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博多の方言

今は熊本に住んでいる。
熊本にも独特の方言や言い回しがあって、
その言葉を使わなければ
「よそ者」と認定されるが、
熊本に越したのは50歳の時なので、
福岡に居た頃よりはそういうギャップに悩むことはなくなった。
4年前、熊本生活4年目の頃の日記。


今朝の熊本は晴れています。
先週の金曜くらいから
ほぼ毎日雨でした。

日曜だけは晴れていましたが、
僕は唯一日曜が休みで、
その日だけが晴れで、
あとはほぼ毎日、
レインコートを着て仕事していました。

レインコートを着て仕事していると、
大学生の時、福岡の春吉の街で、
出前の仕事をしていた時のことを思い出します。

雨の日にレインコートで出前していると、
「兄ちゃん、今日はしろしかろう?」
と何人もの人から言われたものです。
僕にとっては初めて聞いた言葉でした。

どういう意味かわからず、
「ああ、そうですねえ」と
あいまいな答えをしたものです。

春吉の周辺といえば、
昔ながらの「博多」と呼ばれた地区です。
風俗街中洲や、ゲイの街住吉などがあり、
あまりお行儀の良くないエリアです。

そこで昔から暮らしていた人たちの、
口から自然に出ていた「しろしい」という言葉、
それを遠い熊本の街で、
ああ「しろしい」というのは、
こういう感じのことなのかなと、
少し懐かしく思い返しています。

引っ越してきたばかりの頃は
なんて粗野でガサツな街なんだろうと、
あまり好きになれなかった福岡、
それ以上に粗野でガサツな熊本に暮らす今、
福岡もそんなに悪い街ではなかったなと、
少し懐かしく想っています。

「しろしい」も「ふうたんぬるい」も
もうネイティブでは聞けなくなってしまったので。


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