だめな部下はいない。だめなリーダーがいるだけだ。
これはアリババ創業者のジャック・マー氏の経営哲学を記した、
「アリババの経営哲学」にて記載されている言葉です。
胸にぐさっとくるリーダーがたくさんいるのではないでしょうか。
自分自身、会社を経営して7年、サッカークラブを運営して15年、過去には大学のサッカーサークルで1年、いわゆる経営者や代表というリーダーの立場をやらせてもらい、たくさんの失敗をしてきました。
本当にたくさんの失敗です苦笑
そして辿り着いた答えがこの一節に全て凝縮されていると感じています。
"だめな部下はいない。だめなリーダーがいるだけだ。"
そもそも部下という言葉は、個人的には使ったことがないので、メンバーという言葉に置き換えて、自分は理解したいと思います。
現状のコロナ禍でも様々な国・自治体のリーダーたちが悩み抜いて、たくさんの意思決定をしていますが、そのリーダーの決断により国民や地域住民たちが前向きな状況にも、悲劇的な状況にも成っていることは誰もが感じていることかと思います。
今回は、政治リーダーの是非を問いたいものではありません。
世の中のリーダーという役割を担っている人材が、このジャック・マー氏の言う視点を持てるようになることで、
どれだけたくさんの組織に所属するメンバーが、生産性高く、かつ自分らしくハッピーに活躍できることか、と思った次第です。
自分も経営者の端くれとして活動をさせてもらっている中で、様々な経営者やプロスポーツ組織のリーダー、大学スポーツ界のリーダーなどとお会いし、意見交換をさせてもらうことが多々あります。
"自分が素敵だなと思う経営者・リーダーは、自分の社員・メンバーに対して、感謝と誇りを持ち、そういった経営者・リーダーのいる組織は、ほとんどの場合、成長著しく、メンバーもイキイキとしている"
と感じています。
一方で
何かしらの課題を抱えているリーダーの大半は、不平不満が社内や自分の組織に向かっていることが多い
とも感じています。
〇〇が能力が足りない
〇〇がモチベーションが低い
〇〇が・・・・
一概に、これら全ての事象がリーダーの責任と言ってしまうことは乱暴だということは認識しているのですが、
少なくともリーダーの視点として、
"メンバーが活躍できていない現状は、リーダーである自分の能力不足であり、メンバーには必ず何かしらの長所がある"
と認識した方が、生産的な議論に進んでいくでしょう。
やりたいことの旗印を立てたリーダーは、自分一人ではできないことを、自分にはない強みを持ったメンバーの力を借りて、成し遂げようとしています。
その時点で、メンバーに対するリスペクトや、メンバーが貢献できる場所は、確実にあるはずです。
もしそれがないのだとしたら、採用の時点で、能力認知を間違えている、ということにならざるを得ないでしょう。
そう言うと、大半の組織のリーダーがもしかすると、「自分が採用した人材ではない」ということを言うかもしれませんが、
もはやそのような状況でも、
今いる人材の適材適所で、生産性を最大化して、目的・目標の実現を果たす、と言うことはリーダーとしての責務
だと言えるのではないでしょうか。
そう考えると、メンバーの正しい能力認知、特に強み・長所に目を向けて、そこを適材適所で配置をして、メンバーのモチベーションと能力発揮の最大化によって組織貢献に寄与してもらう、と言うことが一つのありたい姿かと思います。
組織において、達成しなければならない目標があり、目標を細分化して、タスクとしてメンバーに配分し、そのメンバーの特性よりも、タスクありきでの仕事配分が、あらゆる組織で起こっている
ように見受けられます。
うまく言っている組織では、
タスクに対して、その人の特性とマッチさせながら、その人だけでは弱みも含めて解決されないタスクに対しては、その弱みを補う強みを持ったメンバーをチームとして解決していく
そんなアプローチをしています。
個人的には、
× 個人の犠牲を伴ってでも目標達成を目指している組織
○ 個人の特性を活かしながら達成できる最大の目標を設定できている組織
と言う形を、目指したいです。
そうなっていないと、そこに所属している個人が、
「この仕事、俺・私じゃなくてもいいんじゃないか?」
「なんのために、これやってるんだっけ?」
という状態に陥ると思います。
実は、そういった経験を自分自身たくさんしてきたので、いかに個人が自分らしくありながら、しっかりと組織貢献・社会貢献にも繋がっている状態を創ることができるか、ここが本質的なその組織のサステイナブルな競争源泉になると思っています。
個人の価値観が多様化してきている昨今において、リーダーの求められる能力も変化し、高度化してきている
と感じています。
だからこそ、その
"多様化している個人、の能力・モチベーションが最大化される役割や目標、を提供できる組織を創ること"
が、これからの時代には求められるのではないか、と思っています。
誰もが強みを持っているし、誰もが弱みを持っている。
だからこそ、人はチームを作って、一人ではできないことを成し遂げていく。
その原理原則に立ち返って、リーダーが謙虚に学び続け、メンバーの個性発揮を促す環境を創る、そんな組織がたくさん増えるといいなーと思っています。
"だめな部下はいない。だめなリーダーがいるだけだ。"
何よりも自分への自戒の念を込めて。
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