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アラフィフ【C線上のアリア 湊かなえ 感想】

去年の春に亡くなった母は読書が趣味で、
「本が読めない人はなんとなくわかるけれど、
 新聞の連載小説すら読めない人がいるのは不思議。」
と、よく言っていた。

はい、それは私でした。

新聞は好きで毎日読むし、
読書も大好きだけど、
連載小説はボリュームがなくて、
読書に没頭したい私には物足りなかった。

そんな私が、
現在連載中の小説「C線上のアリア」をすごく楽しみにしている。
作家はイヤミスの女王、湊かなえさん。
このジャンルは苦手で、
湊かなえさんの本は今まで全く読んでいなかった。

アラフィフにどんぴしゃな物語だ。
若い頃の恋の思い出。
めっちゃ幸せな暮らしではないけれど、
こんなもんなのかなと置き所を探す今。
どんどん引きずり込まれる親の介護・未来の自分の姿。

朝、新聞をポストからとってくると、
真っ先にこの小説を探して読む。
掲載面が決まっているわけではないので、
「どこどこどこ?」と新聞をめくる。
定位置に載せてくれれば探さなくていいのになぁと思ったけれど
「はっ!
 これは認知症予備軍のアラフィフのために
 あえて変化をつけて試している?
 朝日新聞すごっ!」
などと勘ぐる始末である。

若い頃の恋人同士が、
50代、60代になって再会してまた恋に落ちる。
そんな小説やドラマは今までにもたっくさんあった。
それに対して私が感じていたことは、
「それできるかーーーー?」であった。

だって、
アラフィフはどーしたって、
シミはできる。
白髪が増える。
なんならまつ毛も白くなる。
体重は変わってなくても体系は変わる。
化粧や服で隠そうとするとなんだかイタくなる。
年齢と共に味はでてきても、美しくあるのは難しい。

手をつなぐなんて、
シミは手にもできますからね?
ましてやキスなんて、
口臭や歯周病が気になってできませんよ???
※アラフィフの皆様がそうだとは思いません。
 あくまで私個人の感想です。

湊かなえさんは、
そんな私の疑問を物語にしてくれている。
昔の恋人に感じていた他の人と何か違う魅力は、
年を取ってみたら少しいびつな感性だった。
親の介護にあまり協力的でない旦那に嫌気がさしていたけど、
それは昔の恋人も同じだった。
昔の恋人と再会するのは、
ドラマの中では同窓会や素敵なレストランだけど、
現実は介護で染みついたトイレの匂い混じりだった。

でしょーーーー?
そうでしょーーーーー???

若い頃の恋もね、
すっごく幸せだったし奇跡とか感じだけど、
若いという理由でそれなりに辛かったよね。
フィルターがかかってるから今はきれいに見えちゃうけど。

C線上のアリア、これからも楽しみです。
イヤミスの女王 湊かなえさんなので、
今後の展開も油断できません。
お花畑じゃない現実を見せてほしい。




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