別冊・医学のあゆみ p124-128を読んで

 私の専門とする皮膚科領域においても、疾患ごとにスコアリングはそうん在する。PDAI・BPDAI・PASI・EASIなどなど疾患の病勢を数値化する尺度が存在する。また、慢性疾患も多く特にアトピー性皮膚炎や乾癬は患者のQOLも治療効果の評価として重要であり、POEMやDLQIがある。

QOLは幅広い概念であるが、中でも健康状態に関連するQOLは健康関連QOL(health-related QOL)と定義される。昨今の医療では他覚的・客観的な検査データの改善のみならず、健康関連QOLなど患者の主観に基づく地路湯効果の評価が重視されている。

健康関連QOLの評価尺度の評価対象として、①従来包括的尺度②疾患特異的尺度がある。①は疾患の種類を問わず人々の健康関連QOLを測定することを目的とする。②は疾患特異的に健康関連QOLを評価する、。POEMやDLQIはこれに当てはまる。

評価尺度の結果の形として①プロファイル型尺度②インデックス型尺度がある。①は個別に定量的尺度を行い、大項目はいくつかの下位尺度ドメインの集合体から成る。②は数値による一元的な評価を行う

臨床現場では低負担な健康関連QOL尺度の開発が求められている。
何百項目もあれば、評価の精度は上がるが負担は増えてしまう。そこで、著者らは高精度で低負担な健康関連QOL尺度の開発を行っている。

項目数を減らすと、比較的健康な層で「最もよい」に回答が集中してしまう天井効果の減少を狙い質問を厳選している。また、尺度の種類を減らす目的で包括的尺度と疾患特異的尺度の長所を併せ持つ尺度の開発が行われている。筆者らは、臨床現場では身体・精神面など様々な面から多面的に評価する尺度が多用されこれを変数として、インデックス型尺度で得られた効用値を合わせ得られた値を比較検討し、精度が高く利用可能なモデルを提案している。

負担の少なく精度の高い健康関連QOL尺度の開発が、患者のQOL向上と臨床研究の向上につながると述べている。

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