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「仲良し家族」をゴールにしなくていい

今日は家族について書いてみたいと思います。

家族みんなが仲よしで、いつも楽しく過ごしている家族というのは理想的ですよね。

でも、家族が仲良くすることや、家族が平和に過ごすことをゴールにすると苦しくなってしまうことがあります。


たとえば、いつも支配的な夫に従うばかりで、自分の意見が言えない人。

夫のほうは楽だし快適だと感じているけど、自分は夫に怒られるのが怖くて思ったことも口にできない。

ケンカもしないし表面上は仲の良い夫婦に見えても、これでは本当に「幸せな夫婦」とは言えないですよね。


たとえば、本当は実家が嫌で帰りたくないのに、親孝行しなくてはいけないとか、親がうるさいからという理由で、年に数回子どもを連れて帰省する人。

久しぶりに孫に会える両親や、おじいちゃんおばあちゃんに甘えられる子どもは幸せだけど、自分自身はストレスで心がすり減っている。

自分以外のみんながハッピーでも、自分がストレスまみれなら本当に「幸せな家族」の状態とは言えないと思います。


いま、小林麻耶さんの暴露動画が話題になっていますよね。私も動画を拝見しました。

あの動画自体の是非や、彼女の主張が真実かどうかとか、どちらが正しいとか間違っているとか、そんな話をするつもりはありません。それは、観た人がそれぞれに判断すればいいことです。

私があの動画を観て感じたことは、麻耶さんはご自分の家族、妹さん(麻央さん)や甥っ子さん姪っ子さん、ご両親を深く愛しているということ。

そして、家族の幸せや平和な日常を壊したくないがために、今までずっと本当の気持ちや言いたいことを自分のなかに抑え込んで、我慢してきたのだろうな、ということは感じました。

でも今やっていることはまったく逆のことじゃないか、という意見もあるかもしれませんが。。それは一旦脇に置いておいてください。

動画全体から伝わる彼女の憤り、悲しみ、悔しさは相当なもので、溜まりに溜まっていた感情が爆発したように見えます。

海老蔵さんの家柄や職業、社会的立場、麻耶さん自身のお仕事など、さまざまな事情があって、家族のなかでも世間に対しても、本当の気持ちを今までなかなか言えなかったのでしょうね。

愛する家族の幸せのためにずっと自分の感情を押し殺して、自分を犠牲にして頑張ってきたのだろうな、と思いました。


私もかつては、そういうところがありました。

7~8年くらい前までは、実家に泊まりに行ったときに夜になって父がお酒を飲み、毎度恒例の愚痴が延々と続いても、その場を離れずにテレビを見たりしてやり過ごしていました。

急に部屋を出て二階に上がってしまうと父が傷つく、かわいそうだと思ったからです。私がその場を離れることで、父の機嫌が悪くなったり当たられるのも嫌でした。

いつも母は父の気持ちを最優先にして行動していましたが、私も気づかずにそれをやっていました。ここにいたくない、嫌だという気持ちに自動的に蓋をしていたんです。

家族のかりそめの平和を維持するために、自分の気持ちを無視して自分に我慢をさせていました。そのことにすら気づいていませんでした。

私は元AC(アダルトチルドレン)なので、以前はもっともっとたくさんの感情を抑圧していましたが、回復した後もこういう癖にはなかなか気づけないものだなと思いました。


子どもの頃は、父がいる前では自分の気持ちを表現したり、自分の意見や考えを言葉にすることはまったくありませんでした。そうすることはとても危険だったからです。

何か一言言ってそれが父の意に沿わなければ、父は発狂して家に火をつけかねないと感じていました。自分も罵倒されたり殴られたり、ひどい目に遭うと分かっていたので、父のいる前では完全に心を凍らせていました。

感情を押し殺し、何を言われても何をされても黙って耐えることが、私にとっては家族のなかで生き延びるための最善の策だったんです。

そういう子ども時代を過ごして20代になってから、アダルトチルドレン関連の本を読み漁りました。それから少しずつ、心が解凍しはじめました。

当時は自分がどれほど傷ついてきたのか母に分かってもらいたくて、毎日何時間も号泣しながら母に話していました。泣かずにはとても話せませんでした。(居眠りしながら聴いていた母は最強です。笑)


大人になって自分自身の癒しを始めてからは、たくさん自分のために泣きました。何リットルの涙を流したかわかりません。

子どもの頃に感じてあげられなかった感情が出てくるたびに、それをノートに書き殴り、クッションを壁に投げつけ、自分を抱きしめました。
そうして長い時間をかけて、自分の内側に溜まっていた怒りや憎しみ、悲しみの感情を一つ一つ終わらせていきました。

今だったら、もっと楽で効率的な感情解放の手法を使うんですけどね。当時は手探りで自分なりにやっていたので、回復までに長い時間がかかりました。


話が長くなりましたが、日常的に自分の言いたいことを言わずに我慢して気持ちを抑えていると、こんなふうに怒りや悲しみなどのネガティブな感情が潜在意識のなかに溜め込まれていくんです。

それが心身にさまざまな影響を及ぼします。うつ病などの精神疾患や、身体の病気に繋がることもあります。

私の場合は抑うつ状態、神経症、過食、解離などの症状を体験しました。うつ病になる人、不安障害やパーソナリティ障害などを抱える人もたくさんいます。

だから、自分のこころの声、身体の声に普段からちゃんと耳を傾ける必要があるんです。


家族みんなが仲良し、というのはもちろん素敵なことです。

でも、我慢してまで家族と仲良くする必要はないと思います。

家族のうち一人でも自分の気持ちを押し殺したり、自分を犠牲にすることで成り立っている家族の平和は、偽りの平和です。

家族の平和よりも大事なことは、自分の内側を平和にすること、自分を幸せにすることだと思います。

・自分を一番に大事にすること。

・自分にできるだけ正直であること。

・自分になるべく我慢をさせないこと。

これらは、幸せに生きるためにとても大切なことです。家族だけでなく、恋人との関係や職場の人間関係にも言えることです。


たとえ家族であっても、考え方や価値観が合わなければ無理して一緒にいなくていいんです。我慢して合わせているとメンタルがやられます。

自分が自分らしく存在することを否定されたり、正直な気持ちを表現することを許してもらえない家族なら、距離を置いたほうがいいと私は思います。

家族が仲良しでいることよりも、一人一人が自分らしく幸せに生きることのほうがはるかに大事です。

仲良し家族は素敵だけど、そうでなくても大丈夫。(^^)

まずは自分をたくさん幸せにしましょう!


心理カウンセラー 高田 奈津子

●カウンセリング&セラピー クレッセント
●アダルトチルドレンのためのAC回復カウンセリング

札幌 カウンセリング


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