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同窓会の思い出

約10年ほど前、出身高校の大同窓会があった。
この大同窓会では卒業後30年の、
卒業生が幹事になって大同窓会を運営するという、
「伝統」のようなものがあるらしく、
その年がちょうど僕の代が幹事だったのだ。

それでその1年ほど前から、
同期の同級生が時々集まり、
プレ同窓会のような親睦会が開かれていた。

僕は基本的に発達障害のようなものなので、
「青春の情熱」とか「熱い友情」みたいな概念が理解できず、
学生時代から友人がいなかったが、
それはそれで孤独な人生なので、
これを機に人生を転換できたらと思い、
なるべく参加するように心がけていた。

それで顔も名前も知らない、
初対面の「お友達」がSNSに増えたのだが、
僕のTPOをわきまえない発言で敵も増えた。

そんなプレ同窓会期間中、
ある集まりが開かれたのだが、
僕はその時北九州の若松で仕事をしており、
21時頃に仕事を終えて福岡市の会場に着いたのは、
22時を過ぎた時間だった。

僕の知り合いの同級生たちはほとんど帰ったあとで、
しこたま酔ったあまり親しくない同級生から、
「紀川、なんで今頃来たと?」と言われた。

「みんなに会いたかったから仕事の後に駆け付けたんだよ」
と答えたかったのだが、
「ああ、迫害されてるんだな」と気づいて沈黙した。

同じ高校の卒業生として有名な方にタモリさんがいて、
毎年同窓会にビデオコメントをくださっているそうなのだが、
結局僕は本番の大同窓会には行きませんでした。
これが同窓会のせつない思い出です。


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