると控えた方が良かったかも・・・等。参加者の立場になったことのある方なら、こうした経験は誰もが思い当たるのではないでしょうか。

一方で、UK・北アイルランドにおいては、最近5年間でフードバンクの需要が128%アップしているという現実がありました。
ここに着目したのが「Changing the menu. For Good」
会議やイベント主催者に対して、事前にイベント開催中の食事を少し工夫することで、食べ過ぎや食料廃棄を防ぎ、かつフードバンクへの寄付を実現させるという画期的な提案です。さらに、プログラム提案方法にも一捻りあるのです。

  1. The 4th Course
    前菜→メイン→デザート→The 4th Course(4品目)というメニュー表が用意されていて、4番目を食べたつもりで寄付に

  2. Round Up
    1人あたりの金額を切り上げる提案。例えば、48£/人を50£/人と設定し、その差額を寄付に

  3. Pass It On
    イベント期間中の軽食のどれかを寄付に

  4. Donate
    シンプルに直接寄付

この取り組みを知った時、なんて素晴らしい取り組みなんだと感動しました!どの都市でも実施することができる取り組みだけれど、こういったプログラム化はされていませんでした。さらにさらに、この提案の仕方も素敵です。

日本国内でもいろいろな方に知ってほしいと思って、noteに書きました。
そして、私の街でも取り組めるよう、地元のフードバンクに話に行ってみようと思います!

【参考】長めの動画&英語になってしまいますが、関心のある方はこちらもぜひご覧ください。48:30~1:05頃がVisit Belfastの紹介で、このプロジェクトの担当者が直接説明していて心に響きます。