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別冊・医学のあゆみ p39-43

 インフォーマルケアの負担については、親族の認知症を通じて自覚することが大いにあった。読んで、数字としての負担を見ることができてよかったと思う。内容の要約をした。  高齢化に伴い、認知症ケアを必要とする人口は増加している。認知症ケアには、医療介護サービスによるフォーマルケアと家族によるインフォーマルケアがあり、大半をインフォーマルケアが占める。認知所ケアの社会的コストの推計において、インフォーマルケアを定量化し政策に反映する必要がある。本邦の社会的コストは年間14.5兆円で

    • 別冊・医学のあゆみ p34-38を読んで

       専門用語についての理解ができていないため、内容の要約をする。   貧困や社会的孤立は健康状態にも影響を及ぼす社会的要因(social determinants of health:SDH)である。SDHへの対応策として「社会的処方」が英国、本邦でも実現している。医薬品・治療の提供のみならず多職種での連携により生み出される効果である。患者への利益、生物学的な利益のみならず医療提供側への利益も生み出すものであるとされる。しかし、現在の報告からは有効なエビデンスは確立されている

      • 別冊・医学のあゆみ p28-33を読んで

         本邦では個人の医療費の負担を軽減すべく、様々な制度があるが、十分に活用されてるとは言えないとして、著者らは個人に適切な制度を適応すべく関係者の行動変容を促す理論的枠組みを作成している。  医療福祉現場における課題として、受け手側の要因により制度から取り残される、支援者側が役立つ可能性のある制度を十分に活用できていないことが挙げられる。要因を分析し、得た知見の利用には関係者の行動変容が肝要であり、著者らは行動変容に関する理論モデルBehabior Change Wheel(

        • 別冊・医学のあゆみ p111-116を読んで

           高齢化による介護サービスの需要の拡大は実感するが、人材確保と質の維持に関わる制度について知らなかった。著者はこの制度について時系列に述べている。  介護保険事業に従事する介護職は毎年増加し200万人以上になる。また、有効求人倍率は全職種で1.19倍のところ3.74倍と大きく上回っている。 しかし、1年間の採用と離職率はぞれぞれ全体で16.0%、15%となっている。1992年に福祉人材確保により介護と福祉に関わる施策の基盤が作られた。 その後の流れを時系列で述べている。  

        別冊・医学のあゆみ p39-43

          別冊・医学のあゆみ p106-110を読んで

           コロナウイルス感染症流行、院内感染対策・対応について各施設内の多職種連携と各職種個人の主体的な働きかけが重要であると考えた。著者の考える組織文化の可視化と比較は画期的であると思った。    感染症の流行や複雑な環境下での医療介護、限られた医療資源の中では多職種の連携が肝要である。そのための人材育成のプログラムと組織文化の可視化を進めている。 経営企画人材を対象とした経営人材育成のためのプログラムにて、経営判断に必要な選択肢を蓄積し創造につなげている。 また、組織のパフォーマ

          別冊・医学のあゆみ p106-110を読んで

          別冊・医学のあゆみ p63-68を読んで

           医薬品を処方する立場として、薬価の改定や薬剤販売終了についてはアナウンスを受けることがある。しかし、薬剤の価格の決め方や現状の問題点について体系立てた理解はできずにいる。著者は薬剤費上昇抑制とイノベーション推進の両立を進めるべく、現状の薬剤開発・値段設定・流通について説明し、現状の問題点とその解決策について述べている。 ・日本と欧米諸国での保険償還の違い 薬剤の値段を決定するのは、欧米は製薬企業で日本は国である。国が決めることで承認から保険償還までは短期間で、承認薬のほぼ

          別冊・医学のあゆみ p63-68を読んで

          別冊・医学のあゆみ p101-105を読んで

           医師偏在と人口減少に伴う医師需要の減少、医師の高齢化が問題として挙がるが、その分析に用いる測定スケールや指標により結果は大きく異なる 。適切な測定スケールと指標を用いて、医師需要減少と地域格差の対策を行うべきであると述べている。  測定スケールは地域の区分のことであり、かつて都道府県単位に区分していた。しかし徳島県のように人口当たり医師数が最大の地域と、最小の地域では2倍の開きが出ており都道府県内で大きな格差がみられる場合もある。現在は主に、一般の入院にかかる医療を提供す

          別冊・医学のあゆみ p101-105を読んで

          別冊・医学のあゆみ p54-62を読んで

           薬や治療の価値は、費用対効果や生産者側のコストを反映する定量的な指標だけでなく、薬が生み出す定量的に測れない価値も含んで考量されるべきと述べている。  この薬が生み出す定量的に測れない面からの評価を「価値に基づく評価」と述べこれによる価格を価値に基づいた価格(value-based price:VBP)と呼び、費用対効果評価や増分費用効果比とは異なったものであるとしている。この定性的な評価は最終的に数値化するが、根拠のある計算方法によって算出されたものではなく、過去事例に

          別冊・医学のあゆみ p54-62を読んで

          別冊・医学のあゆみ p96-100を読んで

           日本の医療は医師の自己犠牲的な労働により支えられている。改正医療法では医師働き方改革として、時間外・休日労働時間の上限が設定されている。医師の長時間労働だけでなく、睡眠時間の確保に焦点を当て対策することが、医師・患者の安全確保と持続可能な医療の推進に必要と述べている。 「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」では追加確保措置として睡眠不足に関する評価も行われている。  多くの医師が休日・時間外労働に従事しており、1割は月100時間を超える過労死ラインに当ては

          別冊・医学のあゆみ p96-100を読んで

          別冊・医学のあゆみ p50-53を読んで

           国民の総医療費は年々増加する中、医療技術の進歩により新しい治療法が次々と発表されている。税金、保険料等の限られた医療財源から捻出する必要があり、新しい治療の費用対効果の検討が行われている。イギリス・フランス・日本での保険医療制度と費用対効果の分析の応用方法が述べられている。  まず、疾患に対する新たな治療法には増分費用効果比(incremental cost effective ratio 以下ICER)を求め、値が低い場合は効果的であり、また許容値がある。イギリスでは新

          別冊・医学のあゆみ p50-53を読んで

          別冊・医学のあゆみ p90-95を読んで

           医師偏在については、私達医療者にとって医学部入試時点での地域枠、専門医制度におけるシーリングといった制度を潜り抜ける中で知った。 医師偏在への対策は、キャリア形成の初期段階で行われており、地域医師確保において一定の効果は得らえている。しかし、医師個人のライフステージとの均衡が課題であり、私の同僚も悩んでいたことから身近に感じた。 医師偏在に対する取り組みの変遷と課題について知り得た。  都市部・過疎地域の医師偏在はかつてから課題として挙がり、1970年代に無医大県解消構想

          別冊・医学のあゆみ p90-95を読んで

          別冊・医学のあゆみ p46-49を読んで

           費用対効果は聞いたことがあるが、医療分野における評価方法は知らなかった。治療ごとに比較する指標と、その課題について知り得た。  費用対効果とは、物事を費用と効果の面を掛け合わせて評価し、比較検討するものである。医療においては複数の治療法を費用と効果の指標を掛け合わせ評価する。費用とはその治療そのものの価格や合併症の治療費などその治療に関連する一連の費用である。効果の指標は生存期間、寛解率などである。治療・薬剤ごとに効果の評価方法や算出方法は異なるため、比較が難しい。そこで

          別冊・医学のあゆみ p46-49を読んで

          別冊・医学のあゆみ p138-145を読んで

           人々の健康には医療以外の様々な要因が関わっている。社会環境によって、人々の行動は影響され、その行動が健康に影響する。社会環境についてデータ・AIを用いた分析を行いまちづくりに反映し、その中で生活する人々の健康増進を図る必要がある。  人々の健康増進には社会環境の整備が重要である。健康増進には予防が必要であり予防のための個々人の行動は社会環境に影響される。 認知症には様々な因子が関わっており、一つ個別のアプロ―チの効果は限定的だが、様々な項目を用い多面的にアプローチする「包

          別冊・医学のあゆみ p138-145を読んで

          別冊・医学のあゆみ p133-137を読んで

           ナッジとは人の自発的な行動変容を促すものである。ナッジと金銭的報酬は相補的なものである。 ナッジと金銭的報酬の相補的効果、ナッジと金銭的報酬の組み合わせた効果をモバイルデータの導入を用いて見る、運動習慣へアプローチについて述べられている。ナッジと金銭的報酬のを組み合わせることで効果の出た取り組みはある、しかし屋外運動については効果が出なかったとする報告がある。 本邦でナッジと金銭的報酬の相補的効果を検証した例として、男性の風疹ワクチン接種がある。40-46歳の男性には自動

          別冊・医学のあゆみ p133-137を読んで

          別冊・医学のあゆみ p129-132を読んで

           生産年齢人口が減少する本邦においては労働力の確保が課題である。 生産性や業務の効率の向上維持にとって、労働者の健康は欠かせない資源である。産業医として、企業と連携を取り健康経営への取り組みとプレゼンティーズムへの対策に力を尽くすべきであると述べている。  企業の経営資源には人・物・金・情報があり、その中でも人は基盤となる資源であり、人々の健康は土台となる欠かせない資源である。健康な従業員が収益性の高い会社を作るとして、従業員の健康に投資し企業の持続的な成長を目指す考えを「

          別冊・医学のあゆみ p129-132を読んで

          別冊・医学のあゆみ p124-128を読んで

           私の専門とする皮膚科領域においても、疾患ごとにスコアリングはそうん在する。PDAI・BPDAI・PASI・EASIなどなど疾患の病勢を数値化する尺度が存在する。また、慢性疾患も多く特にアトピー性皮膚炎や乾癬は患者のQOLも治療効果の評価として重要であり、POEMやDLQIがある。 QOLは幅広い概念であるが、中でも健康状態に関連するQOLは健康関連QOL(health-related QOL)と定義される。昨今の医療では他覚的・客観的な検査データの改善のみならず、健康関連

          別冊・医学のあゆみ p124-128を読んで